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隊長と筋肉DKの軽い手合わせ

LUC


ノーマルモード : 命中、回避、クリティカル率や一部

スキルの発動率に関わる運要素の数値。他にも状態異常の

かけやすさ、かかりやすさとダメージ判定の微増減にも

影響を及ぼす。


リアルフィジクスモード : 本人の幸福度、運勢、昨今の

運気によって変動する。基本的には運が良ければどんどん

上昇し、ツキが無いときはとことん低下する。


ブックマーク20人ありがとうご~ざいますっ!! これからもどんどん盛り上げていくので、今後ともよろしくお願いします~!

18話


「隊長~!」

「長旅お疲れッス!」

「本当にお久しぶりです隊長」

「我ら一同強くなりましたよ」


マリリン、レイル、クラフト、ジェルマンは、

それぞれの言葉で隊長を出迎えた。


「フッ、随分と待たせてしまったようだな」


隊長は、胴体に抱きつくマリリンの頭を撫でながら、

全員の顔を確認していた。ブロンドの短髪に、外側が

金縁の黒い鎧を着用した、いかにも傭兵団の隊長と

いった出で立ちをしている。


「隊長、彼は昨日うちに入団したアレウスだ」


「アレウスです。昨日からお世話になっております。

よろしくお願いします」


ジャンヌと共に、お辞儀をした。


「俺はアグロフラッシュで隊長を務めている

レオナルドだ。君の働きはジャンヌから聞いて

おるぞ。初日でドラゴンを倒したことも含めてな」


昨日までの情報は、かなり詳細に伝えられていたようだ。


「そこまでお知りになられていたのですか」


「ああ、期待の即戦力だと報告を受けた。どれ、

この後軽く手合わせでもしてみるか?」


「うっそ!?」


隊長の申し出を聞いていたマリリンが、心底驚いた

表情で叫んだ。


「ア、アレウス…………悪ぃ事は言わねぇから、

隊長との手合わせだけは止めといた方が吉だぜ……」


レイルまで消極的になっている。


「…………まぁ、強制するつもりはない。止めるのも」

「いいや、受けさせてください!」


部屋中に響き渡る声で叫んだ。


「フッ、そう来なくてはな。訓練室に移るぞ」


ギルドの鍵を閉め、全員で地下の訓練室へ移動した。


「制限時間は無制限、武器の使用は自由、どちらか、

或いは両者の戦意が損失した時点で決着とする」


審判になったジャンヌがルールを説明した。


「さて、まずは素手で相手をしよう」


「別に武器ありでも大丈夫ですよ?」


「武器は使うに値すると感じてから使うことにした」


「それでは直ぐに握らせますよ」


両者の目付きが鋭さを増した。


「構えて…………始め!」


先手必勝とばかりにアレウスが間を詰める。


「オラッ!」


籠手を装備した右腕を全力で加速させ、レオナルドを

突いた。


「フッ…………」


レオナルドは少しも慌てず、的確に腕を受け流した。

アレウスは、そうなることを予想していたため、既に

右足中段蹴りを放ち終えていた。


「それでこそだな」


対するレオナルドは、最小限の体裁きで蹴りを避け、

次の瞬間凄まじい速度の拳を放った。


「これはどうだ!」


アレウスは当たり前のようにギリギリ攻撃を回避し、

今度は接近するかのようなフェイントで、横に素早く

移動することで、レオナルドの視界から消え去った。


「オラァ!!」


ムエタイ選手の5倍程速いであろう回し蹴りを、

レオナルドの背後から放つ。


「ヌゥン!」


が、レオナルドも斜め上に放つ後ろ回し蹴りを

アレウスの脚を掬うように放つことで、致命打の

回避とアレウスの転倒を同時になし得た。


「やべ…………」

「終わりだ」


回し蹴りの勢いも加えた拳で止めを狙う。


「サイクルクr…おぐっ!」

「グッ!」


ここで回転技を用いることで、ただ殴られるだけ

でなく、一矢報いる事に成功した。


「やるじゃないか…………」


「流石に食らっちまったか…………」


楽しげに闘う2人を見守る団員達は、皆、

固唾を飲んだ表情になっている。


「ここからは、両手斧を用いるぞ。もっと楽しもうか」


重そうな図体に反し、獣並みに身軽な動きで

斧を振り下ろす。


「ふんっ!!」


右に避けたアレウスが、反復横飛びの要領で

切り返してから、発勁を鎧に打ち込んだ。


「ぐうっ!」

「うおっ!!」


アレウスの接近に反応したレオナルドは肘打ちを

繰り出したが、顎をかするだけになった。


(鎧着てるのに何て加速度だよ!…………っつ!?

