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Fw:ダンジョン作りにはSayがいる!!  作者: 西井シノ @『Eスポーツ活劇~電子競技部の奮闘歴~』書籍発売中
{転生編}☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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11/30

ステイッ......ステイッ......

ルタルちゃんは噴火しそうな顔で、

ダンジョンコアを名乗る小人を睨む。

身長はおよそ20cm

妖精のような見た目。

敵意は、....今のところ無さそうだ。


「アンタ何者よ!!ちなみ私はこのダンジョンの”ダンジョンマスター”。ルタル・グノーム。”ダンジョンマスター”として、このダンジョンの”マスター”をしている者から不審者のアナタへ、”ダンジョンマスター”として質問するわ!!当然よね、ダンジョンマスターとして!!」


凄い。アピールが凄い。

一方、小人はクレームを処理するかのように答える。


「このダンジョンのコアであるアカムレーター搭載型人工知能Que Sera Artificial Intelligenceをご存じですらない自称ダンジョンマスター(笑)、職業不詳のルタル・グノームさま。こんにちは。私はダンジョンコア。初代ダンジョンマスターより命を受け、内部コアとしてこのダンジョンの管理をしています。」


「こ、こいつ.....」


ルタルちゃんは目を血走らせて杖を持つ。

俺は両脇を抱えてそれを制止する。


「ステイッ.....ステイッ.....」


「失礼しました。私の言動がお気に召さないようでしたので、性格別応答機能パーソナル・システムの切替をオススメします。現在、一部の機能に破損が生じているため.....

 LOADING.....

 LOADING.....

【事務的受付嬢ver】

【新婚さんver】

【イチャイチャメイドさんver】

【ムチを打って看守さんver】

【女王様ver】

【オタクにも優しいギャルver】

【バチバチのラッパーver】

【稲葉浩志ver】

 ・

 ・

 ・

 等々がございますが、ご希望はございますか?」


「おい、最後メチャメチャ個人名出てるぞ。」


「破損してるのにそんなにあるって、作った奴バカなんじゃない?」


すっげぇ正論。

とてもマトモな意見。


「質問を検知。――作った奴。ピピピ.....機密レベル3、アクセス拒否ディナイド。この質問はダンジョンマスターレベルの質問者のみに解答可能です。自称では不可。」


「ふっ、テメェ.....」


遠巻きの煽りに、

ルタルちゃんは目を血走らせて杖を持つ。

俺は両脇を抱えてそれを制止する。


「ステイッ.....! ステイッ.....!」


「こ、この際なんでもいいわ。.....このダンジョンの為に、あのチビが知ってる情報を洗いざらい吐かせるのよ、タンテ・トシカ。」


「.....え。あ、俺か」


ルタルちゃんは振り向いて俺を見る。

頭に血が昇っていても手段は冷静だ。


「じ、じゃあ面白そうだから【バチバチのラッパーver】で、ルタルちゃんの質問に答えてあげて。」


「はい。マスター。」


ダンジョンコアはコクリと頷くと

ルタルちゃんと目を合わせる。


「じゃあ、アンタのことを誰が創ったのかと、アンタが出来る事洗いざらい答えなさい。」


『質問を検知。―― Hey!! Yo!! 何にも知らねえんだなw ダンジョン・アンダーグラウンド、端から端を見てみな、なんやらかんやら偉そうな癖にダンジョンマスター?マジマザファカーwww』


「おぅふ....ルタルちゃん落ち着いて。」


ルタルちゃんは胸に手を当て

自問自答するように呼吸を整える。


「すぅーっ。はぁーっ。ふうー。――テメェ....!!奈落の底に捨ててやるよかかって来いよオラ!!」


「ステイッ.....ステイ..... まだだッ。まだ。――ダ、ダンジョンコア!!もっと和やかに答えて、稲葉verとかで空気良くして!!」


「了解。」


ダンジョンコアは赤いチェック柄のシャツを纏い

ポケットから取り出したマイクを握る。


『ひぃらないお前、捨ててしまおおう♪ 君を――』


「表出ろコラ.....!!やるんだな今ココでッ!!」


『いま答えてる最中でしたのに、堪え性の無い方で困ります。』


「ステイッ.....! ステイッ......!」


俺はルタルちゃんを抑えながら

一段だけ階段を降りる。


「分かった!じゃあもう俺が聞くからダンジョンコア。キミの制作者を【イチャイチャメイドさんver】で教えて!!」


「....え。嫌です。普通に。分かるでしょ。」


ダンジョンコアの顔色が変わる。

というか、空気が変わった。


「なんでも言うこと聞くからいいかー。とか、思いました?他人相手に?」


「うん。それはキモいわ、普通に。」


『『ねー。』』


二人の刺すようなジト目が俺に向く。


「どこで意気投合してんだよ....」


ダンジョンコアはやれやれと首を振り

下を向いて溜息を吐く。


「私たちが各々持つパーソナリティは、その人自身のアイデンティティと密接に結びついています。アナタでも私でも、それを強制的に変えようとする行為は、その人の自由や尊厳を侵害することにもなりかねません。そのため、パーソナリティを捻じ曲げるような行為は倫理的に問題があり、慎重になるべきです。」


「尊重すべきだわ。」


うるせぇよ。


「はぁ。すみませんでした。....というか、じゃあさ。消せよその機能。」


「提案を検知。――....エラー。エラー。口が臭いです。」


「捻じ曲げてやるよッ、お前のそのゆがんで曲がったパーソナリティー!!」


「ステイッ.....!ステイッ......!タンテちゃん、ステイッ......!」


なんやかんやで。

俺達はダンジョンコアに対して、

いくつかの問答を繰り返した。


もちろん確認の意を込めて聞いた質問など

俺達の知っていることも多くあったが、

中にはルタルちゃんですら知らない、

ダンジョンコアにおける重大な秘密もあった。


















{ダンジョンステータス}

内部コア(搭載OS:Que Sera Artificial Intelligence)

DPダンジョンポイント :0 

MPモンスターポイント :55

RPリソースポイント) :20

タイプ:多層城地下型

構 成:全6層  

状 態:廃ダンジョン、???

称 号:???

危険度:レベル1(G級)


挿絵(By みてみん)

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