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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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番外編8.ジ・アース、京へ向けて

 番外編8.ジ・アース、京へ向けて

 番外編7の続きです。

「それでは、京とか言う所へ行くには、東海道と言う街道か、中山道と言う登山道の何方かを行くしか無いと言う事だな?」

「そう言う事に成る、この地の地図は高価で、拙者でも持ち合わせて居らんのでな、その道を行けば良いと言うだけしか情報が無いのだ。」

「判った、では、折角なので魔物を狩りながら中山道とやらを行くとしよう。」

 俺達、ジ・アースは、ギルドからの仕事を達成する為に、京と言う所の探索者組合へ行かねば成らなくなった。

 そして、この宇都宮支部の柳沢殿よりどう行けば良いのかの情報を聞いて居たのだ。

 一応、年の功でこう言った雑務はカイエンさんがやってくれている。

 お陰で俺は大分助けられて居る。

「じゃあ、行くか、支度はもう出来てるんだろ?」

「ああ、雑務サンキューね、カイエンさん、助かってるよ。」

「なぁに、お互い様だ、キースにはチームの統率して貰ってるからな、いかんせん、妻位までなら良いが、若い女の子の扱いは難しい、家の娘含めてな。」

「なんか、その口振りだと俺が女の扱いが上手いみてぇに聞こえるけど、そんな事無いぜ?

 クリスの事もさんざん待たせちまった、優柔不断らしいよ、エリーに言わせると。」

 そんな他愛もない会話をしながら、街の外へ出ようとしたところ、警備の者達がざわざわと騒いで居る。

「何だ、どうかしたのか?」

 と、声を掛けながら、その原因が見えてしまってちょっと申し訳ない気になってしまった。

 クリムゾンスパイダーが追い付いて来て居たのだった。

「はぁ、こんなことしないで良いって言うのに、エリーはどうも過保護だな。」

「全く、私達の為に成らないとか言っといてこれなんだもん、エリーは本当にどこまで行ってもエリーよね。」

「でもスパイダーについてるお風呂とか寝室とかはとってもありがたいですよね、エリーさんにはそう言う意味では感謝かも知れません。」

「そうねぇ~、エリーちゃんならこの子達の権限私達に譲渡するんじゃ無いかと思ってたけど、思った通りだわぁ~。」

「まぁ、今はこの状況を何とかするのが先だろう、警備の番屋の連中が遠巻きに囲みかけてる、奴らが怪我する前に停めるぞ。」

「ああ~、そういやそうだったな、防衛機構が有るから攻撃されると反撃するっつってたもんな。」

 俺達は小走りに成りながら。

「すまん、そいつらは俺達の従魔だ、下手に攻撃すると反撃されて痛い目を見るから手を出さんでくれ。」

 と言って近づいた。

 すると、中に一人だけ、これが何かを正確に理解して居る者が居た。

「この多脚戦車はお主らの物と言う事で宜しいか?

 実に素晴らしい造形で御座るな~、拙者に趣味の一品として一機譲って欲しいものじゃな~。」

「何だ兄さん、こいつが何か知ってるんだな。」

「勿論じゃ、俺はこう言うのを前世のアニメと言う奴で見ていたからな、実際に現物を見たのは初めてで御座るが。」

「あらぁ~、貴方ってもしかして、2000年代辺りで生きてた人なのぉ~?」

「左様で御座る、姉さん方もで御座るか?」

「えっとねぇ~、私だけ前世の記憶が有るのよぉ~。」

「するとこれは姉さんがお造りに成られたのか?」

「流石に私には作れないわぁ~、エリーちゃんって言う賢者様が作ったのよ~。」

「その方は何処へ行ったらお会い出来るので御座るか?」

 何か、大興奮だ。

「ん~、未だあの村から移動して無ければあそこに居るわよねぇ~。」

「教えて下され!拙者も一つ造って頂きたい。」

「私達はぁ~、あの村って名前なんて言うのかしらぁ~、ここから南の方にある漁村よねぇ~?」

「ここから南で御座るか、すると、小湊か霞ケ浦辺りで御座るな、今度行ってみる事にしよう。」

「じゃあ、俺達はもう行って良いか?」

「ああ、道中気を付けよ、とは言え、こんな多脚戦車で移動するなら問題は無かろうがな。」

 と言ってその警備の者は送り出してくれた、あ、せめて名前聞いとくんだったな、電脳でエリーに報告できないじゃん、名前くらい知らないと、ま、いっか。

 俺とクリスは同じ機体で良いんだけどな、1人一機も付けてくれて、エリーも世話焼きが激し過ぎるな、ホント、頭良い癖にそういう所気が利かなくて馬鹿なんだよ、アイツは。

 脳内でそんな文句を考えつつも、クリムゾンスパイダーに搭乗し、西へと走りだした俺達は、山越の中山道とやらに辿り着いた。

「これが中山道で良いんだよな?

 スペード、検索してくれ。」

 あ、スペードと言うのは、エリーから教わったクリムゾンスパイダーの共用AIマザーコンピューターの名前だ。

 サーバーと言うのがエリーの一号機に搭載されて居て、それを共有してネットワークを構築して居るそうだ。

 俺も言ってて半分位しか意味が解って居ないんだけど、電脳のお陰で最近少しづつ理解し始めている、いつかこう言う説明が自分で出来る程の知識が自分の物になるのだろうか。

 最近は少しづつ、電脳からその知識を勉強して居るんだけど、自分の脳内に知らない知識が眠って居る感覚で、それを掘り起こすと言うかサルべージする感覚なんだよ、不思議だ。

 何でこう言う知識を一気に理解出来るようにしないのかって言うと、あんまり急に記憶領域に情報を詰め込み過ぎると、壊れるって言ってたな、エリーが・・・そうなるのも怖いので徐々に勉強している。

 検索が終わったらしく、この道が中山道である事が判明した、それにしてもスパイダーが通るには少し狭いか?

 そうなると、スパイダーは独自に移動させる事にして、皆でバイクで移動する方が良いかも知れない。

「皆聞いてくれ、少し道が狭い、全員バイクで移動して、スパイダー達には自力で着いて来るように指示を出しておいた方が良いような気がする、どう思う?」

 無線で連絡すると、全員一致で同じ意見だった、バイクで出る事にしよう。

「スペード、俺達全員、バイクでこの街道に沿って移動する、自力で追いかけて来てくれ、くれぐれも人に迷惑の掛からないように、光学迷彩も忘れるな。」

『了解しました、マスターキース。

 各機に通達します。』

 格納庫からバイクに跨り、スパイダーを降りる。

 全員既に揃って居るようだ。

「よし、じゃあ、行こうか。」

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