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オークの大王: ローマ式歩兵で世界を統一する  作者: リチャード江藤
第五章 カプロス王朝
34/42

34)ヘルベ歴248年 5月1日 アキタ

 ホサンス率いる大陸軍は海路でアペルからナムネテまで行き、そこからは陸路でアキタを目指した。狼の旗の下集った兵はヘルベ兵が四千、騎兵が五千、シュキア麾下の攻城兵が五千にサルベからの長槍兵が五千、合計一万九千。これにリンゴネからの兵が三千にエルギカからの兵が一万、それと弩に特化した弓兵が六千。約三か月の休みを貰った都合三万八千が現在ホサンスの率いる大陸軍である。そして、アキタの反乱を鎮めるために協力を申し出たアペルドナルとカレドからの兵が約二万ついているので総勢約六万の兵が現在アキタ北部の国境にいる。


 その軍の天幕のなかでホサンス、シュキア、ゴルミョ、オルゲトリ、コミウス、チオマル、エポサグナ、ダゴマロス、カチヴォルクス等の幕僚がいる。


「反乱と言っても他国を攻めるわけでもないから、ただ兄者が大王になるのを認めたくないってことか」


「ゴルミョ、アキタには俺たちは来たことがないから、どういう気質の連中か教えてくれ」


「ここではクリーニャ兄ぃが結構無茶したから恨まれていても不思議じゃないんだよな」


「なんだ、なにがあった」


「いや、普通に捕虜とかを奴隷にして売り飛ばしたり、抵抗した町では女子供も奴隷化したりしたんだが」


「だが?」


 シュキアが声に出して続けろと、そしてホサンスが言外に続けろと言う。


「あいつらも抵抗が激しいからそれがかなりの町で行われた」


「あー、さっさと降伏しなかったのか」


「そうだよ、しょうがないだろ。なんなんだ。野戦で負け続けて、それでも籠城までするって」


「ゴルミョ殿それはアキタが虎人族の大帝国にも屈しなかった、ずっと独立してたいう伝説のせいかと」


 ここで補給官のダゴマロスが言う。


「え、そんな伝説があるのか?」


「私も良くは知りませんが書記官から聞いています」


「お前ら書記官とか文官に頼らなかったのか?」


 シュキアが信じられないと言う顔でゴルミョに聞く


「いや、だって戦えば勝てるじゃん」


 この返答を聞いたホサンスは。


「おいルクタンは何してたんだ」


「あいつはクリーニャ兄ぃに煽られて無茶ばかりしてた」


 この返答を聞いたホサンスは表情が能面のようになるが、シュキアが。


「まあ、仕方が無い。俺たちはこっちにこれなかったんだ。エルギカには俺とシャア姉がいなかったら絶対に勝てなかった。それよかアキタだ。じゃあ、あいつらの抵抗は激しいものになるのか」


「いや待て。これは言っておく。クリーニャとゴルミョとルクタンはよくやった。お前らがいなかったらこの大陸統一は為しえなかったかもしれん。で、シュキアの言う通り問題はこれからだ。一応俺たちは統一国家として、この地方の反乱を鎮めるという大義名分でここに来てる。だから、今回この戦で捕虜の奴隷化は無しだ」


「ええっ」


「文句言うなオルゲトリ。大王として略奪も極力禁ずる。これが終わったら俺たちは同じ国の兄弟となるんだ。そう思って行動しろ」


「なら攻城戦は徹底的に避けないといけないです。あれのあとだと兵達を抑えるのはほぼ無理だ」


「そうだ、コミウスの言う通りだ。アキタの王を野戦に引きずり出すしかない」


「おい、アキタの王はどんなやつだ?」


 コミウスの発言をホサンスが肯定したあとシュキアがゴルミョに聞く。


「自尊心が半端ないですよ」


「それを突くしかないか」


「流言飛語ですか」


「さすがだな、すぐにそう思いつくお前ならそういうのが得意だろダゴマロス」


「オルゲトリ殿、私は補給官ですのでそういうのも疎いです。罵詈雑言は兵の得意分野でしょう」


「何嫌味を言い合ってんだ。流言飛語、罵詈雑言、結構。そのほかになんか案は無いのか?」


「シュキア殿それならば兵達を使って作物の刈り取りなどをすればよいかと」


「まあ、常套手段の一つだな」


「いや、エポサグナの案は却下だ。民に迷惑をかけるのは避けたい」


「そんな、俺たちの時とは違ってなんで今回はこんなに自分たちの手を縛って戦わないといけないんだ兄上」


「だからこれを地方の『小さなな反乱』という形で終えるためだ。それに前回荒っぽかったのなら今回は丁寧に行く。仕方がない。覚えておけ、大陸の統一政府となった以上、自国民としてこいつらを扱う責任があるんだ。お前らも傭兵時代を思い出せ。ヘルベ内で傭兵業をしていたときも俺たちは捕虜を奴隷化しなかったろ」


「まあ、確かに。身代金くらいだったな」


「自分は若かったので傭兵時代は知りませんが命令には従います」


 オルゲトリとチオマルが言う。


「じゃあ、あとは戦略か。どうする兄者?」


「ここは軍を分けて北から首都のブルディガを目指そう。で、こっちのほうが兵が少ないように見せろ。それでも王が出て来なかったら腰抜けだとか言っとけ。当然出てきたら全軍で集まって叩く。出て来なかったら、そうだな一旦軍を山の方まで引く。回り込んで河の堀の無い方から迫る」


「これ長引けば補給がきつくなるか?」


「シュキア様、ここまでの補給は万全です。この辺りまでは我々に好意的なので、反乱があるかも知れないと聞いたときからここにはすでに補給拠点を築きだしました。なのでブルディガまで直進するならば長引いても問題ないと思われます。問題は山側に迂回するときですね」


「なら、そうならないように散々挑発してやろう」


 こうして対アキタ戦の方針が決まり大陸軍はアキタ領内へ入った。アペルドナルとカレドの軍は直進してブルディガを目指し、ヘルベ兵とサルベ兵はその左側を、そしてリンゴネとエルギカの兵は一番右を通ることが決まった。弓兵はホサンスが三千五百もらい、カチヴォルクスに二千五百預けた。


挿絵(By みてみん)

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