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結末、そして空中最速生物は誰だ?

結果発表~~~~! と、ちょこっと飛行レース!

169話


「はっ! ぁあまりにバトルがスゴすぎてっ、司会にも

関わらず放心状態に陥ってましたっ! ソーリー!」


 黒い霧が会場全体を覆う中、ピカリンの声だけが

響き渡る。彼のライブ配信は案の定、画面中を非難の

コメントが埋め尽くしている。


「ゴォホン、状況をせぇいりしましょか。ドレイク

選手が黒炎を纏い、フラッシュ選手とのサンダァ

バトォオルッにて、ヴルー・ヴァイオレット・イルゥミ

ネェーーションッッ! に覆われ、次の瞬間にはアクァ

リュゥーム・ウォタァ~が覆い、ドレイク選手のダーク

・ファイアと思われるヴルー・ヴァイオレットが彩って

居ましたねぇ~~」


 本人に全く悪気が無いが、カッコつけ過ぎて何が

何だか分からなくなった振り返りを行った為、配信

画面が更に見ていられない物になった。会場も会場で、

微妙なざわめきに包まれた。


「ゥオッホンッッ。そしてぇ! まぁたしても刹那の

しゅぅんかぁぁんにっっ!! 真っ黒黒スケ~~♪に

なっちゃいましたねぇ~~。両選手とも無事なの

でしょうか?」


 最後の最後で漸くマトモな実況をしたため、一先ず

会場は落ち着いた。会場は。


「チッ!!…………居ねぇ。2人とも居ねぇって、

どうなってやがる」


 大きな舌打ちにより、エコーロケーションで周囲を

探知したのだが、モンスターらしき反応は無かった。


「鼻は火薬っぽい臭いで利かねぇし、目は言わず

もがな。触覚はそもそも空気が断絶されてるから

意味を成さねぇし、気配も感じれねぇ」


 外界の情報がまるで得られず、どちらが生き残った

のか分からない。


「ドレイク…………」


 フィンチもドレイクの行方を知らないようで、

心配そうに呟いた。


 10秒。長いようで短い静寂が、終わりを告げた。


「うおっ、フラッシュ!!」


 フラッシュがアレウスの台の上に転送され、

その気配を感じ取ったアレウスが、無条件反射的に

抱き締めた。


「グェ~、グェ~」


 ずっと試合を見守っていたクロウズも、嘴を

すりよせて健闘を称えた。


「ドレイク~~!!」

『グルルルルル…………』


 向こう側では、フィンチがドレイクの首にハグし、

アーウィンとデスニードルも寄り添っていた。


『会場の皆様にアナウンスします。現在会場を覆って

いる黒い霧は、ドレイク選手の黒炎と、フラッシュ選手

の水が混ざって出来た、呪いの水蒸気であります。只今(ただいま)

浄化作業中ですので、もう漸くお待ちください』


 アナウンス終了後、1分もすれば、元の青空広がる

天空闘技場へと戻っていった。


「さぁて! あの大爆発の霧が晴れ、ドレェイク選手!

