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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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出会いと、別れ?

 出会いと、別れ?

「お姉さま、お供の方々、此方がこの街の市場街ですわ。」

 この言葉に、クリスが少しイラっとして小声で訴えて来た。

「ねぇ、エリー、この娘ちょっとムカつくんだけど、迎えに行ってやったの私とキースだってのに、お供って何よお供って。」

「まぁ、そんな怒らないで聞き流してやれ、私は私で張り着かれてクッソめんどくせえんだから、それとどっちが良い?」

「う~ん・・・確かにそれはウッザイと思う。」

「だろう?私としては本当はとっとと撒いてドロンしたいんだよ、私も我慢してるんだから理解してくれ。」

「エリーがそう言うんじゃ仕方ないわ、我慢しましょう。」

「すまんね、ありがとうね。」

「エリーがありがとうって言った!」

「お前らに助けて貰った時にだって言ったろうに、私はちゃんと礼儀は通すってば。」

「ははは、冗談冗談、むしろ私達の方が今じゃエリーにお世話になってるから、こっちばっかりありがとうって言ってるみたいな気がしただけ。」

「思えばこの半年余りで色々あったな。」

「そうね、戦争に参加しちゃったりもしたもんね。」

「本来私は、戦争は反対なんだけどね。」

「エリーの口からそんな言葉が聞けるとは思わなかった~。」

「それはまるで私が死の商人かなんかのような口ぶりじゃないか。」

「違ったっけ?」

「お前なぁ、確かに私は、こっちに転生してくる前も宇宙空間で戦争する為の武器作ってたけどさ、本来は私自身の身を守る為の物しか作りたく無かったんだぞ、武器なんて。」

「じゃあどうしてそんな武器沢山作ってたの?」

「それこそ私自身を守る為、私の子孫達を守るためだ。」

「ん? それで何であんな強力な武器が必要だったの?」

「始めは世界中が敵だった、宇宙に出てからは、私の所属して居る連邦に所属する事を拒否して独立した奴らが私を狙って戦争を引き起こしたんだ、ほらな?私を守る為だろう?」

「はぁ、要するに、エリーは元の世界でも規格外だったって事なのね。」

「それは私が化け物と言いたいの?」

「ある意味そうなのかもね。」

「まぁ、でもそうだな、否定はしないさ、700年以上も生き永らえたのは私だけだったしな。」

「それは何でエリーだけだったの?」

「私は、私の娘を守ってやれなかった、人任せにするしか無かったんだ、そして、やっと娘の所在を突き止めた時には、私の手は汚れ過ぎてた。

 親しい人々を殺されたからと言って、報復をするも、その手段が悪かった、大量虐殺でしか無かったのだから。

 娘をこの手で抱いてやりたくても出来なかった、私にその資格は無かった。

 でもやっぱり唯一の血を分けた肉親だった娘を、その子達を守りたかった。

 私は・・・孫やその子孫は守りたかったんだ、それだけ。

 まぁ、この話は長くなるからまた今度な?」

「エリー・・・」

「何辛気臭い顔してんの、ほら今はこの街を楽しもう、ね?」

「今度、本当に聞かせてよ、私で助けになるかは判んないけど、全力で受け止めるからさ。」

「ん、ありがとね。」

 少し前を歩いているオーブが突然声を上げた。

「にゃ!? にゃんで此処に居るのにゃ?兄弟子ぃ~~!」

「兄弟子だと?私は男を弟子にした記憶は無いぞ、女も無いけど。」

 振り返った人物、それは何だかすっごく危険な香りを醸し出していた。

 第一印象は、違和感の塊。

 筋肉達磨、むしろゴリラ、そしてその2mを超えるのでは無いかと言う体躯に見合わない、可愛らしい筈の衣服。

 そして、ツインテールに結んだサラサラヘアー・・・

 振り返るその顔には、青々とした髭の剃り跡・・・

 しかも、似て居るのが誰かと問われたら私は、迷わずこう答えるだろう・・・「ラ〇ウ」

 拳握りしめた腕を上に掲げて「我が人生に・・・」ってセリフ言って欲しいと思うほど。

 それが何故か、純白のワンピースに身を包み、鍔の広い白い帽子をそのデカイ頭部にチョンと乗せてその場に佇んでオーブを見下ろして居た。

 ムッチャクチャ違和感しかねぇ、何だこのヤヴァイ人・・・

 その人物は、猫を目視確認すると、その野太い声でこう答えたのだった。

「あらぁ~、うちの猫ちゃんじゃ無いのぉ~、こんな所で会うなんて偶然ねぇ~、でも・・・・

 兄弟子って言うなって言ってんだろこのクソ猫ぉ~!

