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『その手を言葉にできたら』 ― 行動でしか伝えられない彼女と、言葉でしか繋がれない彼 ―  作者: 南蛇井


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4

机の上に積まれた紙束が、

ふいに小さな音を立てて崩れた。


一枚のプリントが、ゆっくりと宙を滑って床に落ちる。

白い紙が夕方の光を受け、淡く反射した。


透が反射的に身をかがめる。

だが、その動きより早く――

奏が慌てて手を伸ばした。


指先が、紙の端でふと触れ合う。


ほんの一瞬。

けれど、その瞬間に流れた空気は、

まるでどちらかの呼吸を奪うように静まり返った。


奏は小さく息を呑み、

落ちたプリントを胸の前で抱え直す。

その動作に、どこか防御の色がにじむ。


奏(心の声):

「触れられるより――

見透かされるほうが、苦しい。」


透は何も言わず、指先をそっと引いた。

教室の奥で、扇風機の羽音だけが回り続けていた。

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