表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/342

序章

 薩川沙羅先輩…


 孤高の女神様と呼ばれている、ウチの学校の生徒会副会長。


 とある理由から孤独を余儀なくされてきた俺と、自ら孤高を貫いてきた女神様。

 そんな彼女と俺の、不思議な距離感で続く関係が、転換期を迎えようとしていた。


 何故いきなりこんな展開になったのだろうか。

 先輩は今まで恋を自覚したことがないのだから、戸惑うのは当然だと思う。

 どうせ伝えることになるのなら、もっとゆっくり伝えたかった。

 こんなに急な話では…


 図らずも俺の本音を聞いてしまった先輩は、恥ずかしそうに赤い顔をしたまま、それでも俺をしっかりと見ている。


「高梨さん、私は自分のこの気持ちが恋なのかわからないのです。でもこれが恋なら…他の誰でもない、あなたと一緒がいいのです。ですから…」


 沙羅先輩はそこまで言うと、とびきりの笑顔を見せてくれた


「私に恋を…」


 そして、精一杯の答えを俺にくれたのだった。


-------------------------------------------------------------------------


「ぎゃはははは!」

「こいつ、ホントに来やがった!!」

「ごめんね〜、期待しちゃった?」

「カワイソ〜」


 なぜか笑い者にされ、俺は拳を握りしめる。

  …ダメだ…ここで手を出すな…繰り返すな…


「せっかく来てくれたんだし、言ってやれよ」

「しゃーないなぁ…ずっと前からあなたが好きでしたぁ!!」

「おっとぉ衝撃の告白だぁ」

「ほれ、返事してやれよ」


 こいつら、俺がこのまま黙っていると思っていやがる。

 そんな訳ないだろう


「ふざけ」


「随分とくだらないことをやっていますね」


 !?

 突然後ろから聞こえてきた声に少し驚き、思わず振り返る。

 屋上の出入口付近に、一人の女生徒が立っていた。

 誰だ?


「なぜ小学生がこの学校に来ているんでしょうね?」


 少し離れた距離でも何となく気付いていたが、ゆっくり近づいてくる姿を見ていると、改めて驚きが大きくなってしまう。

 こんなに綺麗な人を見たのは生まれて初めてだ。

 TVで見るアイドルや、雑誌のモデルなんて目じゃない。この人、とんでもない美人だな…

 でも、そんな外見よりも俺が気になっているのは彼女の目だ。

 どこまでも冷たく、完全に見下しているような、汚い物でも見ているような、そんな視線でバカ共を見ている。ひょっとしなくても、かなりキツい性格の人なんだろうか?

 それにこの人…どこかで見たような…あ、思い出した。

 この前の学校集会で見たな。確か生徒会副会長だ


「うっひょう、この距離で話せるなんてラッキーだぜ」

「は? 小学生?」

「いや、何の話ですか? 薩川先輩?」


「…面倒臭いですね。もういいです。屋上は特別な理由のない限り、生徒の立ち入りは禁止です。早く教室に戻りなさい」


「はーい、気を付けま〜す」

「いくぞ」

「えええ、もうちょっと話を」

「いいから!」


 副会長から注意を受け、バカ共は特に反発をすること無く素直に帰って行く。

 ゾロゾロと連れだって、屋上のドアから真っ直ぐと出て行った。

 だからこの場に残っているのは俺と彼女だけだ。


「あなたも戻りなさい」

「はい、すみません…」


 どことなくあいつらよりはマシな声音で注意されて、俺も彼女を残してこの場を立ち去る。


 これが孤高の女神様と呼ばれる生徒会副会長「薩川沙羅」と、孤独な男「高梨一成」の最初の出会いだった。

初めまして。

なにぶん、初心者な上に物書きの知識が全くありませんので、かなり色々と至らない点が存在していると自覚しております。

一応、現在修正中です・・・かなりゆっくりとですが

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