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他人と同じ

「なあ、康太。」「ん?」「「幸せにする」って具体的にどうすればいいんだろうな。」体感的に2年くらいぶりの給食を食べた僕は親友に聞いてみた。

「瑞穂のことか?」康太に聞き返された。「ま、まぁ。」正直に答える。「もう結婚後のことを考えてるのか。」と康太はニタニタしながら言う。どうやら僕の周りには俺をいじめるのが好きなやつが多いらしい。

「幸せな気持ちなんて安いもんだろ。」康太は続けて「駄菓子屋の10円のガムでも5円のチョコでもおいしければ幸せだろうし、1食数万円のディナーなんかだって同じだろ。結局さ幸せなんて気持ちの持ちようなんじゃないのか。」康太にしてはいいことを言う。「お前、そんな頭良かったっけ?」時間旅行のせいで障害が生じたのではないか心配になって聞いてみた。「いや、昨日、テレビでやってたからさ。そういえばお前は昨日のテレビ見たか?」よかった。馬鹿なままだった。

「幸せは気持ちの問題か。」ボソッと呟いて席を立った。「おい、話の続きは。」康太がなにか言っているが聞こえない。聞こえない。

僕は昨日おじさんと話して、彼女を、瑞穂のことを幸せにするのだと決めた。重要なのは「彼女の夢を叶えない」ということだ。僕は彼女に新しい夢を、僕の力だけで叶えられる夢を見させようと決めたのだ。


私、瑞穂の朝は早い。5時半には起きて、顔を洗って、歯を磨いて、シャワーを浴びて、ご飯を食べて、着替える。そして最後に注射をする。これが私を、もう13年しか生きられない私をこの世に繋ぎ止めている。私には夢がある。それは「あの星へ行きたい」という願いを叶えることだ。私の住む世界では10年の寿命と引き換えに夢を叶えることができる。しかし、寿命が13年しか残っていない私にはそれを使うことは死とほとんど同じだ。

私はあの星を墓標にしたい。それだけなら勝手に1人でいけばいいと思うかもしれない。しかし、法律上、1人で宇宙へ行くことはできない。だからこそ、といえば語弊があるが、ただ1人私の死に際を看取ってくれそうな彼とともに「あの星へ行きたい」と願うのだ。そのためにも彼とは仲直りしないといけないと思う。その上で彼に「一緒にあの星へ行こう」と言おう。ただ寿命のことは言うわけにはいかない。優しい彼は、一緒には行ってくれないから。そんな折に彼から「なあ、瑞穂。」と、声をかけられた。


「なあ、瑞穂。」僕は彼女に声をかけた。「どうしたの?考え直してくれた?」私は彼が一緒に行く決意をしてくれたのかと期待し、聞いた。「お前さ、どうしてもあの星へ行かなきゃいけないのか?」その期待はこの言葉に打ち壊された。それは一番言わないでほしい言葉だった。この後に続く言葉はこうだ、「行くべきじゃない。残された寿命を大事にしよう。」だ。そんなセリフ聞き飽きた。私はそっとその場を立ち去った。彼も結局は同じなんだ。

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