~舞の九・結~
(オリヴィアァ! 腕だけで剣を振るなぁ!)
「は、はいーーー!」
2人は自分達が目指す剣を見い出す為、今日も夢中で稽古に励んでいる。
厳しく叱責する側も、涙目で応える側も、どこか楽しげに見えた。
まるで、幼馴染や仲の良い姉妹が戯れているようでもある。
世界は繋がっている。
それは死者の残した怨嗟すらも同様だった。
私が生前に払い切れなかった負の感情。
それは現世に残された者へ、大きな災いとして降り注ぐ。
「あの子」は間に合わなかった。
怨嗟の情は、呪いとして現世に現れ、「あの子」の命を奪った。
全ては私の責任だ。
本来、私に向けられるべき悪意が、行き場を失った悪意が、「あの子」に向けられたのだ。
しかし、私には悲嘆に暮れている暇はなかった。
もう一人の「あの子」にも、その悪意は病として襲い掛かったのだ。
日に日に衰弱する「あの子」に、私は何も出来なかった。
生前、どれ程もてはやされ様とも、今の私に「あの子」を救う力はない。
そう思った。
そんな時、私は気が付いた。
「あの子」が、未だ冥府へは旅立っていないと。
魂だけの存在となった後でも、現世に留まっていると。
しかも、自我を持ったままで。
それは賭けだった。
このまま時が来れば、「あの子」は遠からず死を迎えるだろう。
それは、魂だけとなった「あの子」も同様だ。
しかし、2人が1つになれば……。2人の力が合わされば……。
本来は有り得ない事、そして許されない事だ。
それでも私は賭けに出た。
ただただ、死んで欲しくなかった……。
ほどなくして、「あの子」は一命をとりとめた。
その選択が正しかったのかは分からない。
「あの子」達にすれば、身勝手な行為なのかもしれない。
それでも、私は生きて欲しかった……。
(オリヴィアァ! そんなんで強くなれると思ってんのかぁ!)
「ひぃぃぃいいい!」
(だから顎を引け! 脇をあけるな! 頭を下げるな! 軸はぶらすな! 手首は返すなぁあああ!!!)
「いっぺんに言わないでぇ!!!」
生きていて欲しかった。
私の愛する娘達に……。
ご覧頂き誠にありがとうございます。
切りの良い所で、一度完結とさせていただきました。
切りが良いと言いましても、投げっぱなしで回収していない内容も多々有り、シリーズとして続きを書ければと考えております。
自身、小説家になろう初投稿作品として思い入れも有りますので、ちゃんと纏めたいなと。
手探りで投稿を始めた事も有り、見辛い、分かり辛い、読み辛い等あったかと思います。
それでも最後まで読んで頂けた皆様に、改めて感謝を。
ありがとうございました。




