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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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旅路にて。1

 旅路にて。1

 -エリーmkⅢ-

 やれやれだわ、全く、ほんの一瞬だけ後出しして、なんて考えるんじゃ無かった。

 私はエリーの並列存在2体目だ。

 3体目の私は、本体と一緒にマリイのお世話と研究に夢中だ。

 1体目はアレはアレで良いんじゃ無いかと思うよ、カーマインファンレイの艦長なんて役回りで、本体が作った無脳義体で別人に成って楽しそうにやってるみたいだし。

 私だけ残念な状況になってるんだよ。

 何がって、そもそもの始まりは、本体が、この大陸も探索したい、冒険者としての名声も少しでもあげておきたいなんて言い出して、私と3体目を出して、ジャンケンで決めようなんて言い出したんだ。

 で、私はむしろマリイのお世話をしたくて、意地でも勝ちたかった、だから、判んねえだろうとほんの一瞬だけ後出しして勝った。

 所がそれを、一瞬で本体に見抜かれたんだよ。

 考えればそうだよな、私と3体目はさ、本体の並列存在、所謂コピーだ。

 当然と言えば当然で、コピーの私達は、生体部分はコピーされてるけど本体は電脳化してるんだから、ほんの一瞬なんて思って後出しなんかしたら速攻でバレるんじゃん・・・

 その辺何も考えて無かった・・・

 後出しで勝った私が負けと言う事に成って、選ぶ権利が無くなった。

 当然最大の肉体労働が私の当番に成る。

 この大陸の探索なんつう、一番の汚れ仕事が私に巡って来る、しかも一人で出かけなきゃなんないから、誰とも交代が出来ないと言う最低の縛りが課せられる。

 後出しなんかするんじゃ無かった。

 でも、それも私自身の愚かさが招いた結果だから受け入れるしかない、と言う事で、私は今、冒険の旅路である。

 まぁでも、悪い話だけでは無くて、一人寂しく冒険に出るのに本体と連絡が取れないのは非常に色々と面倒がてんこ盛りになると言う事で、私にだけは電脳化ナノマシンを付けて貰った。

 1体目は、電脳化せずとも、ファム経由でいくらでも連絡取り放題だもんね、私だけ電脳化出来てる訳、で、正直この電脳化をして貰って居なかったら既に死んでるなと、自分自身つくづく思う。

 手始めに、私は東側から攻める事にした。

 しかしその度自体が出鼻を挫かれる程度には最悪だったんだよ、なんたってさ、いきなり旅初めて初回から現れたモンスターがスライム。

 スライムって、古のRPG、ドラ〇ンクエストの初めから出て来るざこモンでは無いのだ。

 あんな丸い姿で可愛らしく出て来ねぇし、武器は溶かす、鎧も溶かす、服迄溶かしてくる最悪な嫌悪対象だ。

 しかも、何にでも擬態出来るって言う便利な技を持って居るのだ。

 それも、スキルとしてではなく、特技として持って居る為に、マナを使わない、つまりは一切マナを放出せずにメタモルフォーゼしてしまう。

 要するに魔素を使用したり保有したりして居れば魔素感知能力でその存在を確認する事が出来るが、それが出来ない、感知できないのだ、突然出現して襲って来たりする訳だ。

 これ程厄介な事は無いだろう。

 そんなスライムが突如目の前に現れた、だけど、電脳化してある私であれば、魔法が使えるので大した事は無い、魔法で攻撃できさえすれば、溶かされる剣や槍も必要ないからね。

 溶かされるの解っててわざわざスライムに武器突き立てて核を砕かねばならない事は無いのだ。

 なので武器を必要としないで攻撃が出来る魔法はとてもスライム戦では重要だ、つまり今の私ならば楽勝。

「ファイアボール。」

 これだけで片が付く。

 それにしても初めに出て来るのがこんな、討伐難易度の高い魔物であった事がこの度の行く末を現わしてそうで面倒。

 ネームドのドラゴンなんか出て来ちゃったりしないか心配に成って来た。

 そんな事を思いつつ、奥の細道みたいな陸奥街道を進んで行くと、何やら不穏な声が聞こえて来ちゃった、やっぱなぁ、イヤな予感は概ね当たるんだ、面倒事じゃなきゃ良いけど・・・

「お助け!何方かお助け下され!」

 女性の助けを求める声だ、助けない訳には行かないよね。

「どうしました?」

「お助け下さい、夫婦で旅をして居る者ですが、夫が、夫が!」

「落ち着いて、旦那さんがどうされたんですか?」

「小用をと道を外れたところ、どうもオオカミの縄張りに踏み入れてしまったらしく、嚙み付かれて・・・」

「判りました、すぐに治療しましょう、何方ですか?」

「貴方はお医者様ですか?」

「ええ、すぐ見ますので、案内をよろしくお願いします。」

 女性の後を着いて行くと、腕を食いちぎられていて、左腕が肘から先がすっかり消え失せている、失血もかなりだ。

「これはいけない、すぐに治療します。」

 患部を触って手に付着したDNAを解析、そして、その情報を元に構築した治療魔法で腕を再生させる。

 その為に、膨大なエネルギーが必要となるので、複数本のSP回復薬を奥さんに渡し、飲ませて貰うように指示する。

「では、治療の術式を開始します。

 少しづつ、その薬を飲ませ続けて下さいね、スタミナ回復剤と増血剤の混合薬です。」

「は・・・はい!」

「では、始めます。

 骨格再生・・・筋肉再生・・・皮膚形成・・・」

 完全治療魔法、本体が私に託した、完成したばかりの術式、まさかこんな序盤で使う事に成るとは思わなかったが。

 患部付近が、闇魔法としての黒い霧のような魔素で覆われ、患部が急速な再生反応で輝いて居るかのように見える。

 これが、究極の医療魔法、リザレクションか、オリジナルエリーってやっぱスゲーな、自分自身ながら尊敬するわ・・・結局自画自賛でしか無いけど。

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