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異常な行動

「旦那様、昼食の準備が出来ました」


あの後、セバスチャンも忙しくなったので、護衛の兵士とゲームをしていると、メイドがそう告げてきた。


「わかった」


そう言って立ち上がり、兵士たちと別れる。

どうやら、兵士と俺は別々に食べるらしい。


「こちらへ」


案内された場所は、周りが花畑で囲まれている穏やかな風が通る綺麗な場所だった。

日傘を立て、その中には椅子と丸テーブルがあり、上にはすでに運ばれてきた昼食が置いてあった。


「それじゃあ、頂きます」


これは、日本での習慣がそのままこの世界でも長引いているだけである。


「うん、美味い!」


肉類を基調としたスープ料理で、非常においしい。

家の領特性の軟かいパンを途中で食べても良い。


そうして、穏やかな時間が延々と流れていく。


ふと、後ろを見ると、兵士たちは何やら大きな荷物を馬に括り付けていた。


「セバスチャン、あれはなんだ?」


「あれは、野営道具ですね。護衛は基本外での警戒が任務ですからな」


「なるほど?」


まあ、いろいろとあるのだろう。



その後、お菓子とお茶を食べ、再び馬車での移動となった。


「クッションがあるとはいえ、やはり腰がきついな」


この世界ですでに二十歳後半を迎えた俺には、少しきつかった。


「もう少しで野営地です」


セバスチャンがそう言ってくる。


「そう言えば、なんか野営早くないか?まだ半日しかたってないぞ?」


「この馬車の馬は亜種なので、非常に早く丈夫で力持ちなのですが、護衛の馬はただの馬なので」


ああ、普通に休憩が火うようなわけか。


「わかった。で、後どれくらいで王都だ?」


「二日ほどかと」


「早っ!」


え、何?こんなに近かったっけ?」


「ええ、それ故に馬の消耗が早く、休息を必要としているのです」


えええええ、じゃあ普通の馬で良かったのに。


「と言うか、三日で着くの?」


「本来なら、急いでも十日、普通に行って十五日ほどですな。何分辺境ですから」


だよねえ、この国大きい割に町が少ないし、辺境だし、二日とかどんだけ飛ばしてんだよ。


「まあ、いいか。それじゃあって、まずくね?これで王族とか他の貴族に目を付けられたら、まずくね?」


「……そうですな」


セバスチャンが肯定してきた。

おいおいおい、ようやくここまで来たのに、つぶれるとかいやだぞ。


「………帰りと、次からは十日ほどかけて帰る。それでいいな?」


「それがよろしいかと」


降ってわいた不安は、その日解消されることはなかった。



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