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『その手を言葉にできたら』 ― 行動でしか伝えられない彼女と、言葉でしか繋がれない彼 ―  作者: 南蛇井


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4

人の流れが途切れた瞬間、

透は足を止めた。


灯籠の列の向こう――

赤と白の光が揺らめく中で、

奏が北條と並んで歩いているのが見えた。


北條の手には、さっき奏が抱えていた袋。

二人の距離は近く、

言葉のやり取りは聞こえないけれど、

笑い声だけが人混みのざわめきに紛れて届いた。


透は息を呑む。

胸の奥が、じん、と締めつけられる。


(……ああ、そうか)


――自分が「手伝うよ」と言ったとき、

彼女は首を振った。

けれど、同じ言葉を別の誰かが口にすると、

その手を、すっと預けられるのか。


(どうして、俺じゃだめなんだろう)


提灯の明かりが風に揺れ、

透の影が足元で波のように滲む。

光と音の渦の中で、

自分だけが静止画のように取り残されていた。

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