ハートコーティング
奥に残る熱
それを吐き出すように呼吸する
心が脳を支配してる時には
気にならなかったあの時の匂いも
今はむせ返るような湿り気を帯びて
全部流してしまおうと
熱を帯びた雨に打たれて
落としても
貶しても
浮かんでは
溢れて
流れ落ちていく
コーティングなんて
もう剥がれ落ちた
残ったのはただ
傷と痛み
選んだのは自分だなんて
分かっていることだけど
一度化合してしまったものを
綺麗に戻せないことなんて
分かっていることだけど
身をこすり
浮き出た垢を
流せども
その身に残るは
赤茶けた錆




