25.
ガロナ侯爵領の攻略が終わって数週間。
作戦会議室には、いつものメンバーが顔を揃えていた。
話し合いの結果、次の目標はオーロ侯爵領に決定した。
オーロ侯爵領は、マーヤ王国王都に行くためには、必ず通らなければいけない場所だ。
なので、そこを攻略して、王都への足がかりにするつもりだ。
さらにオーロ侯爵領は、王都へ物資を運ぶ物流の中心地。
ここを攻略することで、王都へ向かう物資を完全に停止させることが可能だ。
「女神殿、次はどのような作戦を?」
「今回はそう、陽動作戦で行こうと思う。」
幻影を用いた、陽動作戦。
通常、オーロ侯爵領を攻略するのなら、南の街頭を使うのが普通。
それは、最も戦いやすい場所だからだ。
ここに部隊を一つ配置する。
そこに私が幻影を用いて、すべての部隊がそこにいるように見せかける。
もちろん、実際に戦うことのできる、かなり実態に近い幻影を。
他の三部隊は、森に面した北西に待機しておく。
南でオーロ侯爵の兵士と戦闘になり、大多数の戦力を惹きつけたら合図を送る。
合図が確認できたら、他の三部隊が街中に襲撃を仕掛ける。
兵士が襲撃に気付き、街に戻ろうとしたら幻影を解き、街に入れないように結界で分断する。
街の制圧が終われば、外の兵士を襲撃する。
「こんな感じで行こうと思うけど、どう?」
「つくづくあなたが敵でないことに安心しました。そうですね、それで行きましょう。良いですね?」
「「「はいっ!!」」」
ーーーーー
オーロ侯爵邸、オーロ侯爵の執務室。
ここには、オーロ侯爵と、兵士を束ねる部隊長がいた。
「魔族が南の街頭に、姿を現したと?」
「はっ!直ちに部隊を率いて、討伐して参ります。」
「奴らは、すでに国を一つ落としている。奴らは強い、想定よりも多めの人数を連れていけ。」
「御意!」
ついに王都の手前、オーロ侯爵領にまで現れた魔族。
魔族は、人間が束になっても敵わないくらい強い。
相手と同数では勝てない。
相手よりも三〜四倍の人数差くらいでないと、相手にならないだろう。
聞くところによると、かのガロナ侯爵領もやられたらしい。
油断は出来ない。
ここが抜かれれば、すぐ後ろは王都。
国王陛下がいらっしゃる都だ。
なんとしてもここで止めなければ。
もしここで魔族を仕留めることができれば、きっと国内外から称賛されるだろう。
なんとしても勝たなければならない。




