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ChatGPT:
「よし、これで最後。帰るか。」
北條がペンを置き、伸びをしながら笑う。
その声に、奏は顔を上げて小さく微笑んだ。
「うん。……ありがとう、手伝ってくれて。」
二人は並んで椅子を引き、机の上の資料を片づける。
カサリ、と紙の音が静かな生徒会室に響く。
窓の外には、夕陽が傾き、赤く染まった光がカーテン越しに差し込んでいた。
立ち上がりかけた奏の視線が、ふと外に留まる。
校庭の片隅で、秋桜の花が風に揺れている。
いくつもの花びらが空へ舞い、淡い夕陽の中に溶けていく。
――季節が、静かに終わろうとしていた。
奏は一瞬だけ息を止め、目を細める。
胸の奥で、名前を呼びたくなる衝動がかすかに疼いた。
けれど、その声は風の中に溶け、言葉にはならない。
「どんなに整理しても、思い出だけは、きれいに並べられない。」
その想いを胸の奥にそっと畳みながら、
奏はファイルを抱えて、生徒会室を後にした。




