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宇宙戦争時代の科学者、異世界へ転生する【創世の大賢者】  作者: 赤い獅子舞のチャア(実際の人物及び団体とは一切関係ありません)
冒険の旅

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オーガよりサーペント

 オーガよりサーペント

 ヘリで村を目指すが、ものの10分ほどで湖が見えて来た。

 そして湖畔に小さな村が、ここで間違い無いだろう。

 湖畔にヘリの降りるのに十分なスペースを探し、着陸を試みようと思ったが、都合良く村のすぐ脇辺りに良い更地が見つかった。

 特に畑と言う訳でもなさそうなので其処へ着陸する事にした。

 多分、この場所は今湖に浮いて居る漁に使うのであろう小舟を嵐から守る為に引き上げて置いておくスペースなのだろう。

 村の脇にこんな物が降りて来た事で、村の人々が驚いて出て来た。

「こんにちは、依頼を受けた冒険者で、エリーと言います。」

 ガヤガヤと驚きと困惑と安堵の声が入り混じって聞こえる、どうでも良いから挨拶した私を放って置かないで欲しいのだけど・・・

「あのぉ、詳しいお話を聞きたいのですけど。」

 ガヤガヤと喧騒は終わらない・・・

 ブチッ

「うっせーんだよコラぁ! テメェらが依頼したんだろうが、あぁ??!!!

 とっとと詳しい話が出来る奴出て来て教えろっつってんだよ!」

 M19ボディーガードスペシャルを空に向けて一発、発砲したうえで、つい怒鳴ってしまった。

 まさかこんな使い方をする為に作ったつもりでは無かったんだけどなぁ。

「ああ、これは申し訳ありませんでした、あまりにも奇妙な物が降りて来たもので皆混乱して居るのです。」

「成程、それは失礼した、これは空を飛ぶ乗り物で、私は貴方がたの依頼を受けた冒険者、詳しいお話を聞きたい。」

「すみませんでした、村長の屋敷へご案内いたします。」

 -------------

 成程、10日ほど前からオーガが湖の周りに現れるようになり、それと時期を同じくして村の資金源を含むライフラインと言える湖が濁った水で汚染されたと言う事らしい。

 これだけの規模の湖がたった10日でこんなに濁ってしまう、むしろ完全に毒の沼と化して居ると言うのならば、これはオーガだけでは無い気がして来たぞ。

 とりあえずオーガをせん滅して見たら何かわかるかも知れないな。

「それじゃあ、私は早速、手始めにオーガをせん滅しに行って来る。」

 そう言い残して、アタックヘリに搭乗、ナノマシンデータリンクレーダーでオーガを索敵、ガトリング斉射を始める。

「一体、二体、三体、・・・八体・・・14・・・15。」

 ガトリングのオーバーヒートで15体までしか殺れなかった。

 仕方が無いので、ロケットランチャーを使おうかと一瞬思ったのだが、それだと周囲の森林が焼けてしまう、環境破壊、イクナイ。

 仕方が無いので、炙り出す為に湖の水面ギリギリをホバリングしておびき寄せる事にした、ついでに撒き上がった水滴で少しでも早くガトリングガンが早く復旧する事を祈りつつ。

 が、誘き出されたのはオーガでは無かった。突如として真下から何かが上がって来たのだ、警報が鳴ったので慌てて急上昇をすると、それは、10mは有ろうかという巨大な亜竜、サーペントだった。

 あんなに巨大になるものなのかと少々驚きつつ、旋回し、ありったけのロケット弾を撃ち込む。

 流石に魔素を込めた魔力弾だけあって効いて居るようだ。

 更に、冷却が済んだばかりのガトリングを斉射しつつ、ミサイルもありったけ全弾撃ち込むと、ようやく倒すに至った。

 湖畔にヘリを降ろし、サーペントの死体をストレージに回収、オーガ15体も収納するも、残りのオーガが私に向かって突撃を仕掛けて来た。

 でもそれは多分、仲間の死体をストレージにしまった私を敵と見なしたからだと思う。

 めんどくさいので光魔法、ホーリーレイで纏めて風穴を開けてやった。

 恐らく、オーガたちはサーペントによって操られて居たのだろう、とっさに鑑定したサーペントのスキルには、傀儡使いと言うスキルが有ったからな。

 こうして全ての問題になって居る魔物の討伐は終わった。

 サーペントはポイズンサーペントと言うユニーク種だった。

 で、だ、問題はこの湖のサーペントの毒で汚染した厄介な水なのだが・・・試しに、解毒草に変化する雑草、ハコベ、可笑しなことに、ハコベとは、ハコベラ、つまり、薬草に変化するナズナと同じ、”春の七草”の一つに数えられる雑草だ、食べられるのだ。

 って言うか、正月に酒飲み過ぎて荒れた胃腸を癒す薬膳となるとされている。

 強ち薬膳って間違って居なかったのかも知れないと再認識したものだ。

 そのハコベに、魔素を集めて変化をもらたして行ったら、もしかすると毒事態を浄化するような薬が作れるかも知れないと考えた私は、トリーシアを召喚する事にした。

 今はマナチャージが有るからこの間のような酷い事には成らないだろう、かなり持ってかれそうだけど・・・

 そして、トリーシアにある程度の多めのハコベを召喚させ魔素を与え続けさせ、進化を与え続ける。

 私の作ったこの世界の毒消し薬、その材料の毒消し草を通り過ぎた後、その5倍程の魔素を与え続けた結果、やはり最終進化と言える進化が現れた。

 ハコベは、最終的に、緑色の強い光を湛えた、浄化草と言う物に変化した。

 私の足元一面にそれが広がって居る、それを一旦ストレージに回収し、魔力の回復に勤めながらトリーシアを下げる。

 そして、取り出した浄化草を錬成し、出来上がった液体の全てを湖へと投下した。

 私の計算では、この量の浄化薬が有れば湖の浄化は可能だと思うのだが・・・

 しばらく様子を見て居ると、浄化薬を投下した湖の中心部から、徐々に水の色が澄んで行くのが判った。

 そして、私の足元である湖畔の端まで、浄化が完了した、これは完全に浄化出来た事を指して居た。

 湖の浄化も済んだ事だし、依頼達成の報告でもしとこう。

「戻ったよ、オーガの討伐、終了です。」

「物見櫓から見ておりましたが、あの巨大な魔物はいったい?」

「あら、見てたんだ。

 あれはサーペントだったんだけど、湖の汚染の原因はあっちだったみたい。

 どうもオーガ達はあのサーペントに操られて湖に誰も近づけないように警備兵みたいにされてたっぽいよ。」

「それじゃあ・・・災害級の魔物のサーペントが元凶なら、こんな依頼C級でなくてA級だったって事じゃ無いですか!

 そんな依頼料、無理です、御支払い出来ません、村がつぶれてしまいます。」

「ああ、そこは心配しないで良いよ、サーペントの素材なんてそうそう手に入る物じゃ無いし、高く売れるからね、それに、元々私はこの依頼をお受けして無い、依頼はギルドからキャンセル受領の連絡が来るはずだから。」

「え?

 まさか、君は何で来てくれたんです?」

「私は今ね、食材を探して旅してるんだ、ここの湖の特産品のシジミが食べられなくなるのが許せなかったから来た、それだけ。」

「ええ~?それだけで助けに来てくれたんですか?」

「うん、良いじゃん、シジミの味噌汁美味しいわよ?」

「あの、味噌汁と言うのは?」

 そうだった、この地域には味噌は普及して居ないんだよね。

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