表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『その手を言葉にできたら』 ― 行動でしか伝えられない彼女と、言葉でしか繋がれない彼 ―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/94

6.締め:余韻と予感

透は、棚から一冊の絵本を取り出した。

 ページをぱらぱらとめくりながら、何気ない調子で尋ねる。


 > 「弟さん、どんな話が好き?」


 奏は少し考えてから、口の端を上げた。

 > 「怖い話。でも最後に笑えるやつ」


 透はページをめくる手を止め、ふっと微笑む。

 > 「……いいね。それ、ちょっと藤原さんみたい」


 奏は思わず顔を上げ、照れくさそうに目を逸らす。

 頬にかかる髪の先から、小さな雫が落ちた。

 その瞬間、図書室の空気が静かに揺れる。


 窓の外では、雨音が少しだけ強くなった。

 けれど、それは不思議と心地よい響きに聞こえる。


 ふたりの間の沈黙が、もう“気まずさ”ではなく、

 なにかやわらかな“余韻”になっていた。


 外の雨が、少しずつ世界を閉じていく。

 その中で――

 透と奏の距離だけが、静かに近づいていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