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団長さん絶句する

この3日間、ずっと団長さんを如何に騙す方法を考えるために費やしていた。

フェイクを見破られないように、ステータス画面をガン見して違和感がない完璧な画面を作り上げる努力は無駄に終わってしまった。

まさかのレベル差のブロックが発動して、ステータス見られる心配がないとは…。

スウィーツ我慢してまで練習していた時間が虚しい。

でも、いつかこの努力がどこかで報われる日が来ると信じておこう、今はステータス見破られなくてよかったと喜んでおこう。

心の中で葛藤を片づけて、団長さんを見れば、団長さんは非常に困っているような表情だった。

「予想外なことになってしまいましたね…。セラ様の自己申告をしていただくしかありませんね。」

最終手段はアナログだった…。

「ステータスを見たところ、私は聖女ではありませんでした。ね、真理奈ちゃん。」

「は、はい。世羅ちゃんは聖女じゃないです。ステータス画面見せ合いっこしましたから間違いないです。」

「なるほど、差し支えなければステータス画面を私に見せていただけますか?」

これは、下手にごまかしたら却ってマズいか。

レベル50な段階でしょうもないフェイクを付けたら嘘ついてるのバレる。

こ、こうなったら!!

「あの、見せるのは構いませんが、私の職業については他言無用でお願いしたいんです。それをお約束いただけなければ見せれません。」

団長さんはなにやら考え、仕方ないなと言った表情で頷いてくれた。

そして、私のステータス画面を呼び出して見せる。

団長さんは見事に固まっていた。

「こ、これは…。」

絶句してるよ、気持ちはわかるけど。

「…1000年前に、世界樹に異常が出た時に世界樹を救うために守り人が選ばれたという記述があります。」

「…つまり、私が呼ばれたのは世界樹に異常が出てる可能性があるということなんでしょうか?」

「いえ、そんな報告は上がっていません。」

…ああ、じゃあレーアのやらかしか。

世界樹に危機来てないのに守り人呼び出したんかい!!

「女神さまの、…世界樹に異常が出ないように守り人として役割を果たせという神託なのかもしれませんね。」

いいえ、あの駄女神にそんな気の利いた神託なんかできませんからね。

でも、それは城から出ていく正当な理由になるし、行方を追われる心配もなくなるかもしれない。

なので、あえて否定しないでおくことにした。

「そういうことならば、セラ様は世界樹を守るために世界樹のもとに行く必要がありますね。」

「わかりました、世界樹の場所を教えていただければ世界樹のもとへ行ってみます。」

無尽蔵魔力なら世界樹まで一瞬で行けるだろうし。

あとは、生活拠点をどうするかを考えないといけないな。

元々城下町で資金稼いでから首都以外で大きい街を拠点にするつもりだったんだけど、世界樹の世話があるなら考え直さないといけないな。

大きな街でテレポートしたら目立つだろうしな…。

「ふむ、転送魔法が使えるなら、世界樹のふもとに家を構えて、媒介を用意して、町の家と繋げばいいかもしれませんね。」

「そ、そんなことできるんですか?それなら、私の部屋とも繋げば、せ、世羅ちゃんといつでも会えるんですよね!?」

真理奈ちゃんが食いついてる。

話を聞けば、ミスリル金属を使った触媒を作れば可能だとのこと。

「真理奈ちゃん、自分の部屋の分は自分で頑張って用意して頂戴。私は私で用意する。それができれば連絡を入れるわ。」

「わ、わかりました!!何とか用意してみます!!」

「連絡については、私宛に魔法レターを飛ばしてください。やり方は教えておきますし、道具もお渡ししておきます。その代わり、私のことはキースとお呼びください。」

「え、でも団長さんを呼び捨てはちょっと…、せめてさん付けで…。」

「いいですよ、慣れたら呼び捨てにして、もっとラフにしゃべってくださいね。」

…私、口説かれてるんだろうか?

いやー、今は美少女とはいえ、さすがにないか。20代半ばのモテるだろうクールビューティーが15歳の小娘を口説くとかあり得ないだろうし。

「わかりました、キースさん、ありがとうございます。」

営業スマイルでお礼を言っておけば大丈夫だろう。

とりあえず、異世界で初めての知り合いゲットだわ。

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