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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
戦争

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皇子懐柔

 皇子懐柔

 結局、マカンヌさんによって歩けるように縛り直された皇子ではあったが、又なんだかエロい感じの縛り方をされている。

「なぁ、この又の縄は必要なのか?

 それとこの妙な胸のあたりの縄の形もなんだか・・・

 それにこの手の縛り方はこれで合って居るのか?痛いのだが。」

 ああ、観音縛りに成ってるから痛いだろうな・・・

 っつーか、この皇子、馬鹿正直に大人しくして縛り直させてるんだもん、合意の上で無いと不可能な縛り方の代名詞と言っても過言では無い”観音縛り”にされるとは私も思っても居なかった。

 皇子の言う通り又縄もいらないだろうし胸の辺りの縛り方はおっぱいが無いと意味無いと思うんだよね、全くなんつう悩ましい縛り方をするんだYO!マカンヌさん、って何処でこんな縛り方憶えてきた?

 そして首に巻かれた縄がワンコを散歩させる時のリードのように後ろに垂れ下がっていてそれを持っていれば逃げられないとそんな具合になって居る。

「時に、一つ質問しても良いだろうか?」

 皇子の質問内容、大体どんな内容か分かっちゃった。

「どうぞ? 敢えて猿轡は付けて居ないし、聞いて貰っても構いません、内容によってはお答え出来ないかもだけど。」

「私の兄弟達はどうなって居るのだ?」

「ああ、それなんだけどさぁ、こっちからも聞きたい事があったのよ。

 今の所貴方と一緒に投降して着た子達は、一部屋に幽閉させて貰ってるよ。

 害したりする気は無いけど、そこいらウロチョロされると迷惑だからね。」

「そうか、そちらの訊きたい事と言うのは何だ?」

「あのさ、あんたと一緒に投降して着たのってさ、第三皇子、第二皇女、第三皇女、第四皇女でしょう?第二皇子と第一皇女ってどうなってんのさ。」

「ああ、そんな事であるか、恥ずかしながら、俺は、俺達は側室の子なのだ。

 皇后がご自分の子に成る二人をどうしてもと傍に置いて居るので一緒に居たのでは無いだろうか。」

「成程な、皇帝は皇后の尻に敷かれて居て実質の権力は皇后が握って居ると言う事か。

 さっきのアンタの言い方が少し気に入らなかった部分もあって気になってたんだ。

 普通ならば、って所がね。」

 何となくこの戦争の裏側が見えて来ちゃったぞ、これは皇帝より皇后だな、黒幕は・・・

「じゃあさぁ、プリウス君? 一つ考えが有るんだけど、乗ってみる気は無いかい?」

「考えとは?

 今の状況が改善されると言うならば、協力はやぶさかでは無いが?」

「そうかそうか、それならば非常に都合が良い。

 まぁ、でもそれは後でな、間もなくブリッジに到着だ。」

 エレベーターが開いてブリッジに到着する、当然ながら目の前には元お城があった、今は何もない空間が広がって背後にあった山脈が美しい山肌を晒して居る。

「なんだと?

 本当に何もないでは無いか。」

 一言呟くと、皇子は一筋の涙を流した。

「コマンド、録画映像再生、最新動画。」

 ナノマシンで命令を出してるから本当はこんな一言言わなくても再生できるが、それだと私以外に判らないからね。

 映像を見た皇子は、腹をくくったようだ。

「不思議だな、こんな風に過去を記録する事が出来るなんて、これも魔法なのか?

 しかしお主が魔法を行使出来るのも良く判った、その上で私に何をしようと言うのだ?」

「それなんだけどね、ここの新皇帝として旗揚げして欲しいんだ。

 そうだな、前皇帝を追い落とした理由としては、民を蔑ろにして重税を課し贅沢三昧をし、足りなくなれば戦争を起こせば良いと短絡的思想で他国へ迷惑を掛けた皇帝を打ち倒した。

 って事でどうかな?

