47.
三日間の休暇は、あっという間に過ぎ去ってしまった。
休暇明けの学園は、いつもと違った意味で騒がしかった。
野外演習に参加した人間たちが、変わるがわるお礼を言いに話しかけてきたのだ。
彼らだけではない。
求婚を断ったはずなのに、王族二人がよく話しかけてくる。
断られたけど、諦めないのだとか。
諦めてくれたら良いのにと思う。
そして、聖女候補も。
今までの距離は何だったのか、と言いたい。
むしろずっと、今までの距離でいて欲しかった。
何故か聖女候補から、お姉様呼びをされている。
尊敬する人は皆んな、お姉様なんだとか。
意味がよくわからない。
これらが、当然面白く思わない人間もいるわけで。
その筆頭が、我が国の王女だ。
今まで以上の敵意を見せてきて、視線で殺されそうな熱心さだ。
野外演習以降、私の学園生活は、毎日が騒がしいばかりだった。
だが、騒がしいのは、学園生活だけではなかった。
野外演習以降、公爵邸に、神殿からの手紙が毎日のように届いている。
父が、私が見る必要がないと言うので、手紙の内容は全く知らない。
だが、予想はできる。
おそらく、神殿に訪問させろとか、所属しろとか、そう言った類のものだ。
父は神殿の手紙を見ると、反射的に顔を顰めるようになった。
神殿は、他人の迷惑を考えないようだ。
まあ、だから好き勝手しているのだろうが。
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今日は宗教の授業と歴史の授業があった。
そこで興味深い話を聞いたので、夕食の時に父に聞くことにした。
「お父様、この国には、人間以外の多種族が居ないと聞きました。それは何故ですか?」
「…そうだね、長い話になるから、談話室で話そうか。」
「わかりました。」
「僕も良いですか?父上。」
「ああ、ルヴィクもおいで。」
夕食後、私、父、ルヴィク兄は、談話室に集まった。
侍従長がお茶を入れて、退出していった。
他の侍女や侍従も、揃って退出していった。
ここに残っているのは、私たち三人だけだ。
「そうだなぁ。何から話せばいいか…。授業では何て聞いた?」
「この国には、人間以外の他種族がいない事、他国には他種族の奴隷がいる事。」
「僕が知っているのは、その二つに加えて、神殿が他種族を嫌っている事だね。」
「そうか。これから話すことは、多方面に複雑な話だから、外では出さないようにしてほしい。」
「「はい。」」
そして父は、この国と神殿について話してくれた。




