乱闘系格ゲー無双の筋肉獣
バトルスタート~~
177話
「「「ウオオオオオッッッ!!」」」
試合の開始と共に、全ての選手達が宙を蹴り始めた。
手持ちの武器を振り上げ、構え、呪文を詠唱し…………
バトルフィールドの球体内部は、殺気と闘気に
包まれたのだ。
「くらえっ!」
「しまった!」
剣闘士が放った飛ぶ斬撃は、4m先に居た
ハイプリーストの腕をザックリと切り落として
しまった。現実なら錯乱してしまうだろう。
「ウオオオッ!」
「んん? そんなもんかぁ??」
ある場所では、ブリガンドとバンデッドが大槌と
両手斧でつばぜり合いを行っている。
「メガフレイム!」
「「キャーー!」」
そして更に別の場所では、ハイプリーストが
放った火炎により、女ヒットマンと女剛術家が
焼き殺されていた。
こんな修羅場に居て、アレウスもじっとして
いられなくなり
「チッッ!!」
始めに、彼等の声に掻き消されない舌打ちで、
ユーザー達の位置を把握した。
「ヒャハァッ!!」
「ゴッ!??」
両手槍を構え、突撃してきたグレートソルジャーに
対し、頭蓋骨にヒビを入れる威力の拳で一撃KOした。
「相手は所詮テイマー!」
「鞭さえ気を付ければ余裕だ!」
四方から、両手斧バンデッド、盾&片手槍
アーマーナイト、二刀ダガーアサシン、
早打ち特化のヒットマンが襲いかかってきた。
『パン! パン!』
「…………えっ?」
ヒットマンが2発ほど打ってきたが、アレウスは
僅かな体捌きだけで避けてしまった。砲主はそれに
驚きを隠せない。
(複数なら兎も角、単体の銃使いは最早驚異じゃねーな、
狙い定めのタイミングで刺すような殺気を感じるし、
銃弾よりトリガーに指をかけた音が先に聞こえるから、
回避のタイミングも完璧に取れる)
アレウスからすれば、相手の攻撃タイミングは
手に取るように分かり、そこに自身の瞬発力が
合わされば、回避など造作もなかった。
「オラァ!」
「遅すぎだぜっ!」
「ゴハァ!?」
両手斧の一撃は、しゃがみながら全身を縮めて
回避し、両足が相手の腹部に向いたタイミングで
両手を垂直に突きだし、急加速した両足の踵を
鳩尾にめり込ませた。
(肋骨全壊! アサシンが追い付けない速度で、
アーマーに突撃!)
その威力たるや、決してDEFが低くないユーザーの
あばら骨、全てが折れる程だった。アレウスは直ぐ様
両手両足を動かし、今度はアーマーナイトの方へ
急加速した。
「ぬあっ!!」
彼は即座に反応し、盾を構えつつ片手槍で突いてきた。
「オラッッ!!」
「ゴッッ!?」
しかし、アレウスは左手で槍の先端手前の柄を
握ったかと思いきや、全身の筋力をもって引っ張り、
こちらへと加速し始める相手の顔面へ、更に加速した
神速の拳を叩き込んだのだ。
「うっ…………」
「うっそだろ…………」
鼻の骨が完全に潰れ、それどころか若干顔面が
陥没したアーマーナイトを見て、ヒットマンと
アサシンは戦慄した。
「余所見かぁ!」
「ガッ!!」
そして、アレウスの前で思考停止することは、
死を意味し、アサシンは瞬く間に距離を詰められ、
下から顎を足刀蹴りで蹴り上げられた。
「ヒャオッ!!」
「来るなっ!!」
アレウスはもう片方の脚で、斜めにジグザグ移動を
開始した。ヒットマンは反射的に銃を連射したが、
そうしている間にアレウスの姿を見失っていた。
『ガッ…』
「チェックメイトォ!」
そして、途中から足音を消して下から上へと
かけ上がっていたアレウスが、背後に降り立った
タイミングで後ろ回し蹴りを繰り出し、ヒットマンは
頭から乱戦現場へ飛ばされていった。
「なんだぁ!?」
両手剣を構えた剣豪が、突如猛スピードで
飛来してきたヒットマンに、一瞬怯んだ。
「隙だらけだぜぇ!!」
「ウオオッ!!」
その隙を見逃さなかったパイレーツが、カトラスで
一撃を加えてきた。剣豪はそれをどうにか両手剣で
受け止めたのだが…………
「隙だらけだぜぇ!!!」
「「ゴフッ!!」」
先程、HPゲージが真っ黒なヒットマンが飛来してきた
方向から、アレウスのラリアットが飛来し、2人纏めて
瞬殺された。
「オラオラオラオラァ!!」
右折して、暗黒魔導士の丹田を殴り、左のローグの
頭を蹴り上げ、暗黒魔導きの向かいからやってきた
忍に対しては、弧を描くように飛び上がりながら、
背中を最大まで反らした状態で、右足の踵を脳天に
直撃させた。
「ハアッ!!」
盛大に体制が崩れているが、この環境は、空気を
壁としてどんな方向からも蹴れる。素早く両足を
揃えると、斜め左下方向に急加速し、そのまま
ジグザグ移動を開始した。
「フンッ!! ハッ! ホッ! ドリャアッ!!
