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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
大戦へ・・・

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潜入3

 潜入3

 ダンジョンへ向かう通路を、あっさり通行許可が下りた私は、少々足早にダンジョンへと向かった。

 本体、MkⅢ、MKⅣは全員冒険を楽しんで居るが、私は海の底を旅して周って居ただけで、自分の脚で、自分の手で冒険を、戦闘を体験するのはこれが初めてになる。

 この任務が本体より申し付けられた時に、MkⅢ、MkⅣの戦闘データを貰い受けてレベルの補正も入ったので戦えない事は先ず無いが、自分自身としては初めてなので不安と期待が入り混じった、ワクワクが先走って居る。

 言うなれば、子供の時の遠足の直前の様なテンションと言えば解り易いだろうか?

 ダンジョンの入り口の前に立つ。

 心臓の音がピークに耳に響く。

 多分、今私の顔は、すっごく笑って居るのだろうと思う。

 深呼吸し、思い切り吸った所で息を止め、第一歩を踏み出す。

 たしかに、この一歩を入っただけで、異空間に来たのだと理解出来るレベルの違和感が一瞬私を襲う。

 遂に、私はダンジョンの内部に居るのだと言う実感が、私の感情を大きく跳ね上げる。

 ああ、ダメだダメだ、こんなにテンションを上げてしまっては冷静な判断が出来なくなる。

 私はもう一度深呼吸をして見る。

 5~6回程深呼吸を繰り返すと、ようやく頭が冷えて来た気がする。

 そうなんだよ、こう言う時は冷静にならないと痛い目を見る、MkⅣが何度かポカしたのはこれが原因。

 だけれど、こう言う緊張感はしっかり有る程度のレベルで保っておかないと、本体の様にうっかりと寝首をかかれ兼ねないのだ。

 私はこれからこのダンジョンの内部の脅威を取り除いて名を上げねば成らないのだ。

 失敗は許されない、頭を冷やして、心には強い決意の炎を灯して、いざダンジョン攻略スタートだ。

 あ、ちなみに、私の一人称を直そうとしたのだがまだ俺と言う単語を使う度胸が無い。

 今回のクエストの攻略を完遂出来れば、きっとそんな事もいとも簡単になる、そんな気がするのだ。

 一歩、また一歩とダンジョンを奥へと向かい歩いて行く。

 それにしても、わたし達エリーやタカシの作るダンジョンは、5階層毎にボス部屋を設けるなどして、割と規則的になるけれど、ここは天然のダンジョンと言う話だった、つまりはそう言った常識が通用しない可能性は非常に高い、気を引き締めて掛かるとしよう。

 次の瞬間、私の予想が当たって居る事を嫌と言う程に見せつけられる事に成った。

 今は未だ1階層の、筈・・・

 なんだけど・・・

 何で雑魚モンスター一体も居ないのかと思ったら、この方の餌になってたのね(汁

 何故ここに居る!ドラゴニュートよ!それも三体も徒党を組んで。

 人サイズのドラゴンだぞ、アレって・・・

 人サイズだからってドラゴンの戦闘力が下がったりして居る訳では無く、デカい時ほどのパワーは無い代わりに武器扱ったり技スキル持ってたりで総合的な戦闘力はほぼ変わんない訳よ、そんなのが一階層で出てくんじゃねぇよ!

 ドラゴニックオーラと言われる覇気みたいなもんも持ってる、これは魔王覇気や勇者覇気、英雄覇気なんかと同じような物で、ハッキリ言って魔王覇気クラスのプレッシャーを周囲に与える。

 まぁ要するにドラゴンの強さっつーのは魔王と大差無いって事ではある。

 って事は今、私の目の前には魔王が三人立って居るのと同じって事か、これは気を引き締めないとやられる・・・

 手始めに精霊女王でも召喚するか・・・あ、ジョブ・・・

 仕方ない、ドラゴニュート唯一の弱点、属性が水に限定するって部分を突くしか無いか。

 忍術で行くしかねぇな、術札で使うんだったな。

「雷遁、雷球拡散多連弾。」

 そして怯んだ所を隠遁で姿を消す(要するに光学迷彩)

