一方、MkⅢは・・・
一方、MkⅢは・・・
庭園の私のブロックで、レクサス帝国へと移動中に、庭園には珍しくアラートが鳴り出した。
こんなデカイ浮遊物に向かって来るなんて、ドラゴンか怪鳥くらいしか居ねぇとは思うけど、なんだ??
「「「師匠!なんか巨大な鳥が庭園を追いかけて来ました!」」」
兄弟三人揃って見事なハモリを見せてくれた。先頭を切って部屋に入って来たのは、カレイラとは年子で間もなく9歳になる、すでにB級冒険者に昇格を決めた腕前を持つ双子の兄の方、ボクスだ。
カレイラですらまだ10歳になったばかりで既に腕前だけはA級だってんだから驚かされるよね、カイエンの地を受け継ぐ兄弟だけの事は有るわ、全く。
あ、ちなみにカレイラはカイエン達と共にC級からの昇格を拒否してるジ・アースのメンバーとしての登録だから、Bには上がらないんだ、強制的にだけどなw
脱線したけど、戻すよ。
「おお、ボクス、その怪鳥ってどんな大きさなんだ?」
「なんか、羽根広げると20m位ありそうなんですけど・・・」
「ん~、トリコよかデカいな、ズーかも知れないな、厄介だ。」
ここは一発、MkⅣが勝手に私のブロックのドック改造してサイロにしてた事があったので、秘かにストレージに仕舞って在る対空ミサイルの、ナイキってぇ巨大なミサイルが有るから一発お見舞いして見ようか。
何で対空ミサイルでこんなに巨大なのかっつーとさ、敵航空機群の真っただ中で大爆発起こして一網打尽にしちゃおうってタイプのミサイルだからだよ、そんなうまい事行くとは到底思えないけどな?w
取り合えずナイキを4発全弾発射って事で倒せないかしら。
ぽちっとな・・・
流石の火力バカのMkⅣが作っただけの事はある、一発でも倒せたかもしれん、完全にオーバーキルだった・・・(汗
全部至近弾だったのに一瞬で肉片に成っちゃったYO!
勿体無い事に。
折角の鶏肉がぁっ!
しゃぁねぇ、次来た時はもっとソフトな攻撃で倒そう。
それにしても、今の庭園の私のブロックだけでもこれ程の戦力あるってのに本体は一体何を作ろうとしてるんだろう・・・恐るべしだぁね。
世界ごと滅ぼす気じゃ無かろうな、マジでw
まぁ、でも本体の事だから抑止力として見せ付ける為だろうけどな。
ンな事考えてるうちにそろそろプラド上空に来たよね~・・・
結局魔物の襲撃はその後は無かった、残念。
で、取り合えず偽装したままの庭園を、街から少し離れた所に空中待機させつつ光学迷彩で隠して置いて、私達は飛空艇でプラドへと向かう。
で、飛空艇がプラド上空に差し掛かった途端に、プラドの住民達が飛空艇を発見して大騒ぎになってたりする・・・
ああ、うん、白昼堂々とこんな船が空飛んで現れたらそうなるか・・・私のおバカ!
でもまぁ、開き直るしかねぇわな。
本体が城を一度消し飛ばして規模を小さく立て直して余った土地を城前広場にして一般開放してる筈だから、そこに停泊できる場所でもあったら良いな・・・なんて思って行って見ると、何故かそこに巨大な駐車場みたいなものまで出来てた。
で、だ、何処の一角に、クリムゾンスパイダー旧8号機が停めてあったりする。
ここって停めて良い事に成ってるらしいね、じゃあ遠慮無く・・・ってちょっと待てぇいっ!
何で私がこんな物で来ると知ってたかのような施設が出来とるん!?
・・・・・・まぁ、有るからには使わしてもらうけどな・・・
後でプリウス君から事情を聞くとでもするか。
飛空艇を降ろして停泊して見る、と、騎獣に乗った騎士隊が大急ぎで飛んで来た。
まぁ、そうなるわね。
得体の知れない巨大な乗り物が空から現れてる訳だしね~。
さぁ、お出迎えと思って下船しようか。
「タイカン、ボクス、パメラ、降りるわよ。」
「「「はい先生。」」」
うん、先生って呼ばれるの、少し照れるけど悪い気はしないね。
以前は師匠って呼ばれてたけど、師匠は辞めてって言ったら先生にするって言われたんだよねぇ。
先生ねぇ・・・実際呼ばれてみると、少しくすぐったいけど、師匠呼びよりは耳さわりも良いし悪く無いかも。
なんかさ、師匠って言われると私生活までの全ての責任負わされた気になってちょっと重かったのよね。
飛空艇を停泊させて下船をすると、騎士団の中心にはプリウスが居た。
「大賢者エリー殿!お久しぶりです!」
いきなり大賢者呼びされたし、まぁ確かに他の場所でもそう呼ばれる事が多くなったから、多少は自覚があるけどね。
「プリウス君じゃん、どうしたのよ、皇帝自ら出迎えに来るなんて。」
「そりゃぁ、我が国の大恩人の大賢者様が御越しになったのですから、貴方は僕から見ても最大級に礼を尽くさねば成らないお客様だし、エリーさんには僕がどれほど立派な皇帝に成ろうとも頭なんか上がらないですよ、むしろずっとこの国に居て欲しい位です。」
「あ、ああ、そう・・・なの?」
「はい。」
「じゃ、じゃあ、今回は甘えさせて貰おうかな?」
「はい、どうぞどうぞ、大賢者様。」
「う・・・プリウス君にそう呼ばれると、なんか、こう、背筋がムズムズすると言うか、なんか、何だかなぁ~。」
「今日は是非、皇宮で夕食をご一緒願いたいです、あ、ドレスコードはお気になさらないで結構ですから、是非お連れのお弟子さんもご一緒に。」
「大盤振る舞いだね、ありがとう。」
そして皇宮内の客室に案内された。
「先生、良いんすかね、こんな豪華な部屋に滞在出来るとか、驚きっすよ。」とはタイカン。
「すっご~い! ソファーふっかふか~!」
テンションが高いパメラ。
「でも先生の作ってくれたベッドの方がふかふかだと思うよ?」
妙に冷静な所に緊張感が見え隠れするボクス。
「皆、あんまり緊張しないで良いわよ、あの皇帝は私が立てたんだから、あの若さで皇帝ってある意味凄いけどねw」
リラックスしてるけど、私はここに遊びに来た訳じゃ無かったんだった。
私達のお世話役で三名ついたメイドさんの一人に、プリウス君にお話ししないといけない事が有るから今から会いに行けないかと伝えると、直ぐに皇帝に取り次いでくれると言うので、そのままメイドについて行く事に成った。
「三人はここでこのままリラックスしてて良いわよ~、ちょっと用事だけ済ませて来るからね。」
と言って、メイドの後をついて部屋を出た。
皇帝の執務室らしき部屋の前で待つように言われ、メイドだけがノックしてその部屋へと入る。
島落すると、メイドが戸を開けて私を中へと招き入れた。
「エリーさん、エリーさんから僕に用があるだなんて、嬉しいです、何なりと仰ってください。」
「ねぇ、プリウス君、皇帝なんだから私に敬語使うのいい加減やめない?」
「ははは、そんな事言いに来た訳じゃ無いですよね?」
「まぁそうなんだけどさ、でも、やめてね。」
「はい、判りましたよ、あ、又ですね、失礼を。」
「敬語やめいっつってんのに、もう~。」
「まぁ、急に直せと言われてもなかなかすぐには・・・それより、僕に用と言うのは?」
「ああ、そうそう、えっとな、以前より噂はあった筈だから耳にしてはいると思うんだけどな?」
「もしかして、アルファード皇国の事ですか?」
「ああ、その通りだ、話が早くて助かる。」
「もう時間が無さそうなんですね?」
「うん、で、問題は、相手の新皇帝がな、どうも転生者らしいって事なのよ。」
「つまり?」
「ああ、私のように、あんたらの知らない武器を作る可能性を秘めていると言う事。」
「それは、困りましたね。」
「ええ、しかもどうも私の知人の伝手で調べた所、どうも年代こそ不明だけど、私と同じ世界からの転生者らしい訳よ。」
「ブライト皇帝が・・・エリーさんと同じ世界からの転生者??」
「ええ、恐らくね。 で、私の世界からの転生者がこっちでその力を振って私利私欲の為に跋扈する事は、私としては許しがたい事な訳。」
「では、我々に?」
「ええ、味方しようと思って来たのよ。」
「本当ですか!?」
「本当よ。」
「本当に本当ですか?」
「しつこい、ホントだってば!」
「っ・・・・・・ぃやったぁ~っ!」
「な? なになに???」
「嬉しいなぁ~、エリーさんが我が国の味方に付いてくれる、それに、そうなるとしたら暫くここに滞在してくれるって事っスよねぇ~。」
「プリウス君、口調が三下っぽくなってるんだけど・・・?」
「当分居てくれて良いですからねっ! 大賢者様っ!」
え~っと・・・これってそんなに燥ぐ程嬉しい事??




