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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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一時帰省

 一時帰省

 -MkⅢ-

 大きな鳥かごに入れたアローカナ二羽を受け取った私は、この鶏を家のお庭で飼う為に、一度空間転移で戻って来た。

「ただいま~。」

「ん?何?MKⅢ、もう音を上げたの?」

「ああ、違う違う、旅先で素敵な子に出会ってさ、連れて帰って来たの。」

「素敵な子って?

 アンタ、もしかしてこれってアローカナじゃん!」

「ねぇ?素敵でしょう?」

「早速小屋建ててやんないと。」

「そだねー。」

 いつの間にか寄って来て居たアインが

「お任せ下さい、立派な小屋を建てましょう、二羽用の物で良いですか?」

 私と本体の声が被ってしまった。

「「殖やしてから卵採る様にしたいからもっと大きいの作らないとダメよ。」」

「畏まりました、では二〇羽ほど飼育出来るような物にします。」

 まぁ当面そんなもんで良いだろう。

 アローカナを眺めながら、本体が私に言う。

「へぇ、いい旅して来たみたいね、この後はどっちに行くつもり?」

「この後は、そうね、このまま北東へと向かって、美味しい物の散策に重点を置いてのんびり行こうと思う。」

「うん、良いと思う、その方針賛成、ああそうそう、鹿肉御馳走様、美味しかったよ~。」

「名前書いて貼っといたのに酷いよねー。」

「私自身なんだから私の性格知ってるでしょうに。」

「うん、だからあえて名前書いといたんだけどね、本当は。」

「やっぱりか、あのブロック一個だけって事は無いだろうとは思ってたけどね~。」

「でしょう、バレてるのも知ってたけど敢えてちゃんと偽装して仕舞ってあるよ。」

「後は問題はMKⅡだね、あの子だけ別任務に成っちゃってるからストレス溜めてそうなんだよね~。」

「げ、いくら本体だからって怖い脅ししないでくんない?」

「脅しじゃ無いって、試しに確認して見なさい?」

「ま、マジか!?」

 慌ててストレージから鹿の毛皮の項目を選択して取り出して見たら、見事に半分以上の肉が消えて居た・・・

「うう~、私のお肉~・・・」

「やっぱね~、そんな気がしてたんだ~、特に鹿肉は私の好物の一つだしね、船上に常に待機してるなんて任務じゃストレス溜まってると思ったんだ~。」

 私の落ち度だった、全員私自身なんだから私の隠し方位みんなお見通しだもんね、でも船に常に待機するって言う任務のストレスは計算外だった。

「まぁ仕方ないか~、お昼ご飯此処で食べて行っていいかなぁ?」

「お、鹿肉のBBQでもするのかね?」

「そうだね、折角だから本体もMKⅣも皆で食べよ。」

「おお、流石私、判ってるねー、皆で食べた方が美味いもんね~。」

「ってそう言えば、MKⅣは今マリイのお世話?」

「いや、今研究の方、マリイは今良く寝てるからツヴァイに任せてる。」

「マリイに会いたーい!

 あの尊い寝顔を見るだけでも戻って来た甲斐が有るってもんよ!」

「もうアンタが旅立ってから既に大きくなってるからね~。」

「マジかっ! 早く会いたいぞ~!」

「では、お会いに成って来て下さいませ、BBQの支度はこのアインにお任せ下さい。」

 流石は私の作ったAIアンドロイド、小屋造りよりも今から始めるBBQの支度の方が優先順位が高い事を瞬時に理解して行動してくれる、優れものだね~。

 さっすがアインって感じかな?

 ん? っつーか、アインが御庭番してるっつー事は順番的に、室内はまさかトライなのか?

 ・・・大丈夫なのだろうか、心配。

 ツヴァイが海に出てる筈よね?

「ねぇ、本体さぁ、もしかして室内ってトライなんじゃ無いの?マリイをお任せしたのってトライじゃ?」

「ああ、そこは大丈夫、トライだと色々やらかすからトライは庭か海に限定したんだわ。」

「ふう、焦ったわ、今マリイのお世話してるのがトライかと思ってドキドキしちゃったじゃん。」

「うん、その気持ちは良く判る。」

「って私とアンタは同一人物なんだから解って当然でしょうに。

 ツヴァイなら安心して任せられるわね、ああ驚いた。」

「だってねぇ、トライに室内任せるとさぁ、洗い物させれば食器ゴッソリ割るわ、洗ってた筈のフォークがどうやったらそうなるのか知れないけど壁に刺さってるわ、ゴキブリ出たってパニックしてボヤ騒ぎ起こすわで、ねぇ・・・」

 あ、本体の表情が、呆れてんの通り越して恐れすら抱いてる・・・これマジなやっちゃ。

「じゃあ私はマリイに会いに行って来る~。」

 誤魔化し気味にマリイの元へ走る私でした。

 玄関で靴を脱いで居る所に、勢いよく走って出て来たMKⅣと激突した。

 痛えぞコラ。

「凄いよ! 見つかったよ! 新しいオリハルコンの用途!!!」

「痛いじゃん! 何やってんのよMKⅣ!」

「ん? ああ御免MKⅢ・・・ん? 何で居るの?」

「あのね、私は旅先で素敵な物貰ったから届けに来たの!

