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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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エリー(本体)のお仕事

 エリー(本体)のお仕事

 何時ものように、エリーでも未だに理由は不明で出るようになった母乳をマリイに与えたエリーだったが、今日は時間が少し問題だった。

 マリイが泣き出したのが午前4時、おむつを交換して、暫くあやして見たが一向に泣き止まないマリイに、お乳を与える事1時間程も掛かった為、空が白み始めていた。間も無く季節は冬になろうと言うのに、そこそこ気温が高かった事だけは幸いだった。

「ふう、結局今から寝たら来客とかに対応出来なくなっちゃうし、起きてるとするか、朝ご飯の支度でもしよーっと。」

 すると、慌てて飛んで来たツヴァイが。

『エリー様、私の仕事を取らないで下さい。』

「ああ、そうか、ツヴァイが食事当番だったか、ごめんごめん。」

 アインなら私にやらせてくれるし、トライならどうせアンドロイドにあるまじき寝坊やらかして出て来ないし、フィアならあの子は何故かアンドロイドの癖に料理下手糞で見た目壊滅的に悪いから私がやっても文句で無いし。

 今日に限って頑固なツヴァイかぁ、仕方無いね。

 じゃあ、お腹いっぱいになって寝たマリイをアインに預けて暇潰しの釣りにでも行こうかな~、なんて支度を始めると。

「朝早くからすみませーん、起きてらっしゃいますか~?」

 と聞こえて来たので、私はこう返事を返す。

「何をやった!?」

「あー、いや、御免下さいな~、朝はようからすみません。」

「だから何をやった!?」

「あのぉ、それはどんな遊びです?」

「遊んでもふざけても居ない!

「すみませんと謝って居るから何をやらかしたのかと思って問い詰めただけだし、その後にも御免と謝って居るからこそ、何をやった!?と聞き直したのではないか!」

「イヤ何もして無いです。」

「大方畑に足突っ込んでしまって荒らしたとかそう言う・・・って何もしてないだと?」

「はい。」

「何で何もしない? 謝っておきながら?」

「いや、その、謝ってる訳では無いんですが。」

「うん知ってる、あぁ楽しかった。」

「あのですね、怒りますよ?」

「あははは、ごめんごめん、こんな所で引き籠ってるとつい暇でさ、たまに誰か来ると揶揄って見たい訳よ、特にこうして知ってる人物が来るとね。」

「ほんとにもう、リエナ・ラーカム先生はそうやってすぐに人をおちょくるんですから。」

「良いでしょ、毎回楽しくて。」

「はぁ、それはそうと原稿は上がってるんでしょうね?」

「私が原稿落した事なんかあった?」

「まぁ、無いですけどね。」

「そもそも何でこんな遠い所に住み着いたんです?」

「えへへ~、一時的だけどね。」

 この世界、羊皮紙は高価だと言うのに、やけにノベルの販売に積極的だったのだ。

 そこで、私が植物紙の製法を広めたのだが、それが引き金となって、本が爆発的に書かれるようになった。

 娯楽としての本が特に良く書かれるようになったのだ。

 何時の時代いつの世にも、空想の物語を想像する者は少なく無い。

 ましてや、格安で手に入る植物紙が確立し、手軽に自分の描いた世界が、空想が、文章として残せると成れば尚の事、そうして、そんな風潮が広まれば、それを生業として稼ごうと言う輩も現れ、事実上の出版社のような職業が現れた訳だ。

 そして私は、リエナ・ラーカムと言うペンネームで、BL物を2作程書いて見た所、予想以上に好評で、今では人気作家となってしまって居た。

 その人気作品のうちの一つは、概ねこんな内容。

 ---

 勇者と、勇者にあこがれた剣士の男同士のラブストーリー、お互いに妻が居るにも拘らず、冒険の旅に出る度にそのような関係を続けていると言う、女性としては許しがたい浮気、だがその相手が男性と言う事でさらに嫉妬が燃え上がる、そこが逆にファンを取り込んで居る激アツの作品だ。

 ---

 え?何か気になる所でも?

 カイエンとキース?

 気のせい気のせいwww

「しかし良く此処まで来れたね~、大変だったでしょう?船旅。」

「全くですよ、突然旅に出るとか言い出すんですから!

 一応私は先生の担当なんですからね、行き先位しっかり教えといて下さいよ、まったく!」

 なんかね、この子ってば、すげぇ勘が良いっつーかなんつーか、ファーミールにも原稿取りに来たんだよね、休載するって一言言って旅に出ますとだけ言っといたのに、休載は許しませんてw

 どうやって私の居る場所を嗅ぎつけてるのか不思議なタイプねw

 ってまぁ、一応はワンコ系亜人なので匂い辿って港町までは来れるだろうとは思うけどさ、海上進んでる間の匂いなんて残ると思う?残らないよね?

 でもこうやってここまで来たの、凄くね?

「もう、私が届けに行くのに。」

「多分、不定期に、ですよね?それって。」

「う、何で判った・・・」

 こう言う勘も妙に鋭いのよ、不思議ちゃんってこう言うのを言うんじゃ無いかな、本来。

「どれだけの読者が先生の作品を待って居ると思ってるんですか?」

 うわ、お説教始まった・・・ヤベェ、長くなるパターンだ。

「あれぇ~? 本体、お客さん~?」

 最近区別する為にツインテ結んだMKⅣが研究室から出て来た、やった交代時間か!?

「げ! 担当のシャーリーさん! 逃げるが勝ち!」

「あ! おーい! 逃げんな~! 交代時間だろ~!?」

「先生! 聞いてますか!?」

「は、はい・・・」

 その後小一時間説教が続いてしまった。

 MKⅣめ、覚えとけよ。

 ようやくお説教が終わって原稿のチェックが始まり、凡そ30分で読み終えると言う偉業を達成したシャーリーさんは、満足げに帰って行った。

 30分で読めるような原稿枚数じゃ無かった筈なんだけどなァ・・・

 それにしたってマジでどうやってここまで来たのよ、あの子・・・

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