ドッセェイ!!!!」
右下の聖職者の頭に右下回し蹴りをお見舞いし、
左足で右斜め上へ加速。右斜め上の魔闘家の脇腹に
右ストレートを炸裂。
真後ろへ加速と同時に、先程まで魔闘家と対峙
していた柔術家の顔面に飛び膝蹴りを決め、
きりもみ回転を加速させながら上昇し、5m上方で
乱闘をしていた6人を、超速度の左後ろ回し蹴りで
一掃した。
そして最後は、4足走行で最高速度の7割まで
加速した状態で、油断していた上級job・ウエポン
マスターの顔面に、神速の左ストレートを食らわせた
のだった。
「立体機動出来るの超楽しーーー!!」
アレウスは、野性的な挙動が得意なこともあるが、
どんなタイミングでも任意に全方向へ加速できる
この環境がとても面白いようで、嬉々として乱闘中の
ユーザー達へと突っ込んでいる。
(まだまだ人数は多いな。ビローブレイドや武器術、
関節外し技の解禁は、終盤まで持ち越しか)
それでも冷静さは失っておらず、まだ見ぬ強敵との
戦いに備え、手の内は温存していた。
~左下後ろ辺り~
「乱射!!」
「「「「ギャアアアアアッ!!」」」」
対人・空中戦に際し、弓を最大限に使える
ハンターへとjobチェンジしたミューは、普段は
誰にも見つからないようにひっそりと移動し、
乱戦時のチャンスで一気に攻め立てる戦法を
取っていた。
「やったな? コノヤローー!!」
が、たまに頑丈な近距離物理ユーザー等が生き残る
事もあり、今回はバンデッドが生き残った。
「オラァ!!」
頭に血が登ったバンデッドは、両手斧を全力で
振り抜いてきた。
「フッ! ハッ!」
「グッ、ゴッ!」
しかし、生来の格闘センスとアレウスとの手合わせを
思い出し、両手斧を確実に避けてからアッパーカットで
脳を揺らし、中段蹴り込みで距離を取った。
「強射」
「!!」
そして、弓の単純威力増強技でとどめを刺した。
「バレバレよ」
更に、左斜め下後ろから接近してきた連中に対し、
自ら左下に傾いたタイミングで、"曲射連撃"の曲がる
攻撃で仕留めていった。
「下心溢れる連中は仕留めやすくて助かるわ~~」
先程の連中は、戦略的に左斜め下後ろから
接近したのではなく、どさくさに紛れて女性
ユーザーの下着を見ようとしてそういう動きを
していた。
別の部位を見るべく、上から攻めてくる連中も
居るのだが、大抵はミューを始めとした彼女達の
餌と成り行く運命であった。
そして別の場所では…………
~右方辺り~
「ボルカノフレイム! ギガロウェイブ!」
ハイプリーストカンスト目前のマリリンは、
下心溢れる上下連中を火山の噴火のような魔法で
一掃し、真後ろから奇襲を仕掛けてきた連中は、
津波のような一撃で一掃した。
「ゴクゴクッ! プハァ、魔法の超速詠唱は
MP食うな~。それにしても、あのゴキブリと
比べたら、皆ナメクジ以下のトロさね」
マジックポーションを飲み干し、次の相手に
備える。いつもの鬼ごっこの成果なのか、他の
ユーザーの動きが遅く見えるらしい。
「…………あ」
どうやら顔見知りと遭遇したようだ。
~少し離れの場所~
「うおおっ!」
「甘ぇ」
グレートソルジャーの片手槍での突撃技・猛進貫を
紙一重でかわしながら、その喉にダガーを刺し、瞬殺
した。
「うおお…ゴフッ!?」
「バレバレだぜ?」
片手斧で素早く攻撃してきたバンデッドだったが、
首に当たったカウンターの後ろ蹴りで、これまた
瞬殺された。大抵のユーザーなら、蹴り程度でも
瞬殺が発動するようだ。
「終わりだ、デス・バースト」
重火器専門の上級job・デストロイヤーの男は、
レイルごと多数のユーザーを、破壊的な一撃で
消し飛ばした。
「フッフッフ、影からこっそり近づき、一瞬で
消し飛ばbabababa…………」
「殺気出してからの予備動作が長過ぎだ。出直して
こい。ったく、減らず口ヒヨコのマシンガントークを
聞きすぎて、コイツらの前口上が退屈すぎるぜ」
真下に直行することで砲撃を回避し、そのまま
飛び上がりと同時に首を跳ねたようだ。同じ上級
jobだろうと、レイルを捉えるには攻速不足らしい。
『ブオオオッ!! ドドドドッ!!!』
突如、突き上げる火炎と激流が発生した。
「んーだよ、ちゃんと突風も踏ん張って飛ばされずに
居たんだな」
顔見知りと遭遇した。
レイルVSマリリン
続く!!
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
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