表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険、創作、情報収集
12/359

冒険者エリー1

  冒険者エリー1

 昨日、彼らには世話になりっぱなしだった私は、少しでも早く借りた宿代だけでもお返ししようと、早めに起きてギルドへと向かった。

 まあ、冒険者なんて多分だけど何処の世界だってクエスト早いもん勝ちとか言って無駄に早起きな奴が多いんだろうけどね。

 ギルドの戸を開けると、もう賑やかだった、ってかオメー等もしかして夜からずっと酒盛りしてる組かよ!

 どうかしてるね、こいつら。

「あ、エリーさん、お早いですね。」

 昨日私の登録してくれた受付嬢のサリーだった、いつ寝てんのこの子・・・

 あ、昼夜逆転ってやつかな?

 じゃあ昼頃にクエスト済ませて戻って来たらきっと違う子だよね。

「おはよー、借りてる宿代返さなきゃだからね~。」

「そうですか、それじゃこの辺がお勧めですよ、割と単純な採集依頼ですけど、割と報酬は高めなんですよ。」

「ラッキー、早く来た甲斐があったね。」

「ただ、ちょっとだけ鮮度を重要視しているんですが、平気ですか?」

「楽勝でしょ、任せて。」

 私には昨晩に作った鑑定のスキルと、無限のストレージが有る、それも亜空間を利用してるから時間が停止するオマケ付きだ。

 摘んでから10年経とうと新鮮そのもの、ふっふっふ。

 これぞ異世界転生お約束のチートスキルと言うものよ。

 転生してしまったからには仕方ないので思うがままに寿命を全うしよう! なんつって。

 私はそう簡単に死ぬつもりも無いんだよね、この世界でも全身義体作って長生きするんだ。

 しかしどうしてだろう、長く生きてあまり感情が揺れる事がなくなって居た私が、若い体を手に入れてしまったら精神が肉体に引っ張られてるみたいで、妙に感情が揺れる、なんだかすっげー楽しいんだよね。

「じゃあ、行ってきます。」

 受けた依頼は薬草の採集と言う事なんだけど、私が昔読み漁ったラノベなどの記憶の異世界とは少し違うみたいで、薬草と言っても、精製したところで軟膏みたいに成るらしくて、飲んだら傷が治るとかは無いみたい、むしろその辺りも現実的に今まで生きて来た世界と一緒で、瞬時に傷が癒える事は無い。

 つまり、薬師のクリスちゃんがキース君に飲ませて居たのは痛み止めで、塗ってたのは消毒液と止血剤、帰ってから傷薬を調合して塗るらしい、そして完治まで凡そ一週間は掛かるっぽい。

 薬師の他に医師って職業もありそうだな、これは・・・

 そんな考えを巡らせながら出発すると、背後から声を掛けられた。

「よう、俺が手伝ってやろうか?お嬢ちゃん。」

 確かに宿屋の姿見でしげしげと眺めた私の姿は15歳位の日本人タイプ、白人タイプの人々が多いこの国(世界?)では若く見られがちだと思うけど、15歳にもなろうと言うこの美少女に向かってお嬢ちゃん?ちゃんは無いだろちゃんは。

 と言う事できっと私の事じゃない、スルーしよう、私じゃない私じゃない。

「おい!無視してんじゃねーよ!」

 と、いきなり前に回って来た、やっぱ私の事だったか、うっせーなこいつ。

「あ、私のこと?

 お嬢ちゃんだなんて子供扱いしないで頂けますか?

 貴方が思うほど子供じゃ無いのだけど?」

「あぁ?

 なに言っちゃってんのこのお子様は、じゃあ一体幾つなんだよ、え?」

「そうだな、記憶の限りだと、734歳かな。」

「ぶ! ぎゃはははははは!!」

 なんか爆笑されたし。

「やっぱりハイエルフ様?」

 背後にいつの間にかザイン君が居た・・・ハイエルフ違うってば。

「ハイエルフ様に敵対する、許さない。」

 ザイン君が絡んできた名も知らぬ冒険者をボコボコにして居る間にその場を離れる事にした。

「とにかく私は子供じゃ無いし、知らない人に付いて行っちゃダメなのでこれで失礼しますね~。」

 と言っていそいそと採集に向かったのだった。

 薬草を採集してみて判った事が有る。

 薬草と言われて居る物と、ただの雑草の一種である所の、地球にもあるナズナ、所謂春の七草のあれだが、別名ぺンペン草と言われる奴、そして痛み止めの原料となる痛みを緩和する麻酔成分を含む根治草と言われる物のDNAは完全に同じ物だったのだ。

 外見もまるっきり別物になって居るが、その大きな違いは外見と、取り込んで居る魔素の量だった。

 魔素をほぼ取り込んで居ないのが只のナズナで、そこそこ取り込んで居るのを薬草と言っているようだ、そして魔素量をかなり取り込んだ物が根治草となって居た、見た目も丸で別物だが、これはどう言う事なんだろう?

 もしかすると他の雑草にも魔素を与えたら同じように姿も変異して違う薬の原料の草になるとか?

 兎に角一度詳しく検査してみる必要が有りそうだ。

 そのうち他の雑草とかも試してみよう、うん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