 姉弟子だって何度も言ってんだろ?あぁぁ~~~??!!」

 胸座を掴まれてブラーンと吊るされる形で青い顔をして固まるオーブ。

 うんこれはあれだ、関わらない様にしよう。

 素通りしようとするも、脇をすり抜けようとした時に、少し高い所からオーブに襟を掴まれてしまった。

「ちょ!辞めなさい!オーブ放せ~!」

「し・・・師匠、たしけて・・・」

「師匠じゃねぇから~!」

「あら、この可愛らしい子は何方?」

 やべ、ワンピースゴリラに目を付けられた・・・

 あ!こらクリス!逃げるな~!

 終わった・・・シクシク

 関わりたく無かったのにぃ~。

 吊るされた状態のまま手を離されて落ちる猫、ベチャッて落ちるなよ、仮にも猫だろうに。

 スタって降りるだろ猫なら普通。

「兄弟子、紹介するにゃ、兄弟子の背後に逃げて行ったのが今の姉弟子のクリスで、この人は今の師匠でエリーですニャ、二人ともムッチャクチャ強いのにゃ!」

 その紹介辞めて貰えますか?オーブさん・・・後でシメたろ。

「あらまぁ~、このボンクラ猫がお世話になってるのねぇ~、阿保だから騙されて奴隷になってたりしてたから心配してたけど、優しそうな人に飼われてて良かったわ~。」

 飼い猫レベルかよっ!

「あ、自己紹介が遅れました、私は、このオーブの元兄弟子で、現アームストロング流拳闘術師範、拳神の称号を頂いた、ルイ・アームストロングよ、よろしくね。」

 え、ルイ・アームストロングってあのアポロの人じゃねぇの?

 ってか、アームストロングと言うと何故かこういうムキムキゴリラばっかりなのはデフォルトなのかな、実際そんなの出て来ちゃってるしな・・・

 もうね、ここまで来るとヤヴァイ匂いしかして来ないよね・・・

 仕方ない、こうなったら出たとこ勝負だ。

「初めまして、私は錬金術師で冒険者のエリー、あっちに居るのが私の弟子で聖女のクリス、それとこっちが私の一番弟子の精霊召喚魔術師のザインね、んで、この大剣二本下げたのがクリスの良い人のキースでこの夫婦が元勇者で今は私のボディーガードのカイエンとマカンヌ、それにカイエン夫婦の娘のカレイラちゃんね、よろしく。」

 こうなったらヤケじゃ、撒き込んだる!

 ルイさんは、その太くてリーチのあるクレーンのような腕でクリスを捕らえて襟を掴んでひょいっと持ち上げて私の隣に置く。

「此方こそよろしくねぇ~。 オーブの言う通り、お二人とも隙が無くて強そうね、一度お手合わせ願えるかしら?」

 いきなりそう来るかよ! 戦闘狂か?ヤベェなこのおネェゴリラ。

 クリスはと言うと、誰とも目を合わせないように斜め下の地面を見つめて佇んで居た。

「そうねぇ、お姉さんみたいなタイプの人は一度手合わせして見たいとは思うんだけどね、今日はちょっと予定が山積みなので次回と言う事で良いかな?」

「あら、残念だわ~、じゃあ、次に会った時にはお願いするわねん。」

 と言って、すっげぇ不器用なウインクされた。

 で、なんか意気投合みたいな状況が生まれてしまい、少しだけと雑談をしていると、猫にぶつかって来た奴がいた。

 少し前から後を着けて来て居た黒尽くめの服を着た二人組の内の片割れの奴だ。

「おっとごめんよ。」

 オーブは気が付いて居ないが、しっかりオーブの金子を掏った。

「おっちゃん気を付けるにゃ。」

 お前は拳聖の癖に何でこんなのに気が付かないかな?

