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史上最年少の海賊

おはようございます。こんな時間にあげました!

103話


「ウィント、ハイパードリルストライク!」


 アレウスはウィントを最大速度で投げ飛ばし、

同時にウィントに技を出させることで、何重にも

行く手を阻む船の壁を掘り進み始めた。


「くそっ、大分やられているぞ!」

「ベラミー様の名誉を傷つける訳にはいかない!

俺達が戦果をあg…ギャアアッ!?」


 お話し中のスケルトンと海賊が居ようと関係なく、

ウィントは彼らごと掘り進めた。


「ウッディ、入り辛けりゃ殴って拡張だ!」

「ギシャッ!!」


 穴を開けているのが山猫のウィントな為、

トビウオのフラッシュは兎も角、チンパンジー

ウッディと大男アレウスにとっては穴が狭い。

そこで拳打が非常に役立ってくるのだ。


「おっ、ウィントが見えて…………!!!! この

気色悪さはベラミーが近いぜ。ウィント、

チョイとどいてな!」


 ウィントが立ち往生していた壁から彼を退かし、

全身を全力で捻りながら、片側だけ関節を外した

脚で最高速度の回し蹴りを炸裂させた。


「よぉぉおおおし! 覚悟しろ、ベラミー!」

「ようこそ、船長部屋へ。まぁ、来たからには

互いに楽しもうぜ」


 モンスター3体を引き連れているアレウスに

対し、ベラミーにもタコとイカ、そして魚人と

人魚を率いている。


「行くぜ! ウッディ、俺と一緒に超蜂連槍貫!!」


 先手は銛による高速連続突きだ。


「っマジか!」


 この一撃で魚人と人魚は倒され、ベラミーは

動揺した。因みに後々ストーリーに関わる存在は、

HPが0になっても消滅しない。ただし、触れようと

してもすり抜けるので、何らかの方法で消滅させて

バグを引き起こすことは出来ないのだ。


「ウィント、ドリルストライク! フラッシュ、

ドリルトゥース!」


 間髪入れず、ウィントとフラッシュに

突撃を命じた。


「オクト! スクイド! っ容赦しねぇぜ!」


 先程の槍を防いだタコとイカもやられ、ベラミーは

遂に本気を出し始めた。しかし…………


(もう)(ぎゅう)角貫(かくぬき)(しん)!!」


 踏み込みから全力で突きを繰り出す一段強化技を

繰り出し、ベラミーが知覚する前に脳天を貫いた。


「ストーリーキャラだと、こうなっても生き返る

からシュールなんだよなぁ」


 ボスを倒し終えたアレウスは、呑気に感想を

述べていたのだった。


~クラスメイトサイド~


「逃がすか!」


 ミューが矢を3本纏めて放った。


「ぐはぁ!」

「かっ…………」

「ぬわーーー!!」


 三者三様の叫びをあげて、倒れた。


「あと少しで目的地ですわね」

「ああ。だが、その前にもう1体相手する必要が

ありそうだ」


 クラフトがそう言うと、曲がり角の影から1人の

少年がひょっこり現れた。


「あらかわいらしい少年。ボク、名前は何ていうの?」

「こ、こんばんは…………ぼ、ぼくは捕虜にされた

子供のジョン・ドゥ~だよ」


 ミューに訪ねられたジョンは、やや怯えた

様子で答えた。


「まぁ、かわいそうに。でも大丈夫。私達が必ず

地上に助け出してあげますわ!」

「やったぁ! お姉さん達優しくて絶世の美女!!」

「いや~ん」

「それほどでもありますwa…」

「異義あり!」


 2人が子供のお世辞で喜んでいると、クラフトが

異義を申し立てた。


「…………ベラミーの船には1人だけ、11歳に

満たない少年が乗っていたことが伝えられている」


「そんな! 義に厚いベラミーだって所詮は海賊。

子供を船員にするほどは器が広くないはずだよ」


「…………いいや、沈んだベラミーの船から少年の

ものと思われる遺骨が発見されている。そして

その少年の靴に書かれていた名前はジョン・キング。

……そう、君は(ジョン)(ドゥ)しの少年捕虜では

なく、海賊ジョン・キングだ!!」


「クラフト君、本当? こんな利口そうな少年が

海賊だっt…」

「あーりゃりゃ! ベラミー船長の手土産に、

隙見て暗殺しようと思ったけど、無理そうだね」


 ミューが疑問を口にしている最中、ジョンは

あっさりと身分と目的を明かした。


「じゃあ俺が止めるまでだよ!」


