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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
大戦へ・・・

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悩ましいMkⅢ

 悩ましいMkⅢ

 軍需工場を作る為の土地を用意して貰った私は、そこに幾つかの建物を建築中だ。

 それは良いんだけどさぁ・・・

「エリーさん、そろそろ昼食にしませんか?」

 こんな具合にね、この若き皇帝君は、なんだべなぁ、公務はどうした公務は?

 やけに私とご飯とかしたがるんだよね・・・

 まぁ、私に求婚して来るくらいなのでその意図も判らんでも無いけれども、公務優先しろや。

 神無月と師走に現場監督を引き継いで、仕方無しにその場を離れる。

「なぁ、プリウス君さ、皇帝の公務はどうしちゃってる訳?忙しい筈なんだけどなぁ、今・・・復興の為の色んな許可とかの承認申請とか回って来てるんじゃ無いかと思うけど?」

「ははは、何言ってるんですか、そんなの余裕ですよ、余裕。」

「余裕の意味が謎なんだけど、まぁ良いか、ご飯くらい付き合ってやるわよ、メンドクセェけど・・・」

 一応この国のトップのお方ではある訳なので無碍にする訳にも行かないだろって事でご飯くらいは一緒に食べてやるけどさぁ、本気でしつこいのよネ、ゴリゴリ押して来るって言うかさ・・・ 何度も求婚して来るから何でここ迄ぐいぐい来るのか位は判るけどね・・・けどね?

 まぁ、何度も言う通り、何と無く前世での唯一の旦那に雰囲気が似ていると言うかなんつうか、だから悪い気はしないんだけれども、ちょっとしつこ過ぎると言うか。

 --------

 その翌日。

 イヤぁ、今日は平和だわ、プリウス君が朝から全く姿を見せない。

 もうすぐ昼休憩だけれど、今日に限って何の音沙汰も無い。

 平和だ、むしろ平和過ぎる、三日間ぶっ通して張り付かれていたせいか妙に落ち着く。

 落ち着くんだけど、何だろうこの虚無感は。

 軍需工場建築に初めから手伝いを申し出て来て居た兵士達が集まって来た。

「監督、お昼ご一緒しても良いっすか?」

「良いわよ、大勢で食べた方が美味しいしね。」

「しかし、あれっすよネ、陛下も毎回毎回凄い食い気味に監督に張り付いてたっすよネ、今日は居なくて静か過ぎるくらいっすけど。」

「ああ、私もそう思う、昼休憩の時間になっても来ないなんてちょっと逆に体調でも崩したんじゃ無いかと思ってしまう程に。」

「気になっちゃってます?もしかして。

 いつもはちょっとウザそうにしてましたよね?」

「うっさいな、ンな訳ねぇだろ。」

 そんな訳無い訳無い、マジで寝込んで無いか?ここまで何の音沙汰も無いとな。

「まぁ、後で様子見に行ってやるよ、あんなんでも一応この国の皇帝陛下だしな、熱出して苦しんでたらちょっとは可愛そうだ。」

「監督って大賢者様だからそういう病気も治せちゃったりするんですか?」

「治せるわね、大概の病気は。」

「ンじゃあ、今度家のおふくろの病気見てやって欲しいんですけど良いっすか?」

「何よ、お母さまご病気なの?そう言う事はもっと早く言いなさい、治せるものなら治してやるから。」

「ありがとう御座います、じゃあ今度、お願いします、明後日俺休みなのでその時にでもお願い出来ますか?」

「良いわよ、行ってあげる。」

 他愛も無い話をしながら食事を終えて、本当に寝込んでたりするんじゃないかと心配になった私は、神無月に現場を委任してプリウス君の部屋へ行って見る事にした。

 すると、たまたま廊下で鉢合わせしたお付きの執事が。

「エリー様、そちらに陛下はいらっしゃいません、此方の執務室に缶詰めになっております。」

 缶詰って・・・何処の漫画家よ、もう。

 でも体調崩してた訳じゃ無いみたいで少し安心したわ。

「執務室には私は入れる?」

「ええ、エリー様ならば問題は在りません。」

 執務室の戸を叩き、戸をあけながら声をかける。

「入るわよ~、プリウスく~ん。」

 返事が無い・・・

 入って見ると、デスク上が書類で埋まって居て、姿すら見えない。

「はぁ・・・」

 つい頭を抱えたくなる。

 何なんだ、この酷い有様は。

「こら、プリウス君、言わんこっちゃないでしょう、公務たまり過ぎて缶詰ってどんだけ放置してたのよ、全く。」

「ああ、エリーさんっすか、面目無い、つい・・・」

「ついじゃないでしょう、ついじゃ。

 仕方無い、手伝ってあげるから少しこっちに回しなさい。」

「あ、イヤ、これは僕じゃないと、あれなので。」

「大丈夫、筆跡真似るのなんか朝飯前だから、良いからおよこしっ!」

 半分ほどの書類束を重力魔法で持ち上げると、私用にデスクを収納から取り出して設置し、そのデスクに置くと、早速サインを始める。

「あの、内容を精査しないと・・・」

「そんなの電脳を使えば楽勝でしょう、あんたにも電脳化して有るんだから電脳フル活用しなさいよネ。」

「審査するって考えて目に焼き付けるように書類を見たら一瞬で審査出来るし。

 やって見なさい。」

 一気に仕事効率が上がって行く。

 コツを掴んだプリウス君が、急に話しかけてくるようになった。

「エリーさん、ホントすみません、こんな面倒な仕事に付き合わせてしまって。」

「気にする事は無いわよ、そんな事より、毎日私の仕事邪魔しに来てたくせに急に来ないんだったら連絡位寄こしなさい! 電脳で簡単にメッセージ位遅れるでしょ?

 熱出して寝込んでるのかと思って心配したじゃ無いの。」

「えへへ、エリーさん心配してくれたんだ、嬉しいな。」

「う、煩い!とっとと終わらせるわよ!」

「はーい、でもマジで有難う御座います。」

 ----------------

 ようやく終わった時には、すっかり夕方だった。

「やっと終わりましたね、エリーさん、良かったら夕食ご一緒して貰えませんか?」

「し、仕方無いわね、断ったらアンタまた明日からしつこく張り付いてまた同じ事し兼ねないから、その位なら。」

 何で私こんなツンデレみたいなセリフ吐いてるんだろう・・・orz



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