 私はとっさに、足を掛けて転ばせる事にした。

「あっと、おじさんごめんね~。」

 と言いつつ、オーブの金子を掏り返す事に成功した。

「オーブ、ほら、ちゃんと仕舞っとかないと取られちゃうぞ。」

 と言って金子を投げてやる。

「にゃ?にゃんで師匠が持ってるにゃ?」

「あっ!お前俺から掏ったのか?」

「おっさんがオーブから掏る瞬間見ちゃったからねぇ、掏り返させて頂きました。」

 と言うやり取りをしている隅から、私のお財布を狙ってもう一人がぶつかって来たのでぶつかられる前にひらりとかわしてやった。

「く、小娘なかなか出来るな?」

「何だお前ら、さっきから後着けてたろ?」

「ふ、そこまでバレていたか、聞いて驚け、俺達は」

「「ブラックブラザーズ!」」

「あ、そう、で、そのブラブラが一体何だって私のお財布狙ったりしちゃった訳?」

「ブラブラじゃないっ!ブラックブラザーズ!」

「そんなもん知らんがな、取り合えずお前ら警察に突き出すのでよろしく。」

 そんなやり取りをして居る傍ら、オーブの方はオーブの方で修羅場になってるみたい。

「オーブちゃんっ! あんた! 最近鍛錬をさぼってるわねっ!?

 こんなスリなんかを気付かないなんてっ! いいわっ!私が鍛え治してあげるっ!」

「師匠助けてぇ~!」

「おまえは本当に鍛え治して貰え~、達者でな~。」

「あら、いいの? ンじゃこの子連れて行くわね~。」

「ビッシバシ鍛え治してやって~。 ルイさんまたね~。」

「「俺達ほったらかしかよっ!」」

「って今の隙に逃げなかったの?お前ら・・・バカぁ?」

「「あ・・・・」」

「まぁ逃がす気も無いけどね。 で?逃げなかったって事は何か用なの?ブラブラさん。」

「「だからブラブラじゃない!!」」

「そんなブラブラいつまでも遊んだりしてるからろくな大人にならないんだよ?おじさんたち。

 何なら仕事紹介してあげようか?」

「だからブラブラじゃ無いしブラブラしてた訳じゃ無い!」

「ん~、めんどくさいなぁ~、大人しくお縄についてくれさえすれば良いのにまだ何か用なの?」

「って言いながら縛るのやめろ!」

 背後から近づいたマカンヌが得意の緊縛術で相変わらずちょっとアレな縛り方で縛り上げていた。

「うふふふふ、バレちゃったぁ~?」

 イヤばれるとかそう言う問題じゃ無いと思うんだけど。

「やめろ、まだ何も取って無いんだからなっ!」

「えぇ~、取り返されただけでオーブの取ったよねぇ?」

「馬鹿ッ!俺はまだ何も取って無い!」

「そっちは私から取ろうとして阻止されただけでしょ?」

「でも未だ取って無い~!」

 我儘な子供かっ!

 と、そうこうしている内に警備兵と言うか、この街には警察官がいる、それがやって来た。

「何事だ?」

 声を掛けられて、それまでビビッて隠れていたパトリシアが事情説明を始めた。

「あ、警察の方、この者達が私の連れの金子を掏って逃げようとしたので捕縛いたしました、逮捕して下さいな。」

「これはパトリシア様では無いですか、隣国のご令嬢に無礼な振る舞いを働くとは、こ奴らは厳罰に致す事にします、おい、連れて行け!」

「お前!小娘!覚えとけよ~!」

 何か知らんが私に向かって怒鳴りながら連れて行かれた。

 しかし、流石友好領主の令嬢だわ、警察にまで顔が利くとはね。

「お姉様、御無事で何よりですわ、でも流石お姉様です、いとも簡単に族をお捕えになるなんて。」

 いや、私は足止めしただけで実際捕縛したのはマカンヌなんだけど。

「さぁ、変なへっぽこ盗賊も捕まった事だし、余計な時間使っちゃったけど案内して貰えるかな?パトリシア。」

「勿論ですわ、お姉様。」

 さぁ、市場街を楽しむぞ~。

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