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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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新型義体1

 新型義体1

 昨日はようやくC級に昇格を果たせた。

 しかし納得行かなかったのは、オーブの冒険者登録の時の事だ。

 私達のC級への昇格の登録が終わった後、オーブを冒険者登録しようと言う事となったのだが、基本的にオーブは、アームストロング流拳闘術と言う格闘術で拳聖と言う免許皆伝を頂いて居る訳だが、その免許皆伝であった事が由来し、いきなりC級として登録される事に成ったのだ。

 私なんか、敢えて地道に上げてきたと言うのに、オーブの場合は免許皆伝と言うだけで、一足飛びにC急になった所で誰もその実力を疑わないし、絡んで来るような輩も居ないのだ。

 もしかしたら私が幼女っぽいから舐められて居ただけかもしれないけど。

 まぁ今ではギルド内に誰も私の実力を疑うようなアホは居ませんけどね、流石に。

 領主的には、魔人を倒せる奴と言う認識に成ってるし。

 ってか、あの時に、以前の街中の公園での魔人惨殺事件の犯人が私と言う事もバレてしまったけどね。

 相手が魔人だったので公園の被害は不問になって居る。

 ツーか魔法を生み出してしまった私の方が今では魔人なのではと言う感が強い気がするけどそれは気のせいと言う事にしとこう。

 で、話は変わるが、今日は実は、マカンヌさんを呼び出して居た。

 そう、この間マカンヌさんに頼まれて居たマカンヌ用全身義体が完全に仕上がったからだ。

 待ち合わせ場所は、街門の内側。

 衛兵の詰所の前あたり。

 何でそこかって?

 決まってるでしょ、以前はギルドの大型種解体用の地下施設しか無かったけど、今ならずっと環境の良い、ジャイアントクルーザーの医療施設なんて物が有るからね。

 ずーっと環境が良いだけで無く、設備も完全に揃って居るのだ。

 当然な事だが、私のスキル頼みでは無く、施設をフルに使えば前世でやって居た義体手術と何ら変わる事は無いのだ。

 それと、素材開発の為にコッソリ放っていたナノマシンのお陰で、義体の新素材が手に入ったのだ。

 こっちの素材とあっちの技術の融合した新素材、当然のように、このおかげで、女性らしい柔らかなフニフニのお肌の義体が完成して居た、その試作義体第一号にマカンヌさんが入るのだ。

 この全身義体の最大の特徴は、これまで以上にリアルに肌理の細かい肌の質感と、細かな動きが可能な顔の人工筋肉だ、当然、すっごく自然な表情になる。

 これまでだって改良に改良を重ねた物だったので違和感はほぼ無かった。

 だけど今度のは、本当に違和感がゼロと言って過言では無いのである。

 こんなもんが出来てしまった以上、カイエンの物や、キースの腕も近い内に作り直してやるとしよう、重量が先ず全然違うしな。

 それにしてもマカンヌ何やってんだ?遅すぎる。

 かれこれ二時間以上は待って居る。

 家知ってるんだし迎えに行った方が良かったな、こりゃぁ・・・

 しゃぁねぇ、迎えに行ったるか。

 と、ベンチから立ち上がった所に現れたマカンヌ、と、カイエン、そして長女のカレイラちゃん・・・

 何故娘連れてくる?

 ちなみにカレイラの双子で長男のボクス君は今回来ていない。

 確かに冒険者登録をこの間したっつーから独り立ちさせてもそろそろ良いかも知れないけどまだ10才だろう?

 それにしてもこの二人の子だけあって、ムッチャクチャ可愛い子なんだわ、このカレイラちゃん。

 こんなかわいい子をあの冒険者のおっさん達の群れに放り込むなんてスパルタ教育だね、この家庭。

 はっ!? まさかとは思うけど今度は母の手術の様子を見せて血に慣れさせるとかそう言うスパルタ教育の一環なのか??

 無茶苦茶トラウマになりそうなんですが・・・

「エリーちゃ~ん、ごめぇ~ん、お待たせぇ~。」

 相変わらず緩い口調のマカンヌさん。

 怒りたくてもどうしてもこの口調にテンポが狂ってしまう。

「はぁ、まぁいいや、ってか、カレイラちゃんはついて来ちゃう方向で良いの?」

「はい、エリーさん、私エリーさんにあこがれてるんですよ、かわいくて強いなんてむっちゃカッコいいじゃ無いですか!」

 なんて嬉しい事言ってくれるのよこの子はぁっ!

