モンスターと同等なテイマーの戦法
大ッ変お待たせしました…………。せめて今日明日は
頑張るつもりです…………
4月20日 お待たせしています。本日の
12時~22時には、絶対に次話を投稿します。
167話
「それではぁ! 決勝戦すたぁとぉ~~~!!」
「試合開始!」
ピカリン、審判が同時に試合開始の合図を出し、
決勝戦が始まった。
「行けっ! デスニードル!」
「クロウズ、派手に決めるぞ!」
フィンチはアサシンホーネットのデスニードルを、
アレウスは、イタズラカラスのクロウズを場に出した。
「蜂対カラァス! 生物学的には、アレウス選手が
有利か!?」
ピカリンは、単純に鳥のクロウズが有利だと
考えている様子だ。
「クロウズ、ダークフェザーズ!」
クロウズは、闇属性が付与された羽根を、
大量に発射した。
「かわしてシャドウヘイズ!」
デスニードルは、羽根の間を潜るように回避した後、
前回より2体多い9体の影分身を行った。
「こっちもシャドウヘイズ!(アイツ、更に速く
なったな…………)」
「カアッ!」
クロウズも4体の分身を行った。
「カラスちゃんはまだまだだね! ニードルガン!」
『ドドドンッッッ!!!』
デスニードルの針が、クロウズの分身達へと
向かっていった。
「ダークディッシュで受け止めろ!」
「ゴロロロッ!」
クロウズは広げた翼を軸とし、中心部で1回転することで闇の円盤を精製し、飛んできた針を滅した。
「…………そこね。ニーd…」
「キルブライト!」
『キラーン!』
クロウズの影をすり抜け、遠方へと飛び去った
針から、フィンチはクロウズの位置を把握して、
追撃を命じようとした。しかし、アレウスの指示が
先に通り、クロウズは的確に、視界暗転技を
デスニードルにかけた。
「ゲッ!? ら、乱射しちゃえ!」
「ちょっと右にずれてから、ダークエッジ!」
「ゴロロッ!!」
アレウスは、デスニードルが針を飛ばす直前の
動作と、殺気を向けていた方向から攻撃の向きを
見切り、クロウズを安全圏へと移動させた。そして、
闇と風を複合した真空波でとどめを刺させた。
「デスニードル、戦闘不能!」
「どーして本体が分かったのよぉ!?」
フィンチは先程クロウズがデスニードルの本体に
向けて魔法を放ったことから、アレウスが的確に本体の
位置を見抜いたことを受け入れ、その理由を前のめりで
聞いたのだ。
「純粋に本体の動き追えてたのと、殺気が本体から
しか出ていなかったからだな」
「…………はぁ? あんたはバトル漫画の主人公
ですかぁ??」
動体視力と第六感が理由だったため、フィンチは
唖然としてしまった。
「そんなことは後で沢山話してやる。お次は誰を
出すつもりだ?」
「…………フフ、じゃあ、行っておいで、アーウィン!」
「ピィーーーッ!!」
片側が炎。もう片側が冷気の鳥が現れた。
「キルブライト!」
「かわして姿を消す!」
鳥・竜系モンスターの大多数に効果抜群の視界暗転
だが、今回は回避された上に、逆に温度差による
光屈折のステルスで隠れられてしまった。
「チッチッ左、チッチッチッ右、チッチッ上、
チッ、下…………」
アーウィンが隠れたや否や、アレウスは一定リズムで
舌打ちをしつつ、クロウズに移動の指示を出し始めた。
「な、なんでしょう? アレウス選手が連続で舌打ちを
開始しました。そんなにアーウィン選手の雲隠れが、
彼の逆鱗を逆撫でたのでしょうか??」
この様子に、ピカリンは、アレウスが搦め手に
怒りを覚えたのだと思った。
「(怒る? 撫でただけで百列猫パンチを繰り出す
ウィントすら、笑って許すアレウスに限ってそれは
ないわね)エコーロケーションかしら? もうあんたも
モンスターの1人として出たら?」
フィンチはアレウスの温厚さから最もな推測を立て、
茶化してみた。
「出来てりゃやってるさ。ルール上、無理なもんで、
誠に遺憾だぜ」
今回のルールでは、テイマーは出場禁止な為、
アレウスは残り1体の穴埋めとして自ら参戦
出来なかったのだ。
「全く、3人中2人しか登録しないとか、事情を
知らない皆さんは舐めプに見えちゃうと思うよ?