今意識が!)


「フッ、どうした?」


両手斧の横凪ぎを、屈みつつ籠手を上へ添えることで、

どうにか受け流すことに成功した。


(あれだ、脳震盪だ!)


そう、かすった肘打ちの衝撃で、アレウスは脳震盪を

起こしていたのだ。


「思うように体が動いて無さそうだな」


斧の重量を感じさせない斧裁きで、アレウスを

防戦一方に追い詰めていく。


「その内治るっ!」


アレウスは一気に後退し、レオナルドの

踏み込みのタイミングと同時に横へずれて

いくことで、いつの間にかレオナルドの

周囲を高速で回転するように動いていた。


「うおおおっ!!」


隙を見て、レオナルドに突撃する。


「それだけか?」


レオナルドは完璧なタイミングで斧を横へ振り抜いた。


「な訳!」


アレウスは跳躍後、両腕を突きだしつつ、

きりもみ回転をする。


「良い反応速度だ」


互いにロングコートの端と、頬を切られつつも、

五体満足であることに変わりは無い。


「流石はこのギルドの隊長って感じですね…………

そこらのドラゴンと比べるなんて、失礼なくらい

強い…………!!」


既にアレウスの中では、レオナルドは今まで

闘ってきた相手の中で最強である。


「フッ、俺の実力をここまで引き出したユーザーは、

アレウス君。君が始めてだ」


レオナルドは心底嬉しそうな表情で、アレウスに

語りかけた。


「だが、俺はまだ本気ではない。今からは技も

使っていくぞ」


「!」


アレウスが瞬時に5m左折した瞬間、レオナルドが

振り下ろした斧から対面の壁までに大きな地割れが

発生した。


「本番はこれからだ」


音速で飛来する飛ぶ斬撃を、絶えず移動することで

避けていく。


(やっべぇ!! 両手斧でこの速度は無茶苦茶だ!!

まぁ、同然だよな。速攻ギルドのリーダーだもんな!!)


ある意味納得しつつ、どうすれば懐まで

潜り込めるかを考える。


「寂しいぞ。早く来い」


どちらかと言うと、悪役が言いそうな台詞を

言いながら、斧を投擲してきた。


「今だ……うごおっ!?」


得物を離したレオナルドに向かった

アレウスだったが、突如停止した。

そしてそれは間違った判断では無かった。

投擲された斧から無数の飛ぶ斬撃が

飛来したからだ。


「見切るか。本当にやるな」


レオナルドはそう言いつつ、脇腹に斬撃が入った

アレウスを見ながら、斧を受け止めた。


「けど、結局近づける!」


攻撃の止んだタイミングを逃さず、アレウスは

レオナルドに接近する。


「後一撃食らえば即死だぞ」


落ち着いた言動とは裏腹に、容赦の無い斬撃を放つ。


「目が馴れたぜ!! これが全力の一撃だぁ!!」


アレウスはレオナルドとの距離2mであるにも

関わらず、尚も加速して、全速力の拳を放った。


(止むをえぬか)


斧を眼前に添え、ガードの体勢を取った。


「だと思ったよ」

「ぐおおっ!!?」


しかし、レオナルドは下手をすれば、単純に顔面に

一撃貰うよりもダメージを食らっていた。


「全力の発勁に、ピンチで強くなる波動砲を

上乗せ…………死線の一撃だ」


衝撃は武器越し、鎧越しでも通じるし、波動は

使用者のHPが低い程強くなる。正にレオナルドが

食らってはいけない一撃であった。


「…………幸い武器はある。アレウス、お前に敬意を

表し、必殺技を撃つ」


「…………避けてみせましょう(遂に来たか…………!!)」


最後の最後に必殺技が来ることは予想がついていた。

アレウスは、全神経を回避に集中した。


「…………感謝する。久方ぶりに楽しめたぞ」


刹那、衝撃波が発生したかと思えば、レオナルドは

アレウスが居た位置の対面に居り、アレウスは…………

消えていた。

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