子連れハイエルフのダンジョン攻略
子連れハイエルフのダンジョン攻略
-オリジナル-
「んじゃ、ママと一緒にダンジョン行って見ようか、マリイ。」
「うん、ママと一緒なら怖く無いし、僕も強く成ったんだよ?」
最近は、あたしと言って見たり僕と言って見たりするようになったマリイだった。
ザインの記憶との統合を図って居るのだろう。
その時々で使い分けている、と言うか、まだどっちに収まるか安定して居ない感じだ。
私としては、幼女の姿の内はあたしと言って欲しい所だけど、そこは強要してしまうのもどうかと思うので、自主性に任せている。
やはり、ハイエルフの幼少期は短い気がする、何故なら、普通の子供であれば一歳半~10か月程の時期な筈なのだけど、既に三歳児位の容姿になって居る。
おかげで、赤いリボンを結んであげるとムッチャクチャ可愛い!
やっぱうちの子最強!
これで勝てる!
何に勝つのかは秘密なんだけどねw
でもむしろうちの子しか勝たん。
私はそう思う。
だってガチで可愛いんだもの、マリイ。
まぁいつまでも堪能してても仕方が無いので行って見よう!
「じゃあ、イワナガヒメの里のダンジョン、駒門風穴から行って見ましょう。」
ここの特徴は、キノコ系やマンドラゴラ系、トレントと言った風に植物系の魔物が多く出る、そしてここはダンジョン内で野菜が収穫できるのだ。
時期的にもお鍋に材料になりそうな野菜を重点的に狙って行こう。
そしてダンジョンマスターに挨拶してコアルームから外へ。
まぁここはレベル補正はいらなさそうだ。
ちなみに収穫はと言うと、キャベツ20個、白菜が11個、ニンジン80本、大根が19本、エノキ、占地が各20株、鍋に使えそうな野菜はこんな感じで、それ以外の野菜も結構な量の収穫が出来た。
倒したモンスターも食用に向く奴が多かったのでお肉も潤沢に集まる。
普通ならこんなにあったら売りに行くしかなくなってしまうけれど私にはストレージがあるから仕舞っておけば良いだけ。
良い食材補充になったわ。
5フロア毎のボスのレベルにも補正は要ら無さそうだし、ここのダンジョンは良い感じでそのまま使い物になるね。
「ママ? ラスボスのお部屋の攻略は、良いの?」
「うん、ここは良いの。
入ってもママの作ったホムンクルスのドラゴノイドが居るだけだから、ママとは戦ってくれないもの。」
「そっか~、マリイが大きくなったら戦える?」
「そうだね~、20年位経ったら戦ってあげてね~、多分それまで誰にも倒されないと思うから。」
「うん、20歳に成ったら戦いに来る。」
「そうだね~、マリイはもっともーっと強く成れるから、そうしたら倒してあげてね。」
「うん、じゃあ次のダンジョン、行く?」
「そうね、思ったよりスムーズだったし補正も要らなかったからもう一か所行けそうね、その前にお昼ご飯にしましょう。」
転移魔法で私の庭園の食堂に飛んで、ストレージから、ダンジョン攻略した時用の高カロリー食セットを取り出す。
内容は、こんな感じ。
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前菜:シーザーサラダ
スープ:ユグドラシル製トウモロコシをふんだんに使ったコーンスープ
メインディッシュ:ドラゴンとティアマットの合い挽き肉のハンバーグステーキ
付け合わせ野菜はユグドラシル由来の人参ソテー、インゲン、マンドレイクの葉のバターソテー。
ほうれん草みたいで美味しいんだよ。
デザート:ユグドラシルアップルのコンポート。
普通のヒューマンが食べると寿命が5年は伸びるとか言われて居る果実ですが何か?
ハイエルフだし寿命無いから、しかもユグドラシル一本保有してるのだから好きな時に幾らでも頂けますので貴重とか言われてもそんなん知らん。
何ならユグドラシルアップルで作ったアップルタイザーとか飲み放題ですが何か?
