筋トレとゲームの両立
今日は恐らくもう一話投稿します
第1話
スポットライトが当たるステージ、ざわめく会場…………
そして、ステージにズラリと並ぶ5名の筋肉質な男達。
ここは、高校生ボディビル大会の会場だ。
「第34回高校生90キロ超級ボディビル優勝は、
金子隆二選手~!」
ズ抜けた長身と筋肉量、少し赤く染まったサラサラ
ヘアーにかなり日焼けをした少年が、トロフィーと賞金、
そして半年分のプロテインを受け取った。
「2ヶ月後はパワーリフティング大会…………3ヶ月後は
ウエイトリフティング大会か。バルクを維持しつつ、
5種目を極めるのは中々しんどいな…………」
そんなことを考えながら家へと帰り、豪勢な晩飯と
寝る前のプロテイン牛乳を確実に摂取してから8時間
の眠りへと入った。
「…………やべっ!!」
隆二は飛び起きた。何故か、遅刻しそうになったから
ではない。時計はAM6時30分を示しているから。
早朝のアニメを見損なったからではない。アニメは
録画をする派だから。だとしたら、どういうことかと
いうと…………、
「ゴクゴク…………あー、うめぇ。朝プロテインは
やっぱ最高だぜ」
空腹による筋分解を一刻も早く防ぐ為であった。
「…………今日の予定はっと、寝覚めにクリーン&
ジャークでウォーミングアップだな」
軽重量に設定したバーベルを瞬時に胸まで引き上げ、
そのまま頭上まで一瞬で持ち上げる。そして寝ている
家族のためにそっと下ろす。この一連の動作を10回
ほど繰り返し、朝ごはんの支度に向かった。
「ご馳走さまでした。行ってきます」
学校までは500m程しか離れていないが、スピード
が出やすい自転車で向かう。半端な筋力を発揮すること
で有酸素運動をしてしまい、筋分解してしまうことを
防ぐためだ。
~グラウンド~
ああ……嫌な時間がやってきた…………。
「金子、遅れるな」
ウォーミングアップのランニングで周囲より少し
遅れる金子に体育教師が注意をする。
「あんな筋肉持ってるのにおっせぇの」
「使えない筋肉(笑)」
(うるっせぇぇえなああぁあ!! 俺はパワー系の筋肉
を特化して発達させてるんだよ! 持久力がねぇのは
仕方ねぇだろ!! この運動神経抜群(笑)クソガリ・
ウスラバカ共め!!)
200mを3週がウォーミングアップ? ふざけんな
よ。明らかに過剰な有酸素運動だろ! もう息だえだえ
だ…………。
「よし、これから1500m走を測定する。金子、
足を引っ張るなよ」
「(はいはい…………)わかりましたー」
小言を言われるのは嫌だったので、皆と同じペースで
走るのが辛くなったタイミング(200m付近)で全力疾走
することにした。案の定吐いた上、気絶した。
昼休憩
チャイムの音で目が覚めたら、保健室の天井が見えた。
「えっ…………? 今、何時ですか…………??」
「丁度12時よ」
保健室の先生が答えてくれた。
『グギュルルルルルルルルゥゥウ!!』
腹の音で返事を返してしまった。
「うぎゃああ!? カタボッちまう!!」
保健室の窓から壁面を伝い、ものの5秒で二階の
窓まで到達した。
「退け退け退けーーー!」
その大きな体から放つ威容で生徒を退かし、自分の席
にあるバッグから巨大弁当を取り出して食べ始めた。
「ご馳走さまでした!…………グゴォォォ」
食って即、眠り始めた。
その後は幸い数学と理科(物理)の授業であった為、
気楽に過ごすことが出来た。こういう法則性のある
分野は法則さえ理解できれば分かるので、現代文や
地理よりもスムーズに覚えれる。
「さて、帰ってパワーリフティング版のベンチプレスを
練習するか。ベンチは30キロ記録更新してぇな」
基礎的な筋肉量、筋力はボディビル大会に向けての
筋トレで培った。問題は…………、
「今日の持久走のカタボリックが何処まで響いているか
だよなぁ…………」
体育教師の顔を浮かべ、恨みを募らせる。
「お、隆二!」
振り替えると友人の拓人がいた。
「拓人、今日は運んでくれてありがとよ。重かったろ」
「いやぁ、10m運んだだけでぎっくり腰になるかと
思ったぜ。それでよ、お前に紹介したいゲームが
あるんだ!」
「ゲーム?」
「その名もScience And Fantasyだ! VR世界で
冒険者ギルドに入り、チームで魔王討伐に向かう剣と
魔法と銃の近未来とファンタジーの融合作品だぜ!」
何だその何でもありは…………と、思った。
「面白そうだが…………ゲームって意外と有酸素運動に
なるから、今はよしとこうかな」
「いいや、VRゲームは自分が動かずともアバターを
自在に動かせるんだ。だから遊んでも運動したこと
にはならねぇ。どうだ? 筋トレと両立できる
だろう??」
「…………そんなに言うなら買ってみるか。ボディビル
の賞金の使い道にもなるだろうし」
やることが決まり、ゲーム店へと向かった。
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