表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/52

39.


ついに、この時が来た。


国王と謁見をしてから、約半年後。

ついに、学園に入学する時が来た。

 

神界には、学園と言うものがない。

初めての経験なので、少し緊張している。

想像もできない場所なので、期待半分不安半分といったところ。

不安の大半は、王族と留学生の事だ。


私は馬車に乗り、公爵邸の皆んなに見送られながら、学園へと向かった。

私の今日の服装は、学園指定の制服だ。

なんでも、服装で差別化をしないため、と言うことらしい。

貴族の令嬢らしく、手首までの長袖に、ふくらはぎの長さのスカート。

手には白い手袋を着用している。


私が治癒魔法師なので、学園に護衛騎士を連れて行くことを許可されている。

護衛騎士の名前は、グレアム。

寡黙な騎士だ。

 

本当は護衛がいなくても、自分の身は自分で守れる。

だがそれは知られていない事なので、護衛騎士をつけられても仕方がない。

治癒魔法師は、とても貴重らしいから。




ーーーーー


学園に着いたら、大講堂へ向かう。

新学期の初日は、全学年が大講堂で話を聞くことになっている。

大講堂前で、座る席を教えてくれる。

  

所属するクラスは、事前に各家に知らせが来ている。

私のクラスはAクラスだった。

父から聞いた話だと、学力順でクラスが決まっていると言うことらしい。

Aクラスは一番上なので、父から頑張ったと褒められた。

まあ、不正はやろうと思えば、出来るみたいだが。


大講堂の席は、クラス順の学力順。

私の席は、一番前の右端だと教えてもらった。

大講堂には、全体の三分の二ほどの席が埋まっている。

私は自分の席で、始まるまで静かに過ごした。


私の隣りに座ったのは、ルオンダーク皇国第三皇女、アンジェリーナ・シア・ルオンダーク殿下。

私より、頭半分くらい背が高い。

漆黒の髪と桃色の目をしている、凛とした雰囲気の女性だ。


同じクラスには、第二王女のリズベット・ジュノ・ドルテア殿下と、聖女候補筆頭のエスメラルダ・カロットがいる。

出来れば違うクラスを望んでいたが、幼い頃から最高の教育を受けていたら、下のクラスになることはまずないだろう。


学園長から挨拶及び諸注意があり、それが終わった後に、留学生の紹介があった。

失礼がないように、と言うことだ。


その後は各クラスに移動し、順に自己紹介をした。

盲目が珍しいようで、なかなか不躾に視線を送ってくるので、その人の方向を見て、微笑んであげた。

びっくりした様子が、面白かった。


確かに盲目ではあるが、サポートなしでも過ごせる。

出来なければ、そもそも入学していない。


今日の予定は、顔合わせだけだそうで、早々に解散となった。

本格的な授業は、明日から行われる。

学園見学をする人もいるようだが、私は人の多さに疲れたので、先に帰ることにした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