森の龍王
森の龍王
-MkⅣ-
「おーい、グリーンドラゴンちゃ~ん、出て来なさ~い。
ここに居るのは判ってるのよ~。」
森が大きく揺れ始める。
それこそ、地響きと共に。
そしてMkⅣの脳内に直接、大変に強力な思念波の様な強い意志のこもった言霊だった。
『わらわの寝所に土足で踏み込むか、しかも我と知っての所業であるとはなんと命知らずの人間か。』
「あははは~、まだ死にたくは無いわね~。
そんな事よりあんたがここに居るって情報はあんたのお友達からの情報なのよ、ちょっと顔貸してくれない?」
『お主、本当に命は要らぬらしいな、顔を貸せだと?舐めるな!』
地響きと共に、森の木々から鳥達が飛び立ち、一気に騒がしくなる。
そして、森の奥が盛り上がり、体に木を生やした巨大な龍が起き上がった。
「おー、思ったよりずっとでっかいわね~、貴方のお友達でしょう? ボルタクス、ファフニール、リバイアサンって。
何なら新しいヨルムンガンドなんて子も知ってるけど?」
『何じゃと? どう言う事だ、ヨルは150年程前に死んだ筈だが?』
「ところが新たにその名を貰った奴が居てね、今若きドラゴンとして存在してるんだよ。」
『我をたばかろうとは本気で死にたいのか?』
「どう言ったら信用してくれるのよ・・・
あーもう判った、連れて来てやるわよ、それで良い?」
『ふん、出来もせぬ事をぬけぬけと。』
「おーい、ファフニール、ボルタクス、リバイアちゃん、顔出してよ~!
序でにヨル君もおいで~。」
巨大な魔法陣が三つ、私の背後に出現し、三体の龍王が顔を出す。
そして私の真正面の地面に出現した魔法陣から、ヨル君が現れる。
『なんと、本当の事であったとは!
人間よ、お主何者だ?
仮にも龍王と謳われし者共が一人の人間如きに呼び出されるなど、一体であろうとも本来あってはならぬ事じゃ、それが四体じゃと?』
「しかも私は正式な呼び出し呪文は使って無いからね?」
『まぁ落ち着け、ノルンよ、このエリーは特別なのだ、正式な召喚呪文で呼び出されて戦闘に参加すればこやつの良さが判るのだがな・・・』リバイアサンが早速口を開いた。
『ああ、なんつってもこやつの提供する魔素はとても美味だ。』ボルタクス、お前私の魔素気に入ってたのかよ。
『そうだな、何よりエリーは面白いぞ、魔法を構築てしまった程だからな。』
私を面白いって気に入ってくれているファフニールが続く。
『ノルン、君を置いて先立ってしまって済まなかった、今、僕はこの人間の仲間に名付けられて蘇ってまだ間もないけれど、こいつ、エリーおかげでここまで成長出来ている、やっと言葉を解する事も出来るようになった所だ、君が良ければ、この人間と契約して仲間になって欲しいんだ、君が居れば龍王は5柱共揃う、後は竜人だけだし、どうだい?』
おお~、ヨル君とうとう喋れるようになったかぁ~。
『ヨル、本当にお主はヨルなのだな? すっかり可愛らしくなってしもうて・・・
しかし、再び相見えられて嬉しいぞ。
おぬしがそこまで言うならば、わらわもこの人間を信用しよう。』
「判って貰えたみたいで有り難いわ、貴女程の誇り高き龍王と契約出来る事、誇りに思うわよ。」
『ふん、人間、お主自信を信用した訳では無い、ヨルの言葉を信用した迄の事、さぁ、契約をしておぬしのその評価の高い魔素を寄こすのだ。』
「はいはい、ンじゃ契約ね~。」
契約が済み、私のマナがゴッソリ持って行かれ、魔素としてノルンに吸収されて行く。
『おお、おお~、確かにこれは・・・』
「契約完了だね、どうよ?」
『なんと美味な魔素よ・・・エリーとか申したか?
良かろう、我の力も存分に使うが良い、それと、わらわと契約すると驚く程にマナ保有量が増えるので魔法を使うと言うならば都合が良いであろう、後で確認して見るが良い。』
なんかすげぇ事言われたな、マナ保有量増える???
どゆ事?
『かつてわらわと契約を果たした唯一の人間は、竜騎士であったが為にあまりそのマナの使い道が無かったようであるが・・・』
あ、竜騎士なんての、居たんだ、じゃあこれからはキースがそうなるかもな。
ヨル君と共に戦う騎士として。
っつーか、魔素保有量増えるってどんなのよ。
どんどん常人離れして行くのが怖くてステータス見て無かったけど、言われて確認して見たら何だか10倍位に跳ね上がってたんですけど、レベルも上がって入るけどこんなに急には上がらないよね・・・
これじゃマジに魔王じゃん。
まぁいっかぁ(遠い目)




