打ち上げだぁ~!
打ち上げだぁ~!
結局、今日のクエストは、ギルマスの覚醒って事になって、依頼料と成功報酬がふんだんに頂けた、革袋の中身を確認したら、小金貨が8枚の大銀貨が15枚程入ってた。
きっと本当は小金貨10枚位くれる積りだったんだろうけど持ち合わせが無くてこんな変な金額になったんだろうと言う感じだった。
まぁ、だけど丁度良かった、今日はギルマスに付き合ったお陰で興が削がれてしまって何もする気が起きなかったんだ。
「みんな、今日は俺は気分が良い、全員奢ってやるから好きなだけ飲み食いしてってくれ!」
ギルマスってばなんて太っ腹なんでしょう。
それじゃ私もご相伴にあずかろうと言う事で、たまには昼間から飲むのも悪く無いと思ってエールを注文したら、まだ早いとギルドの食堂のおばちゃんに叱られた・・・解せぬ、私はアンタよりずっと年上なのに。
「やっぱり・・・ハイエルフ様。」
何でまた居るのかな、この子は・・・
そしてどんちゃん騒ぎの中、私は色んな冒険者に声を掛けられた。
まぁそりゃそうだわな、あんなギルマスのパフォーマンスを仕切ってたのは私なんだから。
根掘り葉掘り聞かれたが、とりあえずは誤魔化しておいた。
納得して無い顔の奴が大多数だったけどもこれ以上聞いても無駄だと悟ってくれたらしく退散してくれた。
見事なまでに昼間からどんちゃん騒ぎとなって居るので、どさくさに紛れて何とか私もついにエールを一杯手に入れた、さぁ飲むぞっ!
と意気込んで高らかにジョッキを持ち上げた瞬間、ジョッキが取り上げられ、又もギルド食堂のおばちゃんに叱られた・・・何故だ・・・
「私は子供じゃな~い!」
「うん知ってる、ハイエルフ様。」
だからなんで私の背後にいるの~!
ザインちゃんがストーカーじみて来た気がするのは気のせいだろうか・・・
そして宴もたけなわ・・・ってかずっとそんな勢いのノリだったのは気のせいかな?
ってか夕方まで良く飲んでるよね、この人たち。
朝から飲んでたりするし、いつ仕事してるかは知らない。
確か昼の鐘が鳴る前から始まった筈なんだけどなぁ・・・
ってか今日も朝から飲んでた人も加わって騒いでる。
結局、私はあの後もエールを何とか手に入れても悉くおばちゃんに阻止され続けた。
飲みたかったんだけどなぁ。
あ、そうだ、お酒を阻止されてどうせ飲めないのなら、ここに居ても仕方ないし商業区にでも行って、このお金で色々買い貯めするかな。
思ったよりも多く報酬貰えてるし。
ギルドから出ると、クリスが居た。
「やっぱ出て来るんじゃ無いかと思ってたぞ?」
そんな言い方されんでもいいのでは?まるで私の行動パターンを読んだかのように。
「どうした?私に何か用でもあった?」
「ザインがね、貴女が悉くお酒飲もうとするのをおばちゃんに阻止されてクサってるって言ってたから、そろそろ出て来るんじゃ無いかと思ってたの。」
成程、情報源があったと言う訳ね。
「まぁね、飲めないならあの場に居ても仕方ないし、この際だから色々買い物しとこうかと思って出て来ただけだよ、買い溜めして置きたいしね、私のストレージなら食べ物もそのまま保存だから。」
「それじゃ丁度良かった、私がエリーを待ってた理由は情報持って来たんだよ。」
「情報?」
「この街で一番大きな雑貨屋にね、変わった物が入って来たらしいって噂。」
「変わった物?」
「うん、本らしいんだけどね、どうやって開いたら良いのか解らないらしいのよ、本自体が魔道具のようになってるみたい。」
「それは興味深いね、どうやったら開いて中を読めるかが判るまで待ってられないかも、きっと魔道具作ったって言う昔の人の日記とかそう言うものじゃ無いかって気がするし。」
じゃあ、そのお店へ行こう!って事に成って、何とか私はその貴重な本?と言うか多分日記とか魔道具のレシピみたいなものでは無いかと思ったので是非手に入れたいと思う。
何か魔法の手がかりみたいな物も書いてあると嬉しい。
------------------------
結果、本は買えました、が・・・
本気で開けないしw
その後、さてどうやって開けてやろうか、と意気込んで幾晩か掛けて何とか開けられた頃には、既にエリーは賢者様と呼ばれるようになって居たのだがそれはまだ先の話なのでその時に。




