表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『その手を言葉にできたら』 ― 行動でしか伝えられない彼女と、言葉でしか繋がれない彼 ―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/94

5.象徴:雨と静けさの中で

窓の外では、まだ細い雨が降り続いていた。

 空の色は灰に近く、校庭の木々が静かに濡れている。

 けれど、図書室の中だけは別の空気が流れていた。

 紙と木の匂いが混ざり、淡い照明がページの上に柔らかく落ちる。


 外の雨音が、世界とこの小さな部屋をやさしく隔てている。

 ここには、透と奏の声しかない。


 透は少し窓の方を見やりながら、ぽつりと呟いた。

 > 「静かな場所って、言葉がよく聴こえるね」


 奏は本を閉じ、静かに頷いた。

 > 「うん……雨の音に混ざるくらいが、ちょうどいいかも」


 言葉が交わるたび、雨の音がその間を縫うように流れていく。

 外では世界が冷たく濡れているのに、

 図書室の中は――ふたりの声で、ほんの少しだけあたたかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