エリー・ナカムラ女伯爵?
エリー・ナカムラ女伯爵?
「たっだいま~っ!」
「あ、ああ、エリー、帰って来たか。」
「なぁに? 何でそんなに柱の陰に隠れてんの?」
「い、いや、その、ここからでもハッキリ見えたのでな、あの森が急に山に成ったりして、地震もあったし・・・」
「あ、それね、あの山見たいのはあそこに住んでたドラゴンよ。」
「その後、あの山が消えたのは?」
「あれは私がドラゴンと契約して召喚出来るようになったから私の庭園に引っ越しして貰っただけよ?」
「・・・ちょっと何言ってんだか判んない・・・」
「どっかの漫才師の決め台詞みたいなの要らねぇから。」
「契約って??? 庭園って???」
「ああ、そこからね、庭園って言うのは私の本体渾身の作の空中庭園、ドラゴン位は養えるわよ?
ンで、契約ってのは、要するに召喚契約ね、ここからファフニール、ボルタクス、リバイアちゃんの姿は見えた?
あれは私が召喚したのよ。」
「へ・・・へぇ~、エリーさんはドラゴンマスターだったんですねぇ・・・」
「何その妙な間は。」
「あのですねぇ、何の予備知識も無い僕にいきなりドラゴンと契約して呼び出せるなんて知りもしないで何体も纏めてドラゴン出て来る所見せられたらビビるでしょうに!」
「あ、素に戻った。」
「はぁ、エリーさんは何時でもマイペースなエリーさんなんですね、何で僕こんなに焦ったり驚いたりしてなきゃならないんですか・・・ったく。」
「まぁ、転生者同士っつー事で大目に見なさいよ。」
「大目にって、ドラゴンとかは関係無いですよ、こっちの要素100%じゃ無いですか!」
「あ、ちなみにあいつ等ただのドラゴンじゃ無くて龍王達だからね~。」
「さらっと誤魔化すつもりで話題変えようとした発言かも知れないですけど変わって無いどころか更にとんでもない要素ぶっこんでるだけですからね? それ、エリーさん・・・」
「驚くなら今の内ならまだ負担少なくて済むかと思って。」
「負担少なく無いです! とんでもないストレスですよ全く! 禿げたらどうするんですか? まだ10代なのに。」
「良いじゃ無いの、もう私が嫁入りするの決定事項なんだから。 今更モテなくても良いっしょ?」
「はぁ、ああ言えばこう言う・・・貴方には口で敵わないのは知ってましたけど、何処まで僕を追い込んだら気が済みますか?」
「あら、テラノ君が突っ込んで来るからでしょう?」
「ああ、はいはい、私が悪うございましたよ。」
「判れば宜しい。」
「ダメだこりゃ。」
「だからどっかのコント集団のリーダーの決め台詞みたいの要らないから。」
「もう、勘弁して下さい。」
「あぁ楽しかった。」
完全に遊ばれた・・・とショックを隠し切れないテラノ王子だった。
「すまぬな、待たせた。」
現在王都に来ている主要貴族を集めて会議をして居た王が執務室へと戻って来た。
「おかえり~。」
「はっはっは、大賢者殿は相変わらずフレンドリーな口調ですな。」
「ん~、まぁね、前世でもずっと私の上になる国王とかって居なかったからね。」
「左様ですか、私も敵に回さないよう気を付けましょう。」
「まぁ大丈夫じゃ無いかな?今もこうやって味方についてる事だし。」
「ああ、それで、ですな、エリー殿の処遇についての会議をして居った訳なのですが。」
「あの巨大なドラゴンを見ちゃったからよね?」
「そうなのですよ、あれを味方に出来るエリー殿をどんな爵位に据えるかが問題と成ってしまいましてな。」
「戦闘無しで味方に付ける事に成功したわよ。」
「ええ、なので、朕、イヤ、フレンドリーに行きましょう、私としては侯爵にと思ったのですが、流石に急にその爵位に据えるのはと言う意見が多かったのです。」
「まぁ、そうなるわね、精々子爵が良い所かしら?」
「そう言う意見が強かったのは確かです、しかし、我が愚息テラノとの婚姻をと言う事になると、上級貴族では無いと成らないと言う事で、伯爵位にと言う落し所で決定いたしました。」
「へぇ~、頑張ったじゃない、流石は国王って所?」
「いえいえ、あの山の様なドラゴンを見せられてしまってはねぇ、愚の音も出ませぬよ。」
「まぁ、それもそうか、まさかあんなにデカイとは私も思わなかったからね。
私も余りの大きさに、本体が良い物件見つけたって連絡くれて無かったら何処にアレ住ませようかって悩む所だったもの。」
「良い物件とは?」
「巨大空中庭園よ、一辺40㎞強の表面積を持つ、超巨大庭園。」
「下手にすると一国位の大きさでは無いですか。」
「まぁ小さめの国家ならあり得るわよね、表面積よりも下側が更に大きいしね。」
そうなのだ、庭園部分よりもその下の部分が広くなって居てさらに巨大な建造物になって居たのだどちらかと言えば高さはほんの百メートル程度なので、形状的に一番近そうなのは、UFO? とか、ファルコン号?
まぁ要するに兎に角遠めに見ると異様にだだっ広くて薄い感じ?
そんな説明してたら、むっちゃくちゃ呆れられたよ、まぁそうなるわよね。
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翌日、私の叙爵式が執り行われる事になった。
晴れて、エリー・フォン・ナカムラ女辺境伯と言う何だかいきなりもらって良いのかと疑問になるような爵位を頂いてしまったのだった。
そして更にその翌日、テラノ王子と私の婚約が発表される事になった、すっげえ勢いで話進めてるけどこんなに強引で良いのか?
トドメは更にその翌日だった、いきなりこの場に居る者だけで構わないから参列せよと言う国王令で仮の結婚式行うと言うとんでも無いハイテンポ・・・
しかもさ、テラノ君って、以前、未だ私とかの並列が居なかった頃に来た本体曰く未だ子供だっつってた程なんだからさ、成人して無かったよね?
今も実際に未だ15になったばかりで未成年らしいしな、16で成人だから来年だけどさ。
で、あっと言う間に王太子妃に成っちまった・・・
まぁさぁ、結婚しろっつったのは確かに私だけどさ、私の気が変わる前にって、動きが早すぎだろ?
しゃぁねぇからまぁ良いけどな。
で、さらに次の日、民に対して結婚した事を知らせる為のパレードみたいな事したからさ、その序でに電脳化ナノマシンと魔法回路を整えるナノマシンばら撒いて、グリモワールを適当に配ったわよ。
これで結構な人数の魔導士が生まれるでしょう。
魔法が使えるようになった人達は後日適性テストと能力値テスト次第では新設される魔導士団に迎え入れられて晴れて士官出来ると言う特典が発表されたのだった。
なんか目まぐるしい展開で私もあせったわよ、ったく




