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隊長の帰還

TECについて


ノーマルモード : これが高いほど、狙いがつけやすくなる他、与ダメージ、攻撃速度、クリティカル率、必殺ゲージ上昇率が微増する。


リアルフィジクスモード : 空間把握能力、ボディイメージ、脳の認知機能が高いほど、高くなる。また、モンスターに攻撃を当てる経験が多くなることでも上昇する。

17話


「オーライ、オーライ…………よっとぉ! 完璧!完璧~!」


アレウスは、飛竜(大人)を倒す寸前に空高く

放り出したマリリンをお姫様抱っこのフォームで

キャッチした。


「マリリンさん、見てくださいよ。飛竜を倒したら

こんなに…」

「アレくぅ~ん? な~にが完璧完璧! かしらぁ~~??」

「へ?」


何やら様子の違うマリリンに、間の抜けた返事を

返してしまう。


「よぉくもあたしを天高く…………!!」


雷属性の魔法を発動させた。


「うおおおおおおっ!?!?」


突如襲い掛かるダメージに、盛大に驚いた。


「投げ飛ばしてくれたわねぇ!!? 怖くて怖くて

仕方なかったんだから!! もしアレ君があたしを

キャッチしそこねて死に戻りなんかしたら、頑張って

ここまで来て達成したクエストノルマも水の泡に

なっていたのよ!?!? 後、痛くない死なないと

分かっていても怖いものは怖いから、落ちた拍子に

失神したり漏らしたり色々大損害が発生するって

分かるでしょ!? ねぇ!!!!」


ここまで話しきるのに約5秒…………


「か、完全な配慮不足でした。以後、気を付けます

(この人絶対早口のギネス取れるだろ…………)」


「分かればよろしい! じゃあ……アレ君は頑張ったけど、

他者への配慮はまだまだと言うことで、半々にしましょう」


「おおー、半分もくださるんですね! ありがてぇッス!」


早速ドロップアイテムの回収を始める。


「色々あったけど、すごく助かったわ。ありがとう」


「こちらこそ、リザードモドキを超える強さの

ドラゴン系を倒す経験をさせていただいて、

お礼を言いたいのは俺の方ですよ」


全てのドロップアイテムとジュエルを回収し終え……


「では、冒険者が集う町、グラス・コープへ発車しまーす」


「レッツゴー!」


咄嗟に飛竜から逃げようとした際に獲得した新フォームで

走り出し、到着時間を5分短縮した。


「「ただいまー!」」


「おお、戻ってきたか」

「お帰り…ってアレウス、お前、何でマリリンを

おぶってるんだよ!?」


「ふぇ? あっ、下ろすの忘れてた」


レイルに聞かれ、今の今までマリリンを背中に

乗せていたことを忘れていた。


「レイル、勘違いしないでよね。あたしとアレ君で

チームを組むときは、こうして移動する方が圧倒的に

効率的だからおぶって貰うことにしたの。あんたの事

だから、あたしがアレ君に迫ったとか考えたんでしょう

けど、違うわよ」


降りながら、キッパリと告げた。


「ばーか、お前がそんなことするとか思うわけねーだろ。

俺はお前がこうしたと思ったんだよ。アレウスに乗ったら

速くて安全だから、このまま任務を押し付けてやろうと

したとな」


「なっ!? 後輩いじめなんかするわけ無いでしょ!!」


「へへっ、どうだか。クラフトがギルドに入ったばかりの

時は、えっらそうにあれこれと口出ししていたよなぁ~」


「冒険者のなんたるかを先輩として教えていただけ

じゃない!」


「先輩と言っても、一ヶ月半先に入っただけだったがな」


「一ヶ月半でも先輩は先輩! そう言うあんただって、

クラ君よりjob階級下じゃないの! 2ヶ月先輩の

癖して遅れてるのー!」


「んだとぉ!? お前なんか俺より10レベル以上

低いくせして、何をほざいてやがるっ!!」


「言ったわね! 複数jobを同時に鍛えているあたしと

少数jobしか鍛えてないあんたを同率で見るなと何度

言ったら分かるのよぉ!!」


遂には謎の追いかけっこが始まった。レイルが

素早い身のこなしでマリリンの視線を掻い潜り、

背後から接近したのだが、見えない壁に阻まれて

失敗する。


「あははっ! 姑息な男にありがちなミスね!」


「次は掻い潜る!!」




「……………………」


この様子にアレウスはポカーンとしている。


「あー、その、何だ。明らかにお前より年上の2人が

大人げない姿を見せてるのは見るに耐えないだろうが、

悪い奴等ではない筈なんだ。うん」


呆れながら擁護するジャンヌの後ろでは、レイルに

頭グリグリされるマリリンが、「痛くないけど、

衝撃で頭がおかしくなるからやめて~!」等と

叫んでいる。


「騒がしいですね、何かあったのですか?」


二階からクラフトとジェルマンが降りてきた。


「ああ、レイルとマリリンが至極下らない言い争いを

始めたんだ。放っとけばその内やめるだろう」


「ですね~」


ジャンヌの説明に、ジェルマンが納得した。


「クラフト、来ていたのか!」


「アレウス、今日は早く来ていたんだな。丁度良かった、

試して貰いたい装備品があったんだ」


クラフトは体に密着しそうなグレーのタイツを渡してきた。


「これは?」


「装備者の筋出力リミッターを外す事が可能なタイツだ。

STRとAGIが大幅に上昇するぞ、当然筋肉量が多い者程

恩恵は大きい」


「スッゲェ…………正に俺にぴったしの装備品じゃん…………」


「完全にリアルフィジクスモードユーザー向けの

装備品だな。リアルのガタイが大したことない

私等は使えないだろうな」


「と言うか、アレウス君以外はまともに使えないと

思いますよ。DEFもSPLも0の万人装備可能品だし」


ジェルマンが更に言及する。


「要するにゴブリンが落とす皮の服の劣化製品

みてぇなものか」


HPゲージが4割を切ったレイルが会話に混ざってきた。


「だけど、現実でゴリマッチョな人が着用したら、

凄くなるんだね!」


マリリンもHPゲージが4割近く減っている。


「まぁ、俺にピッタリではあると思うが、実用化

するには練習が必要そうだな」


「ああ、今の筋力でも全力の打撃で反動を受けて

いるんだ。アレウスはどうにかしてDEFを上げたい

よね」


「う~ん、ウエイトトレーニングして、牛乳飲んで、

骨密度を上げていくしか無いかな」


「拳や足を鍛えたらどうだ? 剛術系の武道では、

拳を下にして腕立て伏せをしたり、固い壁を殴り

続けて拳を固めたりするんだ」


突きや蹴りを多用する空手や少林寺拳法では、

怪我防止も兼ねて拳を鍛えることがある。


「あー、拳立て伏せは昔柔道部の先輩にやらされ

ましたわ! 滅茶苦茶拳痛かったですよ! 確かに

あれをやれば固くなって、反動ダメージが激減

しそうですよね!」


拳を痛め、筋トレに支障が出た苦い思い出を

思い出した。そしてアレウスは、ここまで武術に

精通しているジャンヌの中の人が気になっていた。


「よーし、それじゃあ拳や足の骨も超回復理論を

採用して、分割して鍛えていくことにしますわ。

その内、ドラゴン系をも一撃で倒せるようになって

見せますぜ!」


全員から歓声が上がった。


「長くギルドを開けて済まなかった。戻ったぞ」


重厚な声が聞こえてきた。


「「「「「隊長!」」」」」

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