28.
マーヤ王国王都、上空。
数名の影が、王都の混乱を、高みから見物していた。
作戦会議室の、いつものメンバーだ。
「恐ろしいですね、噂と言うのは。」
「オーロ侯爵領陥落の情報を王都民に流し、不安を抱かせる。」
「そこに、全ては王族と貴族のせい、とこちら側の魔族が煽り、火種に風を吹きかけて大火にした。」
「暴動を先導し、一方で、暴動が城内に伝わらないように情報操作。」
「暴動の邪魔になる、忠誠心強い奴は、事前に排除。」
「「「「「本当に、恐ろしい……」」」」」
「でも、こちらの手間は省けるでしょう?後は、非戦闘員と残りの戦闘員を始末するだけ。王都の暴動は、国内の各領地民に流したから、そちらも時期に終わるでしょう。」
私は、思っていた以上の成果で、とても気分が良い。
最小の動きで最大の成果を狙う。
それが、戦争の定石。
これで、元ミルド王国に続き、マーヤ王国も攻略完了。
残るは、一国。
イ・シン王国だけ。
そこを攻略できれば、数年単位で魔族たちは大丈夫だろう。
もう一息だ。
けれど、そろそろ聖ロベスタ公国が出てきてもおかしくない。
魔族制圧に必要な三国の内、二国を落としたのだから、黙っていられないだろう。
いくら距離があるとはいえ、動いていないはずがない。
距離的に、イ・シン王国戦で何かを仕掛けて来るだろう。
次の戦線は、今まで以上に警戒が必要。
魔族を、多種族を守るための手段は、いくつあっても良いのだから。
ーーーーー
マーヤ王国攻略完了を魔王に報告をした後、しばらくの休暇を取った。
一度戦争が始まれば、簡単に休息が出来なくなるからだ。
中央で久しぶりにグリューネと会い、お互いの近況を報告しあった。
「じゃあ、聖騎士が出てくるかもねぇ。」
「聖騎士?何かしら、それ。」
「聖ロベスタ公国が有する、最高戦力よぅ。どの国の騎士団長よりも強いときいたわぁ。」
「ふーん。聖騎士、ね。」
「全員で十三人。第一席から第十三席まであってぇ、数字が若いほど強いって、う・わ・さ〜。実際、対魔族戦では、出てきたことがないからぁ、本当かどうかわからないけどねぇ。」
「そう、情報ありがとう。少し調べてみるわ。」
「どういたしましてぇ。じゃあねぇ。」
「またね。」
聖ロベスタ公国の最高戦力、聖騎士。
たいそうな名前の騎士を持っているのね。
神界のデータベースにアクセスして、調べてみよう。




