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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
大戦へ・・・

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潜入1

 潜入1

 -ルーデリヒ(MkⅡ)-

 MkⅢの飛空艇で、MkⅢがプラドへ向かう序でに乗せて貰って居ます。

 本体が、この義体のサイズに合わせたフェンリルギアとフェンリルギア専用フライトユニットを作ってくれてあったので、そいつで行ける所まで行って、機体を隠した後、徒歩で普通に冒険者として皇都に潜入する事に成ります。

 冒険者証も、本物と区別のつかない偽装で、ランクはBとしてあります。

 C位では何処にでも良すぎて士官には少々弱い、Aだといきなり幹部候補に抜擢されそうで、逆に潜入を疑われる可能性もあるので避けたかったのです。

 まぁ、冒険者証は実際の本物を調べつくして作った偽物だから、正直言って本物と同じ物を再現してそこに小官の名前を印刷した物なので、ハッキリ言って冒険者ギルドで登録して有るかの確認が取れない以上、限りなく本物なのでどんなに調べて頂いても問題は無いのです。

 と言う事で、間も無く飛空艇はプラトに到着です。

「さ、MkⅡ、準備は良い?」

「ええ、フェンリルギアの装着も済みました、しかし、なぜ今バイクフォームではなくパワードスーツフォームなので?」

「ああ、これで射出するからよ?」

「え?これって・・・」

「うん、カタパルトよ? かっこいいでしょう?どっかの機動戦士みたいで。」

「え?ちょ! 待って下さい!?」

「んじゃいってらっしゃ~い!」

 いきなり心の準備も済まない内にカタパルトが急激なGを伴って動き出したのです。

「ちょ! えぇぇ~~!!??? ひええぇぇぇぇぇ!!」

 いきなり射出された・・・殺す気かよorz

 思わず口調が素に戻ってしまいましたが。

 そのままフライトユニットのバックパックのメインスラスターを起動して一応落下しないように空中で静止。

「はぁ、びっくりした・・・マジで死ぬかと。」

 思わず口調が素に成りますよね、こう言う時・・・

 全く、全て自分感覚で好き勝手な事するのは私の悪い癖ですね、エリーの素が出ないよう気を付けなければいけませんね。

 ゆっくりと地上に降り、取り敢えずの目標物が無いので、真北へと進む事にして移動開始です。

 この辺りが、本体に頂いた以前の記憶では、ただひたすらの荒野が山の麓まで延々と続いてたようですが今では草原になって居るようですね。

 所々に林の様な木々のクラスター群が見受けられる程になって居るみたいですね、これが緑の精霊の真の実力と言った所でしょうな、流石に一年半足らずで凄い事です、木がこんな規模に成長するとは・・・普通ならこの高さまで成長するには、最低でも15年以上は掛かりそうなところですね。

 兎に角真北へと走り続けると、ようやく、行商人などが通る為に自然と道になったであろう道が出て来ました。

 これに沿って走って行けばあの山脈の登山道に辿り着くのでしょう。

 暫く道なりに走って居ると、案の定登山道の入り口らしき道が斜面に沿うように走って居るのが見えます、ここを上がって行くと言う事か・・・

 でもここは時間を短縮して見ようかと思います。

 エーテルリアクターで大気中のエーテルや魔素を吸収して補給する事が出来る新型魔素駆動エンジンを信じて飛んで超えよう。

 この山脈は軒並み4000m級の高さを誇る山々の連山で構成されて居るので、超える為にはそれなりの準備は必要な所だが、魔法が使える上に生命維持のありとあらゆる機能が追加された私のフェンリルギアであれば問題は無い。

 まぁ、このサイズの物でそれだけの機能を追加出来る時点でつくづくデタラメだとは思う。

 この世界の魔素と言う存在のおかげでは有るので、こっちに居なかったらこんな便利な機能は存在出来なかったろうと思う。

 割と強引かなって思うような小型化をやって見ても出来ちゃったりするのが魔素を使った開発の面白い所かと思います。

 おっと、そんな事言ってる隅からとうとう頂上を超えてこの先は下りですね、ではエーテル補充がてらにスラスターを止めて滑空で下るとしましょう。

 雲の下に出ると、山間の谷間、盆地のような地形の真っただ中に巨大な都市が見えて来ました、これがアルファードでしょうか?

 いや、多分ですが、アルファードはこの奥の山を更に越えた先だと思います。

 恐らくここはアルファードの第二都市、ベルファイアと言う都市が有ると聞いたのでそこでしょうね。

 二つの都市の両方に自分の名前から1節取って都市名にしちゃうなんてどれだけ自分好きだったんだろう、初代皇帝のベルファイア王って。

 たしか、ベルファイア・グランエース・アルファードって言う随分と覚えにくい名前だった気がする。

 おっとまた口調が素に成りかけてしまった。

 まぁ良い、とりあえず今日はこの都市で一泊して情報収集しましょうか。

 都市から少し離れた所に着陸し、ストレージにギアを仕舞い、大型のバックパックにアイゼン、ピッケル等を下げ、ザイルを肩に下げて徒歩で都市へと。

 門に到着すると、あまり外から人が来る事が無いのだろう、問答無用で止められた。

 槍を構えた衛兵が声を掛けて来た。「何者だ。」

「私は、Bランクの冒険者をして居ります、ルーデリヒと言う者です。

 この度、世界を見て回ろうと、旅を続けて来たのですが、この山を越えようとして遭難し掛けまして、偶然にこの都市を見つけたのです。

 ギルドカードをご覧になりますか?」

 そう言って偽造ギルドカードを提出した。

「うむ、噓は言って居ない様だな、しかし、ファーミリオンからここまで旅をして来たのか、さぞかし過酷な旅であったろう?

