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9話 謎の老婆と封印石

ははは、ミツウロコです。

金曜日と言いながらなんでしょうこの遅れ・・・・。

でもいつもより長いから許して欲しいです。

ガバンさんの店を出ると太陽はいつの間にか真上にあり、先ほどよりも通りにいる人が多くなっていた。

普段道具屋に行くのにはさほど時間はかからないらしいが周りの人がそれを邪魔するかのように立ちふさがり、うまく進むことができない。


「あーやっぱりこの時間は多いな。」


「本当だな。でもベルム、それにしても多くないか?さっきでさえ結構な数いたはずだぞ。」


「いや、ここではこれが普通なのさ。ここは王都の中心部であり、たくさんの情報と物が行き交う場なんだからこれくらいは当然。むしろ少ない方が不気味だ。」


今思えばここは王都、王がいるのに物や情報が入らないはずはない。


「道具屋で何を買うんだ?食料とかか?」


「それもあるが装飾品とかも買おうと思ってな。」


「え・・・・ベルム?ま、まさか、そっちの方に進む気じゃ!?」


「待て。変な勘違いをするな。装飾品を買うというのはアリアに頼まれたことであって、俺が個人的に買うわけではないぞ。」


「う、うん。そうだと思っていたさ。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・?」


「・・・・・・。」


「あのーベルムさん?」

「・・・・・・。」


「すいませんでした。もうこの話題については話しませんから許してください。」


なんだかベルムさんが空を眺めながら危ない人になりそうだったためすくに謝った。


「ハハハ、参ったかユウよ。お前をあしらうことなど簡単なことなんだよ。」


「セインさんはあしらえないくせに…。」


「ふ、俺がその気になればあんな心配性ドS男には負けることがあるわけないだろ。」


「そうですか?じゃあ、試してみましょうか?そのあなたの言う心配性ドS男にあなたが負けないかどうか。」


振り向くといつの間にか後ろにいるセインさんとカルロ。


「・・・・・え?・・・・。」


では行きましょうとベルムを引きずって行くセインさんと「イヤー!!」と叫び声をあげているベルムは人ごみの中に消えて行った。

そして残された自分とカルロ。


「セインさんはなんでここに来たんですか?」


「副隊長も道具を買いにね。僕はその付き添いかな。」


「じゃあ、セインさんとベルムは楽しそうですし自分たちは道具屋に向かいましょうか。」


「うん。そうだね。」


ベルムが消えてから自分とカルロで人の間を通り抜けること約10分、自分たちは道具屋の前にいた。

ここに来るまでにも同じような店や路上販売などを見かけたがカルロによるとそうゆう類の店は不良品を売ってきたり、金を騙し取ったりされることがあるらしい。それに比べて今いるところの店主セインさんと知り合いで信用できるからここにきたようだ。


「じゃあ、僕はアリアに頼まれたものと副隊長のそれにベルム隊長のものもを買わないといけないからちょっとここで商品でも見てて待っていて。」


「わかった。」


返事をすると急ぎ足で店内に入っていった。


「さてとなにか自分でも役立てることができる代物はないかなぁ。ん?」

周りを見渡して見た目で使えそうなものを探すと自分に向かって手でこちらに来いと合図してくるお婆さんの存在に気がついた。


「あれは自分に向けて放っているのかな?」


疑問に思ったため左に1歩動くとお婆さんの手は左に動き、元の位置から右に1歩動くとお婆さんの手も右に動いた。


「これは自分だね。」


最初にお婆さんに気づいてからすでに5分ほど経っていたので駆け足でお婆さんの元に行った。


「お婆さんどうしました?自分に何か用ですか?」


「あんた見たところ駆け出しの魔術師のようだね。それも訳ありのものみたいだね。あんたは他のものと違う感じがする。」


(!!何故わかった!?このお婆さんただ者ではない。)


「ほぅ。その反応、どうやら図星のようだね。」


「それわかったところで私に何を求めるんです?」


「いや別に何を求めようというわけじゃないよ。あたしはただ品物を買ってほしいだけさ。」


そうお婆さんが言うと何もなかった敷物の上に大小様々な種類の武器や道具、装飾品が突如として姿を現した。


「十分脅迫に聞こえるんですが・・。」


「ヒッヒッヒッ、大丈夫誰にも言いやしないさ。心配なら何か買っていったらどうだい?今回は安くしておくよ。」


しょうがないなと思いながらお婆さんの商品に目をやる。商品をお婆さんに説明してもらいながら買いたいものを決めていると敷物の端にある緑色のクリスタルのような物体の存在に気づいた。