 で、今はマリイに会いたくて靴脱いでたらアンタに激突されたの!」

「ああ、ごめんね~、凄い発見があったのよ~。」

「MKⅣってアレだっけ? オリハルコンを研究中だったっけ?」

「そう!そうなの! オリハルコン! すっごいのが完成したんだからっ!」

「どんな?」

「透明金属! 従来の透明アモルファス半導体なんか目じゃ無いとんでもない奴! アルミとの合金にして使って、それを無重力状態で圧力が掛からないように加熱すると圧縮されてたオリハルコンが熱膨張を起こして分子構造が極端に密集度が下がって透き通るの!

 従来のアモルファスだと半導体である事で有用だったし使い勝手も良かったのも確かだけど強度が甘かったでしょう?

 半導体的な性能は見込めないけどもアレよりも40倍以上の強度を持った透明金属が完成した訳!

 オリハルコンとアルミだから比重も軽いしこれで航空機とか作ったら透明なボディーで文字通りステルスってとんでもない物が出来る筈!」

 長げえよ台詞・・・

「丁度良かったわ、今からBBQするからね、お外で本体に褒められてなさい。」

「おお~、BBQいいね~、お肉は何?」

「鹿肉、美味しいよ、魔物化した巨大鹿だったから。」

 そんな会話を交わし、マリイの元へ。

「マリイ~、ママ3号だよ~、久しぶり~。」

 抱いていたツヴァイからマリイを受け取り、ほっぺにチューする。

 うん、ムッチャクチャ尊い!

 もうね、この子の為に生きてるって感じ!

 また明日からの旅路にも耐えられる!

 マリイしか勝たん!

 ひとしきりマリイを撫でていると、何故か警戒アラートが電脳から発令された。

 なんじゃぁっ!?

 慌てて外に出ると、本体やMKⅣもこのアラートを正確に認識しようとしていた。

 ああ、これは、崖下の海だね、又トライがなんかやったか・・・

 急いで全員で屋敷の地下の洞窟を抜けて海岸へ出ると、そこには全長50mを超えるデタラメに巨大な黒ナマコと対峙するトライの姿が有った、何してんのこの子・・・

「ふえぇぇぇぇぇ~~~~~、たしゅてけくだしゃい~~~!!!」

 ・・・

 いくらなんでもこれはどうなのよ。

 しゃぁないから応援だけでもしてやろう、私はマリイを抱っこしてるから戦闘には不参加だしな。

「行けっ!トライ! ジャンプして先ずはそのナマコを踵落としで蹴り伏せろ!」

「え?えぇ~、MKⅢ様なんで居るんですか~?」

「んなこたどうでも良いのよ!とっとと指示道理にやりなさい!。」

「か、畏まりましたぁ~~、ふえぇぇぇぇ~~ん!パワハラよぉ~。」

「アンドロイドの分際でパワハラ言うな!とっととしなさい!」

 高く飛び上がったトライが空中で回転し、遠心力で勢いを付けた踵落としをナマコに打ち付ける。

 するとナマコは叩きつけられで、威嚇の内臓吐出しをした。その内臓をアインとツヴァイが引っ張って動きを止めさせる。

「トライ! ライトセイバーを最大出力で起動して真ん中から胴体を前後に切り分けちゃいなさい!」

「ヒぃ~、私の職場は雇用形態がブラックですよ~!」

「人を悪の根源みたいに言うんじゃねぇ!

 何処がブラック企業だ何処が!

 良いからとっとと実行!」

「はいぃ~~~~~!!!」

 真っ二つにされた黒ナマコは、前部を残して後部だけで海中に逃げようとするも、回り込んでいたMKⅣに阻止された。

 そして本体のエリーはと言うと、後部のナマコの腹の中に残っていた卵巣部をせっせとストレージに仕舞って居る、なんか鼻歌謳ってるし。

 むっちゃ嬉しそう・・・

「こっのっわたっ♬ こっのっわたっ♪」

 流石の食いしん坊キャラである、本体らしい・・・

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