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偽の勇者レンとダウナー勇者レンの冒険記  作者: 中田 虎之介(旧Rago)
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第一章「変異と掟との持つ重さ」

少し弄って、投稿。

第一章「変異と掟の持つ重さ」


森を進む影が二つ。

ゲデルとレンは互いに辺りを見渡しつつ、ゴブリンが側にいないかを確認していた。

と、偵察をしていたであろうゴブリンが一匹。木の上から何処かを見ているような姿勢で遠くを見ていた。

ゲデルはすかさず手持ちのロングボウでゴブリンを射抜く。一寸のズレもなく、脳天を貫いた。

一方、レンはと言えば特に何もしていない。剣を振り回したところで、外すか弾き飛ばしてしまうかのどちらかだ。

試しにはぐれゴブリン相手に剣を振りかざしてみたが、地面をリバウンドして倒れたかと思えばすぐに起き上がった。

その様子に何も表情を浮かべないままゲデルがはぐれゴブリンの胸元にクロスボウの矢を放たれた時には、空気が気まずくなりつい目を逸らしてしまった。

一体何の為に此処へ来たのかがよく分からないのだが、とりあえず邪魔にだけはなるまいと心に誓うセイバーのレン。

更に奥へ進む。この辺りから、森の様子に異変が起こり始める。

最初にレンが感じたのは、その空気だ。妙に重々しく、入り込んでくる空気がやけに心なしか苦しい。

それはゲデルも同じだ。脂汗が額から滴り、さっきまでの堂々としていた姿から一変。妙に吐く息が苦しげに聞こえてしまった。

『(おー、何か空気が淀んでんな。空気中に不純物が幾つか混じっているが、何の物質か分からんから何とも言えんが、とりあえず頑張れー)』

不安しか抱けない応援が脳裏から響くが、とりあえず無視する。

しかし、息をする度に苦しさは増すばかり。

不純物が混ざっているからとセイヴァーのレンは言ったが、セイバーのレンはその意味を全く理解していない。レンは人間が息をするメカニズムを知らないのだ。

それどころか王国に居た時にも色々と勉強をさせられたが、生物的な勉強の中でも呼吸については謎として解明されていないと習った。

よって、酸素や二酸化炭素と言った空気中の成分なんぞ、未だ国単位で分かっていない事になる。

何故ここまで苦しいのか、分かる筈が無かった。

「……前よりも空気が重いな。日が増す事に重さが増している」

ゲデルが吐き捨てるように言い放つ。

言っている事が本当なら、放っておけば後々に大事と化すかも知れない。

仮にこの空気が重い現象の原因が隕石にあったとするなら、黒い粉が徐々に広まっている可能性がある。

となれば、この森全ての木々が魔物となり、ゴブリンが大量発生した場合、その周辺の街や村に被害が被ってしまう。

泊まれるが野宿だけになるのは勘弁したいし、安定した料理にありつけないのは何としてでも回避したい。

「……来たぞ、ゴブリンに魔物と化した木だ」

考え事をしている最中だったが、ゲデルの言葉により我にかえる。

『(うわぁ、トレントだ。久々に見た)』

何か脳内から聞こえたが無視。

レンは剣を抜き、まず飛びかかってきたゴブリンを斬りかかる。切れた様子もなく弾き飛ばされる。

が、ゲデルは宙に浮いているゴブリンを狙い、クロスボウを撃つ。ゴブリンを貫き、勢いそのままに別のゴブリンの額に矢が刺さった。

レンは自分が戦えないと分かっているので、クロスボウが撃たれるのと同時に走り出す。魔物と化した木、レン・セイヴァー命名トレントが根から触手を出し、レンへと向けて突き刺そうとする。

レンは持っている剣で幾つかを弾き、トレントと化していない木に身を隠しながら攻撃を避け続ける。

その間にもゴブリンからの攻撃が止む訳ではない。三体のゴブリンがレンに向けて飛びかかってくる。レンは剣でゴブリンを弾くと、続いて鞘を引き抜き二体目のゴブリンを地面に叩きつける。流れるように剣の持ち手、刃がある方とは反対側の先に目をやり、三体目のゴブリンの顔へ思いっ切り突き刺した。

