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蛙の為に鐘は鳴る  作者: 四季
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始まりの鐘

私に意識が芽生えたのはいつからだろうか。

つい最近?

いや、もっと前からだろうか?

気づけば試行錯誤し、過酷な生存競争を生き抜いていた。


ある時は、同じ種族を。

ある時は、天敵を。

罠に嵌め、奇襲をおこない、そうして策を弄して生き抜いてきた。


私が何者であるかという問いに対しては、こう答えるしかない。

蛙の魔物…それが私である。


##################################

天井に張り付き、その獲物を観察する。

石よりも硬い真っ赤な鱗、口の上下からは鋭い牙が生え、足から生えた爪は空気すらも切り裂きそうな程に鋭い。

さらに尻尾は以上に長く、途中から四つに裂け、全てが爪のように鋭く、鈍い光を放っている。

さらに厄介なのは、多眼故の視野の広さだ。

あれでは死角がほぼ無いと言っていい。

さらに彼はこの洞窟を縄張りとし、長い年月を生きている竜種…

間違いなく知能も高い。


なんとも厄介な私の記念すべき1万匹目の獲物だ。

ため息がでてしまうがそれでも興奮を隠しきれない。

心臓が異常な程、早く強く私を叩きつけてくる。

これから始まる死闘を我慢できないかのように。


『さあ…やろうではないか。

私が死ぬか君が死ぬか…生を賭けた勝負の時間である!』


天井から手を離し、竜種の目前へ音も立てずに着地をする。

すると多眼が一斉にこちらに向かれ、ピリピリとした空気が辺りを包み込んでいく。


(やはり強いな…





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