「今日は無理しないでね、カレイラちゃんは食堂でスイーツパ-ティーしててくれても良いんだからねっ。」

「大丈夫ですっ! お父さんの時に大分慣れたので。」

「そう? でも気分が悪く成ったらすぐに言ってね、今度は私が全部やらなくても大丈夫なの、だから案内してあげるから。」

「はい、判りました、その時はお願いします。」

 うん、この子素直だし可愛いし、私の娘にしたいくらいだわ。

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 ジャイアントクルーザー 医療室。

「えっとね、じゃあマカンヌさんに、あなたの全身義体とご対面して貰いまーす。」

 既にセッティングしてある全身義体を、収納されているカプセルを開けて見せた。

 今回はここで最終設定作業をして居たのだ、なんたってギルドの地下なんか比較に成らない衛生環境、無菌室に成ってるからね。

 自分そっくりの全身義体を目の当たりにしたマカンヌさんは、旦那の時よりも質感が人肌に近い事に気が付いたようだ。

「ねぇ、エリーちゃん、これ、触ってもいいかしら~?」

「良いですよ、きっと驚くと思いますよ、新しい素材が完成したので仕上がりは私の前世の物よりも上ですから。」

 自分そっくりの顔をまじまじと見つめ、そのほっぺをつついたり抓ったりフニフニして居るマカンヌさん、何だか興奮冷めやらぬ感じで、自分のほっぺもつついたりしながらその質感を確かめている。

 ちなみに今回の新型義体は、新素材としてミスリルをふんだんに使用、軽量化を図るだけのつもりだったんだけどな、チタンとミスリル、オーガニウムと言う軽い金属を三種類配合して合金を作ったんだけど、すると何故か三種類とも常温個体の金属だったのに、混ざったらどう言う訳か、水銀のように常温液体のアマルガムを構成したので、これまで外皮で使用して居た人工皮膚を構成する主成分のシリコーンゴムを固まる前に混ぜて配合してみると、ゆっくり固まり始めたので急いで外郭を模って見たら、むっちゃリアルな皮膚のようになったのだった。

 そして強度はこれまでの外郭のおよそ3倍程で手触りはもうほぼ人の皮膚、しかも10代女性のようなしっとりモチモチの吸いつくような肌感に成ったのだ。

 人工筋肉にする場合、人工皮膚として構成する場合等で、配合を少しづつ変えるだけで出来てしまう。

 まるで人体自体がそう言う金属で出来ているのでは無いかと誤解しそうな程に、正に義体の為の素材なのでは無いかと思う程の良い金属が完成したと自負して居る。

 実際、偶然の産物でここまでの良い出来の物が仕上がってしまって驚いている。

「エリーちゃんっ!!!」

 突然大声で私の名を叫んだマカンヌさんにちょっとびくっとしてしまった、声でけぇよこの人、ヤッパ・・・色々とな。

「どうしました?」

「イヤぁ~ン!何で私よりもお肌スベスベしっとりなのっ!? これでもちゃんとケアして来てたのにっ!」

 そっちかよっ!

「どうですか? マカンヌさんのですよ、コレ、良いでしょう。」

「いいわぁ~!むっちゃくちゃいいっ!」

 ホント声デカイわこの人、って言うか、何でいちいちセリフがエロく聞こえるんだろう。

 何かカイエンさんがゾッコンな理由はこんな所なのかなぁ・・・なんてね。

 ホントに仲の良い夫婦だからね、少し妬ける。

「じゃあ、そろそろ始めます?」

「お手柔らかにね、マカンヌ頑張るからっ。」

 あ、この人多分旦那には一人称自分の名前だな、外ではあまり使わないように気を付けてるタイプか、これは成程、カイエンさんがゾッコンなのはこの辺からも来てるのか?

 ってか、この短命な世界の29歳で一人称が名前とは恐れ入った。

 タダでさえ平均寿命低いのに、これはある意味萌えかも知れない。

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