三体とも特にダメージと言うダメージを受けた様子は見なかったが、怯んでいる隙に走り続ける。

背後からゴブリンの断末魔が聞こえたのだが、ゲデルが狙い撃ったのだろうと推測しつつ前へ進む。

「フン、坊主! 確かにお前は戦えないようだが、臨機応変に立ち回っている辺り、戦闘技術は良いらしいな!」

背後からゲデルが叫ぶ。その間にもクロスボウでゴブリンを撃ち続ける音はちゃんと聞こえているので、余裕を持ってそんな事を言い出したのだろう。

「そんな訳ないでしょう! 僕は魔物さえ倒せない最弱だよ‼︎ 持ち上がるなら、もう少しマシな持ち上げ方をしてくれない⁉︎」

悲観漂うレンの叫び返し。

だが、ゲデルから見れば倒せはしていないもののその戦闘技量は関心さえしてしまう。

剣を使って斬りかかるのは分かる。だが、鞘を抜いて小型生物を叩き落とし、武器の装飾である持ち手でカウンターを決める辺り、完全に攻撃を見切っているとの証になる。

一体何処でそんな技術を身につけたのかは不明だ。だが、少なくとも派手に動いているおかげで敵意がレンに集中しているのも事実。

ゲデルは前線に出て剣を振るう戦いよりも、物陰に隠れながら矢を放つ、エルフのような戦い方を好んでいた。

その為一時期は異端として戒めを受けていたが、今となっては良い思い出だ。

その甲斐あって、今では優秀な弓兵としてドワーフの中では重宝されている。

レンに集中している連中の外側から順に撃ちまくる事で、ゲデルの存在を悟られる事無く立ち回れていた。これはゲデルが如何に弓兵として優秀かを物語っている。

『(完全にゲデルの立ち回りがスナイパーのそれだな。本来なら小軍を率いた上で遠くから狙撃する狙撃兵の役割なんだろうが、生憎今は二人しかいない。だから相方が必要だったんだろう。堅物ジジィが何も言わずに自分勝手なのはどの世界においても同じだな)』

ケッ、と悪態をつくセイヴァーのレン。

『(ほら、後ろだ。更に前からも数体来ているぞ。殺意マシマシだから喉元狙っているだろうが、何とか頑張れー)』

「適切な指示と適当な応援ありがとうね! こっちは死ぬ気なのに、よくもそんな悠長にしていられるね!」

喉元に石斧を振りかざされそうになりながら、鞘で横から叩き飛ばし剣を後ろに向けて突き刺す。

二体のゴブリンが宙を舞うその直後、矢がその二体に突き刺さった。

トレントの触手はどうしようもないので、剣で弾いて逃げるしか方法はない。

時に無駄口を叩きながらも、着々と前へと進んでいる。

目的地までもう少し。その証拠に、飛ばされたと思われる木々が周辺に横たわっているのが見えたからだ。

「もう少しで、目的地にっ!」

あくまで直感だ。しかし、この手の直感を外した事は、レン・セイバーには無い。

そしてもう一つ、彼が外した事のない直感がある。それは……。

(何でだろう。もう少しで辿り着くのに、守りが見て分かる程に薄い。さっきから出てきている魔物も、ゴブリンやトレントだけだ。何でだろう? 凄く、不穏な気配がする!)

そう、嫌な予感だ。

これまで碌な目に遭って来なかっただけに、その場の空気、状況、矛盾、不足を感じ取れてしまう。

どうにか思い過ごしであって欲しい。そう心の何処かで願いを込める。

しかし現実とは残酷なモノ。その嫌な予感と言うのは、当たってしまうのだ。

切っ掛けは、たまたまゲデルが何処にいるかを知りたいと思い振り返った時だった。木の上にいるであろうゲデルの姿は見当たらない。

だが代わりに背後から、石を削って紐で結んだような安易的な武器では無く、時間をかけて研磨した鋭利な刃に、簡単な装飾が持ち手に施された武器を持った、顔中が毛むくじゃらで、肌の色は緑色、けれど他のゴブリンよりは大きい何かがレンの元へと向かって来ているのが見えてしまった。

「な……っ⁉︎」

驚くのも束の間、それは通常のゴブリンよりも素早い足でレンの元へと向かうと、手に持っていた剣を振り回して来た。

すかさずレンは持っている剣でなぎ払い、死を届けてようとしていた刃を弾く。

が、その瞬間である。急に背後から、痛みが走った。

「ぐ……が……っ!」

視界が逆さになり、気が付けば近くの木へと叩き付けられる。

全身に痛みが走るが、あくまで外部からの痛みだけだ。内臓や骨等が潰れたり折れたりした訳ではないらしく、重力により頭から地面に落ちるも、フラつきながらも立ち上がる。

ただ口の中は少し切ったようで、血混じりの唾を吐き捨てた。

「あ……アレって、ゴブリン?」

同じ様な個体が次々と現れる。

さっきレンを殴り飛ばしたと思われる巨大なハンマーを背負った個体がレンの前へと現れ、その姿をジッと見つめていた。

「グ……グラァァァァァァァァっ! ゲ、デロ!」

それが言葉の様な何かを発したかと思うと、レンへ目掛けてハンマーが振り下ろされる。

すかさず横へと転がり、回避する。ハンマーの直撃を受けた木は弾け飛び、破片が幾つも散乱してしまう。

このままじゃ危険だと悟ったレンはハンマーを持った個体の喉元に視線を当て、剣を振りかざす。

だが、ゴブリン的な何かが再度ハンマーを横へ力任せにぶん回し出す。レンはその動作に反応出来ず、ハンマーの一撃を横っ腹から貰った。

今度は言葉を出す暇もなく、別の木へと激突。レンの体に、激しい痛みが走り回った。

「ぐっ……っ……‼︎」

気持ちさえも出せず、ただ苦悶に満ちる。しかしこの場で、そんな暇などありはしない。

剣を持ったゴブリン的な何かがレンへ向けて突き刺してくる。

レンは朦朧としながらも、しっかりとその姿を目に映す。自身が持っている剣を逆手持ちにすると、向かって来た刃の先へ自身の刃を横から当てる。

力を入れて刃の軌道を変え、自身の頬を横切るように刃が掠った

すかさず蹴りを入れ、怯んだ隙に他の距離を取る。

痛みが横っ腹に残る中、先程呟いた言葉の返答が、彼の中から聞こえて来た。

『(ゴブリンと言えばゴブリンだろう。だが、元はドワーフだったってだけで、知能はある程度高そうに見えるな)』

今、聞き逃せないワードがあった。

「は⁉︎ いや、待って! 元が、ドワーフって!」

絶叫するセイバーのレンを尻目に、セイヴァーのレンは更に語る。

『(差し詰めゴブドワーフと言ったところか? 新種だ新種。学会に発表すれば命名する権利を得られるぞやったな)』

なんて呑気にしているが、セイバーのレンはそんな姿勢に腹を立ててか、本気で怒りを露わにした。

「そんな事はどうでもいいでしょう! そんなよりも、もしそれが本当なら、あのゴブドワーフってまさか!」

つられて名称がゴブドワーフと言ってしまったが、ハッキリとした名称が無い今、その名がアレを指さざるが得ない。非常に不本意ではあるが。

そして突然現れたゴブドワーフなのだが、内から聞こえる声の通りなら、その正体は一つしかない。

『(集落に住んでいたドワーフ、だろうな。黒い粉の隕石に、変貌したドワーフ。推測だが隕石の斜線上に集落があり、集落の真上を通った時に黒い粉が集落に降り注ぎ、突然変異か何かが起こってゴブドワーフになったんだろうな)』

レンには突然変異と言うのが何なのかは分からない。

けれど、ドワーフが魔物と化してしまった。それだけは嫌でも、理解してしまう。

「そ、そんな事って……」

思考が止まりそうになるも、今は戦いの最中。向かい来るハンマーがレンを叩き飛ばし、地面へと叩きつけられる。

痛みを耐えながらどうにか立ち上がり、苦しみを顔に映しながら睨みつけているゴブドワーフが、目に焼き付いてしまった。

『(この世界がどんな情勢で、何を敵として戦っているのかは俺には分からない。だが、戦いにルールなんて存在しねぇんだ。仮にこの現象がお前らが戦っている敵のせいだとするならば、戦略の一環だろう。原住民を化け物に変え、同族同士で殺し合いをさせ、疲弊したところを狙う。強ちそんなところか)』

慈悲も無い声。

現実だけがレンの心を蝕み、目を背けたくなる。

ついさっき知り合ったばかりのゲデルだが、話を聞いている最中の彼が見せた目は、何処となく虚だった。

出来れば仲間が生きていれば合わせてやりたい。そんな思いも心の何処かにあった。勝手に巻き込んでおきながら、自分勝手なところも見せながら、それでもセイバーのレンは、その孤独からゲデルを救いたいと思っていた。

「何で、そんな……平然と、汚い手を、使えるの?」

絶望から出た、本音。それに答えるのは、内に居る声だった。

『(汚さなんて、負け犬の遠吠えだ。戦争に綺麗も汚いもあるかよ。馬鹿正直に戦えば損を見て、汚さに身を染めれば人の道から外れる。まぁ、お前らの敵は最初から人じゃねぇから人の道から外れたところで、どうでも良いんだろうがな)』

正論だ。間違っても、否定してはいけない

しかし、状況はそんな悠長に言ってられない。先程からゲデルが矢を放ってこないところを見ると、ゴブドワーフの正体に気が付いて動揺しているのか、はたまた自身の元にもドブドワーフが襲いかかって来たのか、分からない。

「一体どうすれば……がっ⁉︎」

刃が肩を掠る。

ギリギリ避けはしたのだが、いつ刺されるか分かったものではない。このままじゃジリ貧だ。どうにか撤退するかしなければ、間違いなく死ぬ。

そう思った矢先、ハンマーを持っていたゴブドワーフの眉間に、矢が突き刺さった。

「……え?」

レンは額から血を流しながら倒れるゴブドワーフを唖然として見る。そして続け様に、剣を持っていたゴブドワーフにも、体の中心部から矢が貫通する。

次々とゴブドワーフに矢が放たれると、ゴブドワーフは周りの木々に身を寄せながら撤退して行く。

「ゲ、ゲデルさん……」

森の奥から現れるゲデル。

肩に背負ったクロスボウが微かに震えていたのは、気のせいだと思いたかった。


    ♰          ♰


数分前に時を戻す。ゲデルは二つの驚愕に頭が付いて行けずに居た。

一つは、ゴブドワーフの事だ。ゲデルは見ただけで分かった。アレが、自分達の元仲間だと。

使っている武器、着ている服装、付けている装飾等が、彼の知る仲間の物と完全に一致したからだ。

認めたくはない。アレが実は仲間から奪った服や武器だと思いたい。

しかし、戦い方が正に自分が知っている仲間の動きそのものだ。幾ら否定しようとも、現実から偽りは見つけられない。

このゴブリン達がそうなのか、はたまた今まで自分が殺して来たゴブリンの中にもドワーフが居たのか? 何も分からない。

そしてそれと同等にもう一つ、先程からハンマーによる攻撃を受けているレンにも目を疑いたくなるような光景だと頭を抱えた。

(木が巻き込まれて弾け飛ぶ威力な筈なのに、何故あの小僧は潰れない! 普通ならアレを食らえば、例え直撃で無くても起き上がる事すら困難な筈じゃぞ⁉︎)

先程からレンは確かにゴブドワーフからの猛攻を受けている。その度に倒れ、立ち上がっては向かい来る凶器から避けるべく動き回る。

なのだが、剣が掠ったとしてもそこから血が出ておらず、ハンマーが横っ腹に直撃しようが骨が砕けたり臓器の一つ潰れたりとの様子を見せないのだ。

魔族化したドワーフが手を抜いているとは思えない。レンに向けている視線は全て殺意を感じる。

確かに口の中を切ってか、口の中から血が流れている。確かに鼻の中で切って鼻血が出ている。

なのに、それだけだ。それ以上のダメージを受けている素振りや気配が全く感じられない。

「小僧、貴様は何者だ? ただ生物を殺せない貧弱者と思うておったが、違う! 奴は、そんな甘い思考で収まるようなモノではない!」

ゲデルが思考を巡らせたが、全く憶測すら出せない。

が、こちらを見つめるゴブリンが一体。明かに威嚇しており、今にも飛びかかって来そうな目でゲデルを見ていた。

「グガガガガガガッ! ゴ、ゴロジデ」

しかし、そんなゴブドワーフの眼からは、一滴の涙が流れている事に気付く。

その服装も、何処かで見た覚えのあるモノだった。ここに居るゴブリン全員が見た事のある服装なのだが、それだけは違う。

アレは確か、この村を最後に離れる前に見た、大切な……。

そこまで思い出し、静かにゲデルはロングボウをゴブリンに向ける。何も武器は持たず、ただ凶暴なだけのゴブリンに、一撃を放った。

矢はゴブリンの喉元を貫通。即死とは行かなかったが、放って置いたら死ぬだろう。

ゲデルは無言でその場に居るゴブリン全てを撃ち抜いた。沸々と湧き上がる怒りと殺意が己の中を支配する中、その八つ当たりのように、ゲデルは一心不乱に矢を放ち続けた。

「く、クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎」

ついに出る、絶叫。弓兵として、声を上げてはいけないと散々習って来た。

しかし、ゲデルにも心がある。仲間を殺す事に、そして愛する者を殺した事に、嫌気をささずにはいられなかった。

多分あと二パートで一章は修了します(多分)

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