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伝えたかったこと

バタバタしてすみません。入れ替えは終わっていますので続けます

「では、先ぱ…」

「高梨さん」



先輩が俺の言葉に被せるように声を出した。


とても真面目な表情だ…裾は掴んだままだが。

だから、その、距離が近い


「すみません、今日のことを含めて色々お話することもありますし、高梨さんもお話されたいことがあると思います。ですが、先にお話させて下さい。」


「わかりました。でもこれだけは確認させて下さい。」


見た目は落ち着いたように見える、だが先輩は隠すのが上手い

本当に大丈夫なのだろうか…


「先輩、本当に大丈夫ですか?」

「……はい」


「色々あった後なんです。我慢しなくていいし、正直に言って下さい」

「……」


俺は先輩の反応を待った


「…その、まだ少しだけ…思い出すと」


やはり手が震えてきたように見える


過去の経験上、こうなったら衝撃の上書きをするしか思い浮かばない

柚葉にもここまでしたことはないが


「先輩、先に謝っておきます。すみません」


俺も覚悟を決めて、屋上ではできなかったが、軽く抱きしめてみた


「え!?」


流石に予想外だったらしく、先輩が驚いた声を上げた

俺はそれに構わず続けた


「先輩、さっきも言いましたが、あいつらはきっと大丈夫です。それにあいつらに関わっていたやつらにも影響が出るように会長が手を打ちました。先輩のお友達もいます。」


俺は言い聞かせるように話を続けた


「それに…俺はもう誤解しません。先輩がこの前話したことは、副会長としてって意味ですよね?」


「…はい、今からそのお話をする予定だったのですが」


「なら、俺はもう誤解しません。先輩が俺がいて迷惑じゃないのなら、俺はこれからも協力します」


「…ありがとうございます…すみません、少しこのままでいさせて下さい」


泣いている感じではなかったが、先輩は少しだけ俺に寄りかかった

俺は先輩の震えが消えるまで、暫くそうしていた。


------------------------------------------


落ち着くのを待って離れたが、さすがに俺も一杯一杯だった

かなり緊張した…


「すみませんもう大丈夫です。何か思うことがあれば、そのときはちゃんとお話しします」


どうやら今度こそ落ち着いてくれたらしい


「ちゃんとお話をと思っていましたが、一番先に説明しなければならなかった肝心な部分はわかって頂けたようですので。でも、それでもしっかりとお話ししたいのです。聞いて頂けますか?」


「はい。」


「改めての話ですが、私は、あなたを信じております。」


「あなたは他の男性とは違うと思っています。先日私がお話した、誰かを特別扱いはしない等のことはお忘れ下さい。あれは生徒会副会長としてのことを言っただけなのです」


「…はい」


正直、嬉しい気持ちは勿論あるが、予想通り俺の勝手な勘違いだった訳で、申し訳ない気持ちが込み上げてくる


「私個人は、あなたをそう見ていると…わかって頂けましたでしょうか?」


若干不安そうな気配を見せた先輩が問い掛けてきた。


「…はい、ありがとうございます。正直、そう言って貰えて嬉しいです。自分も色々話さなければいけないことがあるんですが、一つ聞いてもいいですか?」


「はい」


そう…以前から気になっていたことであり、信じて貰えているとわかった以上、更に気になることだ


「先輩は、俺のことを知っていましたよね?俺が花壇で水やりをしているのを見ていたのは聞きましたが、最初から俺にちゃんと応対してくれてましたし、でも俺は先輩と初対面でしたし、水やりのことだけで最初から俺にちゃんと…」


「ああ、そのことでしたか」


先輩は何かを考えるように、思い出すように、俺から少し視線を外した

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前半で『高梨さん』になったのにすぐに『先輩』になってます。 誤字脱字機能使おうか迷ったのですが、作者様の判断でそうされてるかも知れないので書き込みました。
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