 そんでもって背負った刀で首をぶった切って一気に決着だ。

 少し短めな所謂忍刀って奴だが、実は刀匠になって居たMkⅢの銘が入っていた。

「初代荒船出雲守 一文字天神丸」

 何だか物すごぉ~く大それた銘な気がする。

 忍刀って言う奴は、踏み台として使ったりする事が出来るように、直刀である事が前提になるので一文字の銘は良いだろう。

 問題はその後だ。

 天神丸って・・・・

 銘の打ってある裏側には、「故其疾如風其徐如林侵掠如火不動如山難知如陰動如雷霆掠郷分衆廓地分利懸權而動」

 えーっと、私の記憶が正しければ孫子の兵法の一説のような気がするのだけど。

 すっごく細かい字でこの長文刻んで有るんだけど、この文彫刻するのってスゲー手間だよな。

 っつーかこんなとんでもない大業物貰って負ける訳に行かねーだろ。

 それにしても、このドラゴニュート達、三体だけで下層から出て来たっぽいのでその転移ゲートを特定して書き換えをしないとダメそうだ。

 いくら天然のダンジョンが不安定だからと言ってこれは少し酷過ぎる。

 ゲートの書き換えだけで済めば良いけどな。

 第二階層への通路らしきものに辿り着いた、ここ迄、ドラゴニュート以外の魔物は目撃して居ない、やはりあいつらに食い散らかされた後と言う事なのだろう。

 第二階層は、いきなりボス部屋の扉が出て来た・・・おいおい、どうなってるんだ?

 じゃあさっきのドラゴニュートは何処から???

 まさか他にも通路があるんじゃ無いだろうな、天然ダンジョンだしあり得なくは無いけれど、そんなのがこんな浅い階層からでは、良くこんな所で冒険者の被害出ないよな?

 もしかして侵入者の強さに応じて奥の階層からワザワザやって来る、とか?

 まぁ今考えても仕方が無い、ここを開けて先に進むしか無いのだから。

 戸を開けると、やはり広いバトルエリアの様な造りになって居る、ボス部屋だ。

 入れば通って来た戸は勝手に締まり、室内が周囲の壁の灯火の魔道具の明かりで明るく照らされる。

 すると奥に居るボスモンスターが姿を現した。

 四本腕と二つの顔を持つサイクロプス・・・ただのサイクロプスじゃない。

 デュアルフェイスサイクロプスと言うユニーク種だった。

 こんな厄介なのがボスとか、無いわ~・・・

 皮膚はドラゴン並みの硬さで、異常な回復力も兼ね備えている。

 魔法も効きにくそうだよねぇ。

 まぁ、アサシンの急所撃ちでやれない事は無いけれど、それにしたってこの動きの素早さでは急所直撃させるのも至難の業だよね。

 実際に急所に当てるのに10分少々も掛かってしまった。

 これはオーガの集落どころか私が最下層まで攻略してダンジョンコアを調整する必要性が有りそうだ。

 しかしこの浅い階層でこのレベルのボスが出るって、この先どうなってしまうんだ?

 まぁ、仕方が無い、行ける所まで行ってみるしかない、か。

 第三階層は、何故か普通に弱い魔物が跋扈して居た。

 まさかとは思うのだが、このダンジョンはごちゃ混ぜになってしまって居る可能性が出て来た。

 ああ、もしかしたらもう一つの天然ダンジョンと繋がってしまった事で、その衝撃で様々な階層がごちゃごちゃに混ざって順不同になってしまったのだろう。

 と、すると今このダンジョンには、二つのダンジョンコアが有り、互いに干渉しあって鬩ぎ合って居るのかも知れない。

 もしそうだとすれば、どうなってしまうか判らないが、ダンジョンコア同士の食い合いが発生して居ると言う事。

 きっとMkⅢが見つけた二か所の入り口を持つダンジョンと言うのはこうして二つのダンジョンが食い合いして、決着がついた後に安定を取り戻した物では無かろうか。

 あのダンジョンの場合は片方のダンジョンの入り口が開いた場所が人気の無い所だった為に問題無く融合して安定期に迄到達した物。

 いそがないとまずい事に成るかも知れない。



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