なめんじゃねえぞ
なんだよ
やっぱり俺じゃ無理だって思ってるだろう
思ってないよ
嘘だ
嘘じゃないよ
俺にはできねえ
どっちよ
でもやるよ
今日は100点とってくるぜ
俺ならできるからよ
ええ出来るわ
やっぱできなかったぜ
でしょうね
何点だったの?
99.9点だったわ
0.1点!
勉強はできねえけど、50m5秒台とってくるぜ
時代は筋肉だからよ
ええ出来るわ
やっぱできなかったぜ
何秒だったの?
6.0秒だった
また0.1!
勉強も力もねえけどカラオケ100点とってくるぜ
時代は歌声だからよ
初耳ね
やっぱできなかったぜ
どーせ99.9でしょ
3点だった
ものすごい音痴!
勉強も力も歌声もねえけどなんか言ってみろ
絶対できるからよ
無理しないで
わかった。
うん
彼女連れてきてやるよ
何も分かってない!
振られたぜ
でしょうね、あんた重いもの
プレゼントに婚約届け渡したら、重いってヨ
重すぎた!
本当はわかってんだ
おメーが何されて1番嬉しいかなんてよ
じゃあしてよ
でもちょっとだけ兄ちゃんできねえかも
できるよ!
できるよ!って言ってんだろ。どーせ。
うん。
あぁ、やるからよ兄ちゃんの事待っててな。しばらく来れねえ。
ちゃんと連れてきてね。
お兄ちゃん遅いなあ
ちゃんと母連れてきてくれるかな
もう私もきっと長くない。
なんとなく体で感じる
真っ暗なのは慣れた
音も兄の声以外聞こえない
だから母が来てないのじゃなくて私が気づいてないだけかも
兄遅すぎ
もう私のこと忘れちゃったのかな
でも、私は忘れないでおこう。
兄の頭は鶏で体はカメレオンだから透明で腕と足は人間みたいな化け物が兄
そんなわけないのに頭がぼーっとして思い出せないや
私もうすぐ死ぬのかなぁ
「おい」
光があった
なんか病室みたいな感じだった。
隣に白衣を着た男の人と近くに母と父がいる
「ここがあの世?」
母さんと父さんが死ぬくらい私は寝ていたのか。
「何を言ってんだ」
「え?」
その何度も聞いた声は
「お兄ちゃんどうして?お兄ちゃんも死んじゃったの?」
「死んでたまるか、俺がおメーを助けたんだ。勉強して医者になってよ。」
「え、?そんなことできるわけ」
「なめんじゃねえぞ。妹が兄貴助けるに出来るできねーじゃねえよ。もっとシンプルだぜ」
「そうだぞ娘。息子は奇跡を起こしたんだ」
「まさか本当に娘の声をもう一度聞けるなんて、ありがとう息子」
「本当に母さんと父さん。だ」
「おいおメーらできねえって思ってただろ」
はい
「「「「なめんじゃねえぞ」」」」