シードルも有るでよ?おっと今はマリイとのお昼ごはんのメニュー紹介だった、脱線したわ~w
「ママ、このハンバーグ美味しい、マリイ大好き~。」
だろうな、最高級肉同士の合い挽きだ、最強のお味です。
脂肪分が少なくしっかりした味のドラゴンのもも肉と、ガッツリ刺しが入ったティアマットのリブロースをひき肉にしてるから、割ると中からジュワッとしみ出る肉汁が、視覚的にも食欲をそそります。
付け合わせのパンは、フォード王国で手に入れたフォード麦をトーラスが私の庭園上で栽培して増やしたトーラス麦の豊かな香りが堪らないバゲットをガーリックバターで。
バゲットを齧ってほっぺ膨らませてモキュモキュ食べてるマリイに癒される。
美幼女は何してても絵になるわ、マジで。
食事を終えて食後のお昼寝をマリイにさせつつ、さっきのダンジョンで収穫した食材を整理しておく。
エルフ達も食べに来るから食材の補充は重要だったりするのよ。
目が覚めたマリイが、元気いっぱいに次のダンジョン攻略を催促しに来た。
「ママ~、ダンジョン行かないと遅くなっちゃうよ~。」
「うん、それじゃ行こっか。
ツヴァイ、後の仕分けよろしくね。」
と言って電脳通信で割り振りを伝えて置く。
「お任せ下さい、エリー様。」
有能なAIは持つべきよね。
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やって来ました、テディーの樹の里のダンジョン入り口。
テディーの樹はさぁ、リーディアの南の森林から大地を頂いて来た庭園だから、リーディアにダンジョン入口がある。
滅んだ都市の中にダンジョン入り口を作ったのよ。
まぁ、滅ぼしたのMkⅢだけどな。
ちなみに、壊滅都市にダンジョンの入り口が出来たって事で、人が集まって来て、数年後にはダンジョン都市と成るんだけどそれは又別のお話。
「マリイ、着いたわよ~。」
『楽しそうに私が宛がった魔石で魔法が強化されるワンドを丁寧にお手入れしている幼女、可愛い』とかつい見とれてしまったけれど気を取り直して声を掛けた。
「はーい、すぐ行く~。」
すっくと立ちあがってトテトテと小走りに私に寄って来るマリイ、やはり可愛い。
今度こそ私の娘を大事に自分の手で育てる事が出来る、これ程の幸福は他に思い付かないよ。
座標は知って居るので転移魔法の範囲内。
転移をしてダンジョン攻略開始。
ここのダンジョンは鉱物系のモンスターが多く出る。
まぁ食材も手に入らなければこんな滅んだ都市のダンジョンには人なんか来てくれる訳も無いので一応はトリプルホーンバッファローやロングホーンピジョンなんてのも出る、しかし、長い角を携えた鳩って、なんつーバランスの悪い生き物なのだろうとつくづく思う、明らかに魔力で飛ばないと飛べる訳ねぇって言う生き物だった。
ここは、5階層目のボスが妙に強かったので修正は必須になりそうだ。
だっていきなりアイアンゴーレム出たもんな・・・
ちなみにここで出るゴーレムってモンスターは私がデザインした魔法生物です。
錬金術が進化して創成術に成っちゃったっつったろ?そしたら簡単に作れる物だったのよ。
ホムンクルスとほとんど大差の無い工程で出来ちゃう。
なのでダンジョンコアに製造工程インプットしとくだけで量産w
ちなみにゴーレムは100体に一体位の割合でテイム出来る設定に成ってる。
その内ゴーレムを使役するテイマーが生まれる事だろう。
電脳化のナノマシン大分世界中に飛び回ってるみたいだしな。
まぁ、今の所全員とは行かない様でランダムに電脳化してるみたいだけどな。
ちなみに今回、ここにダンジョン作ったって情報はブラブラに連絡しといたのでラインハルト君の国作りのお役に立って欲しいと思って居るのでここは特に念入りにレベルの最適化が望まれるからね、私もマリイも気が付いた事はお互いに報告してレベル補正に役立てる事にしてる。
マリイと二人で攻略をどんどん進めて行く。
すると、驚くべく事が判った。
なんと、私の魔力を充填したダンジョンコアで作ったダンジョンってだけで、そんな物補充した覚えは無いのだけれど、坑道内でミスリルや魔石が採掘できるのだ、何でこんな事に成ったのかは不明だけれど、きっと鉱物関連の魔物を私が創成した事でダンジョンコアが勝手に学習した臭い、タカシの作ったダンジョンコア、中々スゲェな、これ・・・
んでもってボスモンスターだけが何故かこのダンジョンレベル補正が必要だったのでそこだけ補正して終了と言う結論に至った。
イワナガダンジョンと比べて少々硬い魔物が多かったお陰で、少し時間が掛かってしまい、途中で夕食を取ったらマリイがおねむになってしまったので途中退場。
代りにアインが参戦して来たのだけれど、相変わらずのバトルドレスに身を包んでナックル付けて来たんですけどw
お前の拳にナックル要らんだろうにw
まぁ、前衛が居ると楽だったからまぁ良しとしたけれどな。
そして私は最後にダンジョンコアルームでレベル補正のコマンド使って丁寧に数値修正して置いたのでこれで突然出て来る凶悪なボスに全滅させられる事は無いだろう。
マリイ、最後まで攻略出来なかった事を怒るかしら、怒らないで欲しいなぁ・・・
怒られたら、ママ、悲しくて泣いちゃうかも。




