39)トルク歴元年 13月13日 始まりの終わり
「ホサンス様、その節はありがとうございました」
ノックスがルテチアにあるホサンスの執務室にいる。
「なんのことだ」
「服や馬一頭に本を我らの村でも借りられるようにしてくださったことですよ」
「なんだそんなことか。お前の働きに報いただけだ。それよりお前給料はちゃんともらったか?」
「え? あれらが私の給料と思ってましたが?」
「は? なに言ってる。あれは俺からの心づけだ。ただのチップだ。給料は別だぞ」
「あれ?」
「その様子だと貰ってないな。ち、あとでオルジャーノンに言っておく」
「はあ、ありがとうございます」
「お前何日間俺に会ったり書記官に会ったりしてた?」
「日当なんですか?」
ノックスが大いに驚く。
「何言ってるんだ。当たり前だろ。俺からのものは俺の個人資産から出すからなんとでもなるが、給料は各国からのお金を使うからちゃんと記録もせにゃならん」
「ああ、わかりました。一応日記を付けているのであとで調べればわかります」
「でだ。大王にも正式になったし、これからだな」
「そうですね」
「大陸会議をやって国を作る。頼むぞ」
「わかりました。もうここまできたらやけくそですよ。とことんまで付き合いますよ」
「頼もしいな。なにしろ国境沿いでなんか色々とあるらしいからな。またあの要塞都市に行かなければならないかもしれん」
「俺は軍事にはついては完全に素人ですよ」
「心配するな。なんかあっても今回は一緒に来いとは言わん」
ノックスが露骨に安堵している。
「ただまあ、お前もいずれは大陸東部に視察に行ったほうがいいな」
「えええ? またなんでですか?」
「スアドリとかオルジャーノンとかほかの文官は皆東西知っているのにお前だけ東のことを知らなかったら不味いことにそのうちなるぞ」
「う」
「まあ、郵便制度を作って東西の行き来をもっと簡便にしてからでいいから。別に今すぐ行けとは言ってないぞ」
「わかりました」
「よし、じゃあ、今はこのくらいか。雨水のことについてはダゴマロスやオルジャーノンと話してこい」
「では失礼いたします」
ノックスが一礼してホサンスの執務室から出ていく。
ホサンスが新しく書類を取り上げて読み始める。だんだん顔つきが険しくなる。
「クリーニャ!!!!」
大王が吠えた。
終わり。
これで「オークの大王」の本文は終わりです。10万文字を目安になるべく短く、まとまるように書きました。(前作は長さとか何も考えてなかっったので。)
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一応このあと後日談がありますが、本編はこれで終わりです。
また、興味がおありでしたら前作の「オークの賢者」もよろしくお願いいたします。
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