 物の衝突する速度が速い程、大爆発を起こす盾で

ジョンを殴り付けた。


「空気を殴ったお兄さん。足元ご注意だよ」

「なにっ!? グアッ!!」


 盾はいつの間にかジョンの背中にあり、クラフトの

足元では爆発が起こった。


「うぇ!? 何が起きたの!?」


 唐突な爆発にミューは驚き戸惑った。


「これで皆さんの攻撃手段は全てちょうだいしました。

因みにお兄さんが爆発したのは、今お姉さん達の

持っている爆弾が原因だよー」


「まぁ! 私のステッキがありません!」

「うっそ!? 弓がすり替えられている!」


 いつの間にかお姉さん2人の武器が、爆薬と

すり替えられていたのだ。


「はい、お次はピンクのお姉さんに注目! ウインド!」


 ジョンが小規模な風魔法を唱えると、いつの間にか

ミューの足元にあった魔法石が発動し、上昇気流が

発生した。…………即ち


「いやあああっ!! 古典的なスカートめくりを

今すぐやめなさーーーい!!」


 ミューのミニスカートが盛大に裏返ったのだ。


「あっ、私まで!」


 風力の強さゆえ、イシュタルのローブまで

舞い上がろうとしている。両手で抑えていても、

角度次第では見えてしまう。


「やってくれたな! 思い知らs…」


 体勢を立て直したクラフトだったが、当然2人の

下着が見えてしまった。


「ぐおおおお…………!!!!!!!!」


 たちまち興奮による鼻血が原因でのログアウトを

防止するため、そっぽを向かざるおえなくなった。

そして、一見ギャグじみたこの展開だが、クラフトに

とって致命的なミスを犯したシーンでもあった。


「あーあ」


 ジョンがそう呟いた瞬間、3人の足元で規模の

大きめな爆発が起こった。


「お姉さん達、気の知れたお兄さんしか居ないのに、

爆薬を放り投げちゃダメだよ。それにお兄さんも、

いくらキレイなお姉さん達のシャッターシーン

だからって、落下中の爆薬を見落としちゃダメだよ?

いやー、しかし見事に決まったね!」


「こ、この子悪魔よ!!」


 真っ黒焦げになったミューが、ジョンを

悪魔だと主張した。


「ヒドイなぁ。ぼくは船で皆に物資の配膳をしたり、

その他雑用をしたりと出来ることをやっていただけ

なのになぁ。そんなこと言うお姉さんは()(くろ)(すす)

村娘って呼んであげる」

「なにその汚いあだ名! ふざけてると本気で

ぶん殴るわよ!!」


 ミューは完全にジョンのペースに呑まれてしまった。


「そうか、運搬を極めてこんなふざけた能力を

使いこなすようになったんだな」

「ビンゴ!」


 彼の能力の1つは手持ち物質の入れ替えらしい。

使いこなせばクラフトの盾と爆薬を入れ替え、

そのまま落下による起爆を引き起こす等の応用を

可能とするようだ。


「まぁ、そんなに怒らないでよ。弓お返しするね」


 あろうことか、ジョンはミューの弓を投げ返した。


「そのままぶち抜いてあげる!!」


 弓さえ手に取れば瞬殺可能。ミューはそう判断

して、自ら弓に手を伸ばした。


「よせ!」

「もう遅いね~。ハイッ!」

「ミギャアアアアッ!!?」


 やはりというか、弓と爆薬を入れ替えられ、

ミューははしたない格好で5mほど吹き飛んだ。


「ミュー様!」

「ぐぐぐ…………言わんこっちゃ…………ねーぞ、ミュー」


「ケホッ、あんただって何回も見るとか

…………後で罰金取るからね」


 お互いがお互いを貶している。アグロフラッシュ

では珍しい光景だ。


「いやー、醜いねー」


 そしてジョンの煽り感想。これぞ正に"手玉に取る"

である。


「あぶなっ!」

『ボグォン!!』


 クラフトは間一髪、足元に爆弾を転がされている

ことに気づき、何とか普通の頑丈な盾で防いだ。


「黒兄貴は多少賢そうだね。油断できないや」

「ああ、俺はミューのようにはいかねぇぞ」

「けど、余程素早い奴以外でぼくを倒せる奴は

存在しないさ!」


 ジョンは道中で見かけた赤毛の猛獣を思い返し

ながら断言した。


「いいや、俺はお前の倒し方を既に考え付いたぞ。

それも俺のような鈍足にも出来る方法をな!」

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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