二度あることは…………
悪意は再び絡み付く…………
盛大に遅れてしまい、申し訳ありません。
夜にももう1話投稿予定です。
163話
「よおっし! 皆でひとっ飛びするぞぉ~~!!」
アレウスの号令と共に、彼のテイムモンスター達が
一斉に飛び立った。
「ヒャッハァーーー!!」
アレウスは四足走行の最高速度・時速150kmまで
加速し、到達した瞬間、背中のエアロパーツを広げる
ことで、大空を舞った。
「フニャアッ!!」
次いでウィントもエアロパーツを広げて飛翔しつつ、
同時に後方へ風エネルギーを放つことで、前方からの
空気抵抗による減速を相殺している。
「天使の翼!」
アラクネ少女・スパロウは、巨大骨組みのエアロ
パーツに、無数の糸を結びつけることで、莫大な揚力を
獲得した。
「スパロウさんっ! 美しいっっ!!」
そう言う魚人少年・ブルーは、背中のエアロパーツ
から、高圧水流を放つことで加速している。
「ギッシャーーー!!」
全身がゴムに似た性質を持つウッディは、自らの
手足をゴムスクリューのように回転させ、プロペラ型の
加速器を駆動することで飛行している。そして
『シュバババババッッッ!!』
「カーーッ! カーーッ! カーーッ!」
トビウオのフラッシュと、カラスのクロウズは、
自前の飛行能力で追従している。
「このままSAF世界を1週だーーー!!」
アレウスはそう言いながら、右腕を突き上g…………
『バゴォォオオン!!!』
「うおっ!? ヤクザの仇討ちか! 受けてたつぜ!!」
早朝、寝間着姿の筋肉男は、刹那の間にベッドから
飛び降りつつ、少林寺拳法の左前中段構えの姿勢を
取った。
「……………………」
『ヒュッ!』
何かが空を切る音が聞こえたかと思えば、勉強机に
置かれていたプロテインシェイカーが彼の手に握られて
おり、これまたいつの間にやら手に取っていたミネラル
ウォーターを注いでからシェイクしていた。
「ゴクゴクゴク…………朝プロテイン、雑念全てを
取り払う…………フゥ」
プロテインを飲み干したことで、彼の精神は
落ち着きを取り戻したのだった。
「えっと…………やっぱ、夢の世界でガッツポーズを
取ったから、ベッドの縁ごと壁を殴り砕いちまった
感じだな」
壁に空いた拳大の風穴。彼の拳打の威力と、彼のみが
可能である特異性を表していた。
「とりあえず…………」
アレウス…………もとい、金子隆二少年は、事の経緯を
両親に説明、そして謝罪した。
「ってわけで、この通りだ! いや、本当に最近は
寝相の悪さで色々と悶着するんだ…………。2ヶ月前も
学校の壁殴り壊しちまったし…………」
「ううむ、隆二のベッドはそろそろ買い替えねばと
思いつつも、忘れていたな」
「ええ、狭かったでしょう? こちらこそ嫌な思いを
させ続けてしまったわね…………」
両親から逆に謝られてしまったのだった。
「いいや、気にしないでよ。あのベッドは寝心地
良かったし、お気に入りだったんだよ。買い替えるに
しても、修理してフリマアプリで売ってほしいな」
「ええ、そうするわ」
「しかし…………壁の修理は業者に頼むと高いな…………」
ベッドこそ必要経費と割りきれるが、壁が壊れた
のは、やはり2人とも想定外であったようだ。
「う~ん…………あっ、それなら拓人に計算して
もらって、最小経費で修理工程を立ててもらうよ!
修理は俺がやるから、父さん母さんはいつも通り
過ごしてほしいな」
「うむ、そうか」
「拓人君に見てもらうのは心強いかもしれないわね」
両親とも、拓人が高校生離れした発明を時々行う
ことを知っているため、すんなりと理解した。
「それじゃ、行ってきます!」
話が纏まったので、隆二は学校へと向かい始めた。
「婆さんにタマちゃん、おはよー!」
「おはよう…………」
「ニャ~」
すれ違い様に、近辺の散歩を日課にしている
婆さん達に挨拶をし
「あん?」
直ぐに学校に到着する前に、目の前の道を
チンピラらしき7人が通せんぼしていたので、
一先ず魂胆を聞くべく停車した。
「待ってたぜ? 筋肉野郎」
「早速だが、本題だ。的場美優の家を教えな」
隆二と美優、この2人と関わり深いならず者と
いえば、奴らしか居ない。そして何より
「(こんなに包み隠さず汚ぇ悪意を放つとか、逆に
清々しいな)誰だよそれ。知らねーよ」
こんな奴らに友人の住所を教えられる筈が無かった。
「ほぉう? 七罪組に手を出しておいて、よく嘘を
つけたものだな??」
「憤怒隊から事情は聞いたぞ? お前が組に手を
出したのはなぁ」
「てことで、情けねぇ憤怒隊に変わり、俺達怠惰隊
下っぱ連合が、お前に落とし前を着けるぜ!」
7人が同時に臨戦態勢を取った。
「えーと…………七罪組に、憤怒部隊…………建設会社か?
些細なことで器物破損しそうな連中だな~~。
あんたらは手抜きとかサボりとか酷そうだし。
こんなに年上に敬語使おうって思えなかったのは、
あんたらが初めてかもな」
盛大に皮肉を交えて返答した。
「ざけんなっ!!」
「俺達ゃヤクザだぞ!!」
「もう土下座しても死亡確定だぁ!!」
日本刀、サバイバルナイフ、鉄パイプ、釘バット
…………多種多様な武器を手に、隆二に襲いかかって
きた。
「ん~だよ、そう言うことなら先に言えよ…………」
ボクシングの構えを取り…………
「なっ!!」
一息で、7人の顎に神速の拳を当てて、意識を
飛ばしてしまった。
「さぁ~~てぇ~~…………」
隆二は彼らの小道具の内、縄に注目した。
~少し離れた場所~
「あっ、お婆さんにタマちゃん、おはようございますっ!」
「おはよう…………」
「ニャ~」
今度は美優が、婆さん達に元気よく挨拶をしていた。
「フンフフンフフ~ン♪」
楽しげに鼻歌混じりに登校していると
「あっ、隆二~!」
好意を寄せる友人が何かをしていたので、呼びつつ
駆け出した。
「ッシャア、完成完成~!」
その友人は、ヤクザ7名の両手両足を縄で一纏めにし、
更にヤクザの胴体と他のヤクザの手足をくくりつける
ことで、円形の構造体を作り終えていた。
「命名・交尾中のミミズ! あ、そうだ」
最後に、隆二は7人の背中に1文字ずつ、合わせると
"おこめどろぼう"と読めるように書いた。
「隆二…………何してるの?」
「ちっと見られちまったな。R18作品だから、これ以上は
見せられねぇぜ」
あまり長居したくない隆二は、美優からヤクザ達を
見えないように移動した。
「いや、それだったら隆二m…」
「事情は学校で話す。いつもみたいに後ろに乗りな」
「えっと…………キャッ!?」
「さ、行くぞ」
余程早く立ち去りたかったのだろう。隆二はまるで
経験人数100人超えの男の如き手際で、美優をお姫様
抱っこして自転車の後部座席に座らせた。そして、
直ぐ様発車してしまったのだった。
『…………ザ……ザザ…………』
交尾中のミミズとなった怠惰隊の7人。そのリーダー
と思われる男のポケットから、電波を送受信している
機械のような音が鳴った。
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