 私は私に仇成さない限りは敵に回らないし、むしろ全面的に助けてやっても構わない。」

「な、成程・・・、だが、城が完全になくなってしまった。」

「まぁ、それに関しては、今までの城では巨大すぎたから規模を小さくして建て直したらいいのよ。 半分程度で良いんじゃないかな?」

「簡単に言うな、城なんて建てるのにはそれこそ何年もかけてだな。」

「大丈夫、粉々に粉砕してるお城だった素材を使ってナノマシンと私の創造のスキルで規模の小さいのを再現してあげるよ。」

「え?」

「じゃあやってみるよ、クリエイト!」

 城だった粉塵が収束して形どっていく。

「あ、あ、あ・・・あぁぁぁ・・・」

 皇子は信じられないと言った感じに声を上げている。

「ハイ完成!」

 完全に放心している皇子。

「もしも~し、生きてますか~?」

「は!? いや、すまん、なんかすごい勢いで城が建つ夢を見て・・・・夢じゃねぇっ!」

「どう?結構いいでしょ?」

「あ、あぁ、私は未だ夢を見て居るのか?」

「現実ですよ、ゲ・ン・ジ・ツ。」

 早速内見に向かおうと思ったのだけど、流石にこんな緊縛姿の皇子を連れ廻すのは可愛そうだ。

 あ、そうか、超空間航行のノウハウは既に確立して居るんだから肉体の保護と空間の継ぎ目のブロックをナノマシンにやらせれば生身でのワープ、所謂空間転移が可能なのでは無いかと思う、早速超速思考と並列思考を同時に発動して演算を試みた。

 うん、行ける!

 早速構築した空間転移魔法を行使。

「皇子、そのまま、今から空間転移で城の前まで行くよ。」

「え? な・・・???」

「空間転移。」

 ほんの一瞬で私と皇子の居る場所が変わる。

 今までブリッジに居たのだが、今は建て直したばかりの城の前。

 視覚的な感覚は、そうだな、テレビで、カメラがパンして場面が切り替わったような感覚、そう、ドラマで違う場所のシーンに急に切り替わるあんな感覚でその中に自分がずっと要るような印象と言えばわかるだろうか。

 まぁ、そんなのが突然起これば、それを考えて実践した私でも”おお~っ”て感じなのに、唐突にこんな空間に放り込まれて一瞬で移動したら混乱だよね。

「え?え?え? な、何が起こった?何故私はこんな場所に居る?」

 まぁこうなるよねぇ。

「言ったでしょう?空間転移だって。 さ、此方へどうぞ、内見しますよ、お客様。」

 不動産の営業のような口調で言って見た。

 先ずはエントランスホール、ここではダンスパーティーが出来るように広めの空間を取ってある。

「ああ、中々良いでは無いか、ここはダンスパーティーが出来そうだな。」

「勿論そのつもりで作ってるからね、次はここね。」

 エントランスホールの右隣、ここには、謁見者が身だしなみを整える小部屋、そして扉の先に謁見室と、一段上がって謁見用の玉座が有る。玉座の裏には皇帝用の通路と、公務室へ上がるエレベーターを作って見た。

 エレベーターが有る時点でお判りと思うけど、勿論だがこの城には電力が有る。核反応炉と核融合炉を、西暦にして3500年代に入ってからの技術で再現した物なので効率が良く、核反応炉で使った物を今度は融合炉で融合エネルギーを使って更に発電。

 実質半永久的に発電が可能だ。

 何だか混乱しながらも目を輝かせている皇子を見てると、本当に私の元旦那に似てるな、なんて思ってしまうけど、彼とこの皇子はやっぱり別人だ、他人の空似とは良く言ったものだけど、だからと言ってこんな城まで提供してしまいたくなった私は、やっぱり少し揺れて居たのかも知れない。

 一通り、城の内見を済ませると、皇子は腹を括ってくれたようで、新皇国を旗揚げする事を約束してくれた。

 既に懐柔されていた大臣達の中で、新体制の中でも私腹を肥やそうと企んで居た者達は、私の創作魔法、”本音反転”でウソを言えない状態にして振るい落とし、代わりに復興を願う町の有力者を貴族として取り立てて新体制を築く事に成る。

 砂漠を緑化する約束はちゃんとやってあげる事にして、これで戦争は終結。

 当面は兄妹仲良く統治してくれると信じてあげる事にしよう。

 もし裏切ったらいつでも亡ぼせる事は身に染みて判っただろうからあとは何も言わん。

 城の代金と戦争賠償金は借金として残ったものの、生産力が圧倒的に上がると思われる今の新しい帝国ではすぐにそんな借金は返し終わるだろう。

 そんな証文を取り交わした私は、砂漠を緑化させる為のナノマシンを作成、タダのナノマシンでは詰まらないのでこのナノマシンを木属性の精霊として仕上げた。

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