フラァッシュ選手! 共にベンチに居ると言うことは

ァッッ!!」

「ドレイク、フラッシュ共に戦闘不能。よって、

引き分けとする!!」


「「うおおおおおおっ!!」」


 試合は完全に相討ちとなった。直後に爆発寸前の

スロー&スローVTRが流れたが、超音速で突撃する

フラッシュが、ドレイクにぶつかる瞬間、ドレイクは

全身の黒炎を喉に集約し、超高エネルギーの一撃を

繰り出そうとしていたのだ。

 しかし、流石に発動までは間に合わず、フラッシュ

の衝突で暴発し、相討ちの形で2人とも消滅したの

だった。


「こぉれは…………ドレイク選手はフィンチ選手の

気持ちに答え、土壇場で新技を修得したのですねぇ

…………チープな言葉では表せないドラマがここに、

ありますっ!!」


 アレウス・フラッシュペアもしかり、AIと人の

友情を目の当たりにしたピカリンは、感動に打ち

震えた様子だった。


「うう…………うう…………勝者も敗者もなく…………

いいやっ、どっちも勝者ッッ!! 素晴らしい

バトルを見せてくださった両名・モンスター達に

今一度大きな拍手ををををッッ!!!」


 ピカリンの呼び掛けにより、会場全体が拍手で

包まれた。


~スカイモンスターズレース~


「いっけぇぇええっっ!! フラーーーーーッシュ

ッッッッ!!!!」

「ドレイク! 翼に黒炎を全集中よ!!」


 モンスターレースの後半、ブッチギリで1位を

争っているのは、やはりフラッシュとドレイク

だった。


「今だ! 紫電の頭突き・爆速!!」

『バジュン!!!!』


 直線かつ、短距離に差し掛かったタイミングで、

マッハ3にも達する高速直進系の技を発動し、一気に

ゴールへたどり着いた。


「しまったぁ!」


 フィンチは、技を放つ指示を遅らせてしまい、

悔やんだ様子だ。そうはいっても、ドレイクも

直ぐに2着になったのだが。

 そして1分後


「エアロ、テールラッシュでコバエ共を蹴散らしてやれ」


 ドラコの指示を受け、飛竜のエアロが尾を

振り回して後ろに着いていたモンスター達を

弾き飛ばした。

 ついでに前方へ加速してもおり、何かと

効率的である。


「残雪ゥ! 烈火ァ!」


 グースがエントリーしていたモンスター達も弾かれ、

残る曲者はクロウズのみとなった。


「残念だったな、アレウス。貴様のカラスの

スモークでは、前方のエアロの目潰しはできまい」


 1位、2位こそ取り損ねたが、3位は取ろうという

ドラコは、最早勝った気でいる。確かにクロウズより

エアロの方が、最高速度は若干速いが…………


「キ・ル・ブ・ラ・イ・ト!」

「クゥオロロッ…………」


 クロウズは、黒煙幕以外にも豊富な妨害技を

持っており、初歩の視界暗転魔法が役立った。


「だぁーーーー!! それを忘れてたーーーーー!!」


 やはり、ドラコは肝心の技を忘れていたようで、

まんまとエアロを失速させてしまった。


「隣、通りまーす」


 クロウズはエアロのそばを通過し、これにて3i…


「残念で~す。3位はアーウィンちゃんのものなのよー」

「ピィーーーーッ!」


 突如猛禽類サイズの鳥が現れ、ゴールしてしまった。

熱と冷気を司り、光の屈折で人知れず…………いや、

モンスターしれず順位を上げていたのだ。


「やられたっ!」

「カーーーッ!」


 アレウス、クロウズは、息ピッタリに

虚を突かれたのだった。


「そんでもって、アーウィンの頭にデスニードルを

乗せるとか、マジでやるじゃねーか」


 結局、クロウズは5位になってしまった。しかし

それ以上に着目すべきは、フィンチのがめつさ。

アーウィンとデスニードルを同着3位にすることで、

そこそこ豪華な賞品・賞金を2つ貰ったのだ。


「ヘッヘーン、金銭は幾らでも大歓迎だよー!」


 片手にデスニードル、もう片腕にアーウィンを

乗せながら、得意気に胸を張った。伊達に、現実で

年収2億超えの男をターゲットにしていない。


「しかし、やっぱフィンチはモンスターってか、

動物? が大好きなんだな~。現実で顔も割れてるし、

今度じいちゃんちの犬か、もう1人のじいちゃんちの

猫を紹介してやるよ」

「ふぇ? マジ!? やったーー!!」


 SAFではモンスター。現実では動物が大好きな

フィンチは、SAFと現実両方で好きなアレウスの

提案に、大喜びした。


(むぅぅ~~!! あんの生意気小娘~~! その時は

私も同伴だから、覚悟しなさい!!)


 ミューが一連の様子を見ており、フィンチに対抗心

を燃やしていた。

最後までお読み下さりありがとうございます。

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