 だが残念な事にこの街は殆ど外から人が来ないのでな、宿屋が無いのだ。

 冒険者ギルドの軒先でも借りて寝泊まりするしか無いが大丈夫かね?」

「ああ、問題在りません、寝袋や簡易テントもこの中に入ってますから。」

 そう言ってバックパックを軽く叩く。

「そうか、では、多分こんな台詞を言うのは今回が初めで最期かも知れんな、ようこそ、ベルファイアの街へ。」

「ああ、そうかも知れませんね、所で冒険者ギルドはあるのですね、何方に行けば良いですか?」

「中に入ったらこの街壁沿いに20mだ、入ったら見えるさ。」

「左様ですか、ありがとう。」

 思ったよりアッサリと入る事が出来た。

 早速冒険者ギルドを目指す。

 ギルドは国家機関との癒着を禁止して居るので恐らくは大丈夫だろうと思うが、油断は禁物だ、気を引き締めて掛かろう。

 ギルドの扉を開けると、たむろして居る飲んだくれ冒険者達の視線が一気に私に集まる。

 何処でもこの反応は普通だ。

 見回すと、カウンターには、サリ―シリーズの姿がやはりあった。

 同じ顔してるから判り易いですね。

 早速サリーに近付く。

「失礼、私はファーミリオンの冒険者ギルドでB級冒険者登録を持つルーデリヒと申します。この度世界を見て回りたいと思い旅に出たのですが、偶然この都市へたどり着きまして・・・」

 なんて口に出しつつ、MkⅢがプラドで私の事をサリーに知らせてある、従ってこのサリーにも情報共有で情報が回って居るので演技をしてくれる。

「お疲れさまでした、ルーデリヒさん、この街には宿が無いので、ギルドの仮眠室をお使いください。」

 何と、軒先と聞いて居たけれど仮眠室なんてのが有るのか、温かく眠れそうで何よりです。

 ってか多分寝ずに隠密行動をする事に成るのだろうけれど。

「おうおう、B級なんてぇ高ランク冒険者様が何の御用でこんな辺境へ赴いたんですかねぇ? へへへへ。」

 ああ、やはり絡まれたか。

「何だね、君は? 私の実力でも疑って居るのかね? それとも依頼を根こそぎ取られるんじゃないかとか思ってるかい?」

「ひーっひっひっひ、聞いたかよ? 随分余裕ぶってんじゃねぇか?あぁ?」

「何がしたいのかね?君は。」

「いくらB級の冒険者だろうと、ソロでやって来てこの人数相手に敵うと思ってるんかよ、あぁ?」

「成程そう言う事ですか、つまり私の装備や持ち合わせた素材などを根こそぎ置いて出て行けとそう言う事ですか。」

「へっへっへ、話が判るじゃねぇか、なら命が惜しけりゃとっととその通りにするんだな?」

「生憎だが、そんな大層な物は持って居ないのでね。

 それに今日だけここで寝泊まりさせて頂ければ明日には出て行くつもりだ、君達の邪魔もしないので仲良くしようじゃないか。」

「ふざけてんのか?テメェ…

 オメー等、やっちまえ!」

 飛び掛かって来たのは6人、その程度ならば刀を抜くまでも無い。

 一番手前に迫るナイフを持ったチビの顔面に膝蹴りを一発。

 吹き飛んだチビが3番目に近かったデブに激突して二人纏めて転がって行く。

 チビの次に接近していた短剣を持ったマッチョを、首根っこを掴んでその勢いを利用して背後に放り投げる。すると背後から迫っていたノッポに激突しそうになったが、ノッポはそれを回避したようだ。

 後は烏合の衆で、大した事は無く、崩拳で二人吹っ飛び、最後に残った背後から迫るノッポは振り向きざまに裏拳をかましたらそのまま吹っ飛んで行った。

「何だ、口の割には歯応えが無いじゃないか、稽古ならいつでも付き合ってやるから他にも俺と一戦したけりゃ掛かって来て良いぞ。」

 と宣言すると、辺りは シン・・・と静まり返り、誰も俺と目を合わせない様になった。

 仕方が無いので、情報を引き出したいので全員に一杯奢ってやり、雰囲気を和ませる事にした。

「随分と静かに成っちゃったじゃ無いか、仕方無い、一杯っつ奢ってやるからそんなに怖がるなよ。」

 そう言って食堂カウンターの方に全員分のエールを注文してやると、現金なもんで急に懐いて来る奴が出始めた。

「あんた、ツエーな、俺ぁ~C級に上がったばっかなんだけど、B級ってのはアンタみたいのがゴロゴロいるのか?ここにゃB級なんてのは一人も居ねぇから判んねーんらよ。」

 呂律が回らなくなりかけている、こいつ相当飲んでるなぁ。

 なんかここでは一人称私じゃ舐められそうだ、俺に直す事にしようと心から誓ったのであった。


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