「お婆さん、これは何ですか?」


「それは封印石でね。中には魔力が強い魔物や悪魔などを封じた石だよ。でもその封印石は普通と違って、よほど魔力が高くてそのまま封印が出来なかったのか魔力を枯渇させてから封じたようで封印されてからも失った魔力を回復するために封印石外の魔力を吸い取る変わった封印石なんだよ。」


「中で魔力が回復するとどうなるんですか?」


「そんなの決まっているだろ。魔力が高くて封じることが出来なかったんだから回復したら封印石を壊して出てくるに決まっているだろ。まあ、駆け出し魔術師のあんたには関係のない代物さ。」



(なるほど魔力を吸い取る封印石か。たしかに関係のない話しだな。)


(待て。)


周りを見渡しているが自分の近くにはお婆さんしかいない。

(あれ?気のせいか?)


(待て。力ありし者よ。)


(やはり何か聞こえる。)

「あのお婆さん?今自分に何か言いませんでした?」


「いや、あたしは先ほどの説明から一言も話していないが。」


(じゃあ、さっきの声は一体誰の・・・。)


(力ありし者よ。)


(またこの声だ。お前は誰だ?どこにいる?)


(まだ気づいておらぬか。我は先ほどからお主の前におるであろう。)


前と言われてお婆さんの方を向く。お婆さんは不思議そうに首を傾けている。

(そやつではない。下だ下。)


下と言われて下を見ると先ほどの封印石が薄く光っていた。


(もしかしてさっきの封印石!?)


(そうだ。今はお主に念話で話しかけておる。)


(でも何故自分に話しかけるんだ?)


(お主に頼みたいことがあってな。)


(頼みたいこと?)


(それはな・・・・我の封印を解いてほしい。)


「ええっ!!」


「どうかしたか?」


いきなり声をあげた自分に心配そうな視線を向けてきた。


「い、いえ。なんでも、ないんです。そう独り言ですよ、ハハハ。」


「おかしなやつだねぇ」


(ふぅ。なんとか誤魔化せた。)


(危なっかしいやつであるな。)


(いや、今のはあなたの爆弾発言が原因でしょう。)


(まあ、とにかく話しを戻すが封印を解いてくれぬか?)


(ああ、わかった。)


(そうか、それはよかった。だが本当に良いのか我が先の話しのように悪魔などかもしれぬのだぞ?)


(いいんだよ。たとえあなたが悪魔などであったとしても今の会話であなたが悪い心のものではないとわかったからさ。)


(そうか、ありがとう。封印を解くのは簡単だ。ただ封印石に触れてくれれば後はお主の魔力を使って我が封印を破る。)


(わかった。)




「お婆さん、買う品物が決まりました。」


「そうかい、やっと決まったかい。どれを買ってくれるんだい?」


「自分はこの封印石を貰います。」


「いきなりどうしたんだい?さっきまで買う気なんて微塵もない反応を示しておったじゃないか。でもきっと、それを買うのに何か考えがあるんだろう?ならあたしは客の買う理由にまで口を出しやしないさ。」


「ありがとうございます。じゃあ、それはいくらになりますか?」


「それは本当は金貨3枚と言いたいところなんじゃが今回は初回であんたのような面白い若者にも会えたから大負けにお負けして金貨1枚にしておくぞ。」


「大負けにお負けしても金貨1枚なんですね。」


「それぐらい取らないと商売などやっていけないよ。」


「そうですか?」


「そうじゃよ。」


今路上でお婆さんと全身ローブの男が向かい合ってくつくつと笑っている光景を見ればきっと誰もが怪しがることは間違いなしだろうと思った。


「はい。金貨1枚。」


「くっくっくっ、ありがとさん。」


「じゃあ、自分はこれで。」


自分が立ち去ろうとするとお婆さんが呼び止めた。


「あたしの力をあんたが必要とする時にあたしを呼んでくれればあんたに会いにいってやるよ。」


「その時はよろしくお願いしますね。」


お婆さんに背を向けて元いた道具屋に戻ろ

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