そぉんな不届き者にはキッツい一撃おみまいしないとね。
アーウィン、エクストリーム・テンプルネード!」
「右に動いて全力で上昇!」
「プィィィーーーーッッッ!!」
「カアッ! カーーーーーッ!!」
アレウスは、六感を元に、直後の回避を命ずる
のみならず、放たれた技を見て、副次効果の回避すら
命じてみせた。
「スゲ~~。初見で避けたのアレウス達が初めて
だよ…………」
「避けてばっかじゃ埒が明かねぇ! クロウズ、
ダークカバード!」
「カッカカカカカカカッッ!!」
今度は上空広範囲に闇の幕を張り、光そのものを
遮蔽した。光の屈折で姿を消していたアーウィンだが、
光そのものが無ければ、その辺の鳥と変わらない。
「やられた…………クロウズ黒いから見えないじゃん」
そして、漆黒のクロウズは、この闇で姿を消して
しまえるのだ。
「お、落ち着くのよ、アーウィン…………」
特に六感が優れているわけではないフィンチは、
この状況で力になれない。そう考えている間に…………
「クロウズ、あの辺にダークフェザーラッシュ!」
「カァァーーー!!」
アレウスの指示の元、クロウズは闇属性の羽根を
連続で飛ばした。彼はアーウィンの位置を把握して
いないが、主のアレウスが把握しているため、その
指示を信じて発射している。
「プィイィイィィィーーーー!?」
暗転したフィールドに、環境に溶け込む遠距離攻撃。
アーウィンは肉体的にも精神的にも消耗する一方だ。
「くっ…………そうだ。アーウィン、炎エネルギーを
爆発させるのよ!」
「プィアッ!!」
「なるほどな」
アーウィンが半身の炎を炸裂させたところ、
ステルスの解除を代償に、フィールドが赤く
照らされた。日光を遮られたのなら、新たな
光源を作れば良いのだ。
「炎の壁で受け止めなさい!」
「ピイッ!」
そして目前に炎の壁を作ることで、羽根の
連撃を阻止した。
「こうなったら一気に決めるぞ! ブラックストライク!」
「バーニングマシンガン!」
クロウズの闇を纏って突撃する、とどめ技に
対し、アーウィンは、火の粉をマシンガンの如く
飛ばすことで、此方に届く前に倒す算段だ。
「被弾を最小限に抑えつつ加速しろ!」
「流石の鍛え方ね…………けど、負けないわよ」
パワーとスピードを重視するアレウス流鍛練を
受けたクロウズは、火の粉のダメージを全HPの
1割程度に抑え、今まさに一撃を食らわせようと
していた。
「今よ! コルドリバース!!」
「ピイッ!」
「ワッ!?」
クロウズがアーウィンに一撃を食らわせる寸前、
アーウィンはそれまで消耗した炎属性に反するような
冷気を放ち、刹那の間にクロウズを凍りつかせて
しまった。
「ピッッ!!」
が、既に多大な運動エネルギーを獲得していた
クロウズを避けることは出来ず、HPは残り1割まで
減少した。
「だいどんてんどんっ? 返し~! 寄せに寄せて、
クロウズ選手を凍りつかせた~!」
「クロウズ、戦闘不能!」
「クロウズ、良く頑張った」
「グェ~~」
戦闘不能により、アレウスの足場へ転送された
クロウズを労った。
「よし、クロウズのバトンを繋ぐぞ、フラッシュ!」
次はトビウオのフラッシュだ。
「姿を消s…」
「マッハウォーター!」
『バジュッッ!!』
口から超高圧の水流を放ち、アーウィンが消える
前に倒してしまった。この技は後方へ大量の水を放つ
ことで、反作用によって口から放たれる水を音速以上に
加速できるのだ。
「アーウィン、戦闘不能!」
「フラッシュ選手の水鉄砲。その速さは名前通り、
光速級かーー!?」
「さぁ、来いよ」
「お望み通り、登壇させてあげる。ドレイクッ!!!」
『グオオオオオオオッッッッ!!』
場にドラゴンが存在する、あの重苦しい空気が
会場全体に広がった。
最後までお読み下さりありがとうございます。
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