MkⅡただいま潜入中
MkⅡただいま潜入中
—潜入報告—(第一回)
昨日、日が落ちかけた頃に皇都アルファードに到着した。
そして案内役の貴族の紹介の、普通なら泊まれないレベルなのだろうと思われる宿屋に一泊した。
まぁ我々エリーの造るベッド等の調度品の方が圧倒的に上等だとは思うが。
それにしても、今回俺は初めてオートクッカーか自分の調理以外の料理を頂いて居るけれど、やはり今一つだと思う。
だがまぁそれは仕方の無い事なので諦めるとしよう。
兎に角一泊し、翌朝、迎が来たので、移動中から訓練を見学させて頂きたいと熱望して置いたので急いで支度をし、見学の為に訓練場へと赴いた。
見学序でに体験させて貰えないかとお願いし、朝食前の朝礼から見学させて頂き、営内の朝食を頂いてから訓練に少し参加させて頂く事となった。
運が良かったのは、この参加できる部隊が機甲科であると言う事だ。
良い情報を手に入れられたら有り難い。
訓練前に、営内の服務規程等に関する授業を一時間受ける。
見学者であっても違反は罰則があると言う事だったので重要な事だ。
授業が終わると、基礎トレーニングを実施すると言われた。
この都市の標高は、凡そ1800m以上になる筈なので、一寸した高地トレーニングだ。
第一回報告
現場よりルーデリヒ・フォン・バルデスがお送りしました。
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—潜入報告—(第二回)
トレーニングで午前の訓練が終了、昼食後には、一時間の武器の取り扱いの為の授業の後、実際に部隊の訓練の見学、及び体験をさせてくれるらしい、楽しみだ。
配属された先は、歩兵部隊だった・・・あれ?
まぁ良いか。
ただ、この国の歩兵は他の国とは一味違った。
片手で扱えるショートソードは必須装備だったが、他にライフルを一丁とハンドガンが支給されるらしい。
そんな物作ってたか、ここの転生者の第二王子、もとい新皇帝は。
まぁコルダイトを知ってる時点で銃くらいは持って居るとはふんで居たけど、量産出来てるのは凄いかも知れない。
隊長格には専用の武器が支給されているようだが、その武器と言うのが何だかすごぉ~く、古代のゲーム内に既視感の有るものだった。
ガンブレード・・・
そうだ、あの某RPG8作目とかに出て来るアレだった。
でも確か初めてそんな物創作したのは某長編異世界転生小説だったと思うんだけどね。
丁度体験入隊者の俺が居ると言う事で、今日の訓練は射撃訓練とかが盛り込まれる事となったようだ、これは好都合。
どの程度の精度の物かが判ると言うものだ。
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射撃訓練に参加。
ライフルは、コルダイトが火薬として採用された物と聞いて居たので予想して居たとおり、アサルトライフルだった。
連射機能があり、マガジンは30連の物が配備されて居る。
弾の大きさは恐らく、5.56㎜程度、2000年前後に正式にNATOに採用されて居た物と凡そ同じ。
期待はしていたが、精度は思ったほど良くは無く、連射してばら撒かないと単発で当てるのは難しい物では無いかと思われる程度、恐らくライフリングがしっかり刻める技術が無いのだろう。
サイドアームのハンドガンの射撃も行われた。
此方は恐らく45口径位の大き目の弾丸。
大き目のパンチ力重視の弾丸を使うと言う事は、近距離で使う武器と言う認識なのだろう。
元々命中精度は期待出来そうもない故なのだろう。
ハンドガンの射撃の的までの距離はわずか5mだった。
私達エリーが再現した物であればこの4倍の距離でも簡単に当てられるだろう、そう言う意味では脅威ではない気はする。
でも戦い方次第では多少は脅威にはなるだろう。
この調子だと重歩兵の兵科も有りそうだしな。
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—潜入報告—(第三回)
昨日の射撃訓練の体験入隊の成績が良かったらしい、今日はついに機甲科への体験入隊が認められた。
さて、どんな戦車が出て来る事やら。
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遂に戦車とご対面である。
戦車の種類的には、大型の戦車、ガスタービンエンジンで120km/h以上で走る事が可能なデカい癖に機敏な奴だ。
砲身はやはり、ライフル砲では無く滑空砲のようだ。
確かにこっちの方が生産は簡単でコストも低くなる。
そして砲弾が炸裂する物である以上、精密射撃はそんなに必要では無いと言う所か。
ここで一つ驚いた事がある。
この戦車は大型の癖に、一人で操縦から砲撃迄を行えるように設計されて居たのだ。
AIとまでは行かない様だが、コンピューターによってある程度の制御をされており、自動照準で誰でもそこそこ正確な砲撃が可能だったのだ。
では何故射撃訓練で成績上位者だけがここに回されるのかと言うのは疑問に成るかと一瞬考えたが、大した理由では無く、単に自動照準であるからと言って発砲タイミングは搭乗者側と言う事だからのようだ。
ある程度照準されて居ても定まらない内に撃ってしまっては当たる物も当たらないと言う訳だ。
そしてもう一つ、自動照準システムが故障した場合の直接照準の為でもあるとの事のようだ。
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—潜入報告—(第四回)
早いものでもう4日目だ。
体験入隊の折り返しだ。
体験入隊のスケジュールは7日間の過程となって居るのだ。
4日目にして、突然体力測定と言う事と成ったが、この体力測定も俺はエリー並列存在の中で最も身体能力が高い設定のホムンクルスをボディーとして居る為、恐らくは問題無く好成績を収める事となる。
実際測った事は無かったが、100m走は8秒フラット、懸垂は500回を超える。
握力は120㎏あるし、その他も一般人よりはずっと高い数値が出ている。
ああ、この世界の平均値よりも高い、と言う事で実際に本体が思っている一般平均とは違うかも知れないが・・・
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—潜入報告—(第五回)
何故か昨日の体力測定結果が良すぎたのかも知れない。
突如別の基地へと移送される事になった。
何故だろう。
と思って居ると、到着した基地、そこには滑走路があった。
つまりこの国は航空機すらも再現して居たのだ。
どんな航空機があるのか楽しみだ。
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ここにある機体は大きく分けて4種。
ジェット戦闘機、大型爆撃機、輸送機、ヘリだった。
ごく一般的な空軍と言った感じか。
俺が搭乗する事になったのは、戦闘機だった。
まぁ、最も体力の要る機体なのでそうなるのでは無いかとは思ってはいたが。
戦闘機の性能は悪く無さそうだ、光学式誘導ミサイルも備えており、割と侮れないものだろう。
感熱式やレーダー式のミサイルは比較的技術レベルが低めでも完成するが、光学式と言うのはカメラで捕らえた機体が味方か敵かを認識出来ないといけない為に技術的に難しい物となるからである。
むしろ逆に言うと感熱式は割と乱暴で、敵だろうが味方だろうが一度ロックオンさえできてしまえばエンジンの熱を追いかけてしまう為に誤射も少なくは無い物になるので、感熱式並みにあまり気にしなければ、無理やりだが作れない事も無いけどな。
取り合えずシュミレーターでの訓練だった、イヤやっぱ俺の能力を確かめているよな、これ。
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—潜入報告—(第六回)
昨日は戦闘機に乗せられたのに、今日はアタックヘリだった、恐らく俺の適性を全て図る気なのだろう。
アタックヘリもシングルシートになって居た。
珍しい事だが、それだけ人的資源を有意義に使えるからと言う所だろうか。
通常のアタックヘリは、操縦から射撃迄確かに一人で出来ない事は無いが、普通はタンデム式になって居るものだ。
此方もやはりシミュレーターが有り、それで訓練を受ける形になって居た。
電脳化して有るおかげでこういったシュミレーターによる射撃などお茶の子彩々であるが故、相当に高いスコアが出て居る事だと思う。
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—潜入報告—(第七回)
もうする事も無いかと思って居たのだが、最終日の今日、爆撃シュミレーターなんと言うものが有るとは思わなかった。
勝手に飛行する期待で上空からターゲットを視認し、望遠モニターで照準を合わせて投下すると言う変わった物だった、いつの時代の物か知らんが随分中途半端なシステムだ。
これは、肉眼で視認した後望遠のモニターで照準と言う妙な取り合わせに苦労したが、何とか出来たのでは無いかと思う。
これなら完全にAI制御にした方が良いと思うのだが。
爆弾の種類的には、誘導投下弾と言うタイプがメインのようだ。
まぁ制空権を取られる事は無いとは思うが、制空権次第では脅威となり得る兵器ではあったと思う。
以上、現場から、ルーデリヒ・フォン・バルデスがお送りしました。
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-エリー・オリジナル-
ッたく、最後のは何よ、どっかのレポーターの決め台詞みたいの、しょうがねぇやっちゃな・・・




