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4/5

お忙しいです


「12号室、クワトロチーズピザ行ってきまーす」


「5号室のお客様、1時間延長です」


「22時30分から、6名様で3時間予約入りましたー!」


「今、待ちのお客様は、2組です。

 3号室、9号室が出たらすぐに、清掃お願いしまーす!」



21時を過ぎた辺りから、お店は忙しくなりました。

今日は、金曜日。

お休みの前の日は、だいたい忙しいんです。


そんな日に、エレベーター酔いで休むプルオ店長って……と、思いつつ、体調を心配しちゃう。

もし、家を知っていたら、お見舞いに行くのに。


そんな事を考えてボーッと、薫子さんの指令が飛びます。


「ロリエ、3号室出たから、すぐ清掃ね」


「あっ、はーい。

 3号室清掃入りまーす」


カゴに用意された、お掃除セットを持って、3号室にGo!


実は私、お部屋の掃除、大好きなんです!

特に、散らかっていたりしたら、俄然やる気になっちゃう!

汚れたものが、綺麗になるのって、快感じゃないですか?


まずは、各部屋に設置されてる空気清浄機のパワーをMAXにして、清掃開始!

机の上の皿やグラスをトレーに乗せて、避けてから、テレビ、テーブル、ソファーの順に拭いていきます。

お掃除はいつも、上から下へ。

体を洗うときも、上から下へ。

愛を確かめるときも……なんちゃって、経験ないから、レディコミの受け売りですが…ぽっ。


なんて場合じゃない!お客様が待ってるんだった!


メニュー表や、電話、マイクの清掃や、除菌をして、最後に床にモップをかけたら、

部屋を確認して、終了!


おっ!2分を切る事に成功しました!

新記録です!


「3号室OKです!」


「4名様でお待ちの柏木様、お部屋のご用意ができましたので、ご案内しますね」


薫子さんが、お客様を案内。


「ふう…」


「ロリエちゃん、4号室にオレンジジュースと、ビールお願い」


「はーい。

 あっ、二見さん、ビールは生と瓶、どっちですか?」


「ごめん、生で。

 ……はい、フロントです……チョコレートパフェ……」


生ビールとオレンジ……


「おーい、ロリエ。

 4号室のドリンクと一緒に、2号室に唐揚げとシーザーサラダできたから、持って行ってくれ」


「はーい……チーフ、持って行くタバスコが少ししか入ってないんで、新しいの開けてますよ?」


「はい、了解」



てんてこ舞いで、『オハコ』は元気に営業中です!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



ただいま、時間は0時30分。


「あ、ロリエちゃん、ありがとう。

 なんとか落ち着いたから、薫子と一緒に上がってよ。

 ごめんね、残業してもらっちゃって…」


「いいえ、二見さん。

 残業代が稼げたんで、良かったです。

 では、上がりまーす」


ふう…、今日は30分の残業だ。

残業になると、時給が1,5倍になるから、お得だもんね。


ロッカーでメイド服を着替えてると、


「ロリエ、お疲れー。

 今日も忙しかったね」


「薫子ちゃん、お疲れ様。

 聞いて聞いて!今日、私は部屋清掃、2分以内に出来たんだよ!」


「へぇ、早いじゃない。

 ロリエは、優秀だね」


「エヘヘ♪」


「体が成長しない分、頭が成長しやすいのかもね」


「もう!プンスカだよ!」


ん?

あれ、薫子さんの制服……


「ねぇ、薫子さん。

 そのメイド服、ちょっと私のと違わない?」


「え?……ああ、この胸の事?」


「うん」


「これは、私のが違うんじゃなくて、ロリエのが特注なんだよ」


「ええ!?」


「ほら、私のは普通の形のブラウスでしょ?

 でも、ロリエの制服は胸がネガティヴの人の為に、わざと分厚くなってて、綺麗に見えるようにしてあるの」


「ネ…ネガティヴ!?

 だ……誰がこんな、失礼な仕打ちを!」


「店長に決まってるでしょ?

 あの人は、こういう見た目の細かい所を、すごく気にするタイプだから。

 よく言ってるよ、『神は細部に宿る』って」


「で……でも、私の胸の大きさなんて、プルオ店長が知ってるワケ…

 ってか、みんなのも知ってるなんて、おかしくないですか!?」


「ああ、店長は服の上からでも、全身を見通す力を持ってるって、自分で言ってたよ。

 だから、わかったんじゃない?」


「ええ!?

 なんですか、その夢の能力は!

 あわわわ……そんなの、みんな恥ずかしくないんですか!?」


「あの店長の事だから、そういう目で見てないと思うよ?

 私達の裸よりも、どうやったらメイド服が可愛く見えるかしか、考えてないような人だから」


はぁ……なんて人なの……しかも、そんなエロい能力を女の子に言うなんて……。

しかも、あたしだけ、特注……!

あたしのプライドが……!


もう!絶対に、巨乳になって、ポジティヴなメイド服を手に